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かず

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各種医療職の資格試験問題に挑戦しつつ、資格を目指す方々を励ますブログです。
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感染症:治療総論

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https://www.studyblue.com/notes/note/n/antibiotics/deck/10837594

歯科国試問題からの出題


1)106A-23
患者が感染症の持続性キャリアであると想定して実施するのはどれか。1つ選べ。

a  バリアフリー
b  リスクマネージメント
c  ハイリスクストラテジー
d  リスクコミュニケーション
e  スタンダードプレコーション


2)108C-80 
ニューキノロン系抗菌薬で正しいのはどれか。1 つ選べ。

a 時間依存性抗菌薬である。
b 妊婦への投与は禁忌である。
c 細菌の細胞壁合成を阻害する。
d 細菌のタンパク質合成を阻害する。
e 非ステロイド性抗炎症薬と併用する。


3)106C-86
セフェム系抗菌薬を投与した患者に菌交代現象でみられる症状はどれか。1つ選べ。

a  下痢
b  頭痛
c  発疹
d  息切れ
e  顔面浮腫


4)108A-79 
トリアゾール系薬剤の投与が有効と考えられる感染症はどれか。1 つ選べ。

a 結 核
b マラリア
c 口唇ヘルペス
d 口腔カンジダ症
e ヘルパンギーナ


解答はMOREをクリック

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解答、解説

1)106A-23
患者が感染症の持続性キャリアであると想定して実施するのはどれか。1つ選べ。

a バリアフリー           ×
b リスクマネージメント      ×
c ハイリスクストラテジー     ×
d リスクコミュニケーション    ×

e スタンダードプレコーション  ○

常識的にeしかないでしょう。

解答 e


2)108C-80 
ニューキノロン系抗菌薬で正しいのはどれか。1 つ選べ。

a 時間依存性抗菌薬である。       
   ×:ニューキノロン系抗菌薬は濃度依存性
     時間依存性はβラクタム系抗菌剤 (下に詳しく解説しました)

b 妊婦への投与は禁忌である。
   ○:当然 禁忌

c 細菌の細胞壁合成を阻害する。
   ×:キノロン系はDNA合成阻害(核酸合成阻害薬)
   細菌の細胞壁合成を阻害するのは、PC系やセフェム系の抗生剤
   
d 細菌のタンパク質合成を阻害する。
   ×:タンパク質合成を阻害する薬の種類にマクロライド系、テトラサイクリン系、アミノグリコシド系

e 非ステロイド性抗炎症薬と併用する。
   ×:NSAIDSとの併用でけいれんを誘発

解答 b

ニューキノロン系抗菌薬
http://tkamogashira.users.sourceforge.net/sodan/story/m/ifm07.html

作用機序:DNA合成阻害

抗菌スペクトラム古典的にはグラム陰性桿菌に活性が高く、
陽性球菌や嫌気性菌に対してはあまり活性が高くなかったが
新しいキノロンではこの特徴に変化がある(後述)。

βラクタム薬が効かないマイコプラズマ、クラミジア、レジオネラなどの異型病原体や抗酸菌にも活性を有する。

臓器移行性組織移行性は一般に良好である。
特に尿路移行性は良好だが、
その他にもβラクタム薬の移行が悪い前立腺、 骨、膿瘍への移行は良好である。
肺への移行も良好。
体内の異物(人工関節など)への移行も良好である。

濃度依存性:PAE(postantibiotic effect)βラクタム薬と異なり、
濃度依存性の効果とグラム陰性桿菌対する長いPAEがあるため
1日1回投与(CPFXを除く)が本来は望ましい。

経口薬βラクタム薬の場合、
経口薬は静注に比べると明らかに効果が落ちる(生体内利用率bioavailabilityが高くないため)が、
キノロンは非常に生体内利用率が良好であり経口薬でも基本的には静注と効果は同等である
(ただしCPFXのみ生体内利用率70%程度とやや劣る)。

副作用アレルギーは少ない。

NSAIDとの併用で痙攣を誘発しやすく、
さらに主に高齢者に頭痛や軽度の幻暈、気分の変調などの中枢神経症状を認めることがある。

QT延長、心室頻拍(Torsades de pointes)、心室細動の原因になることもある。
特に低K、低Mg血症患者心不全患者での使用や class Ia、class IIIの抗不整脈薬との併用は危険である。

稀な副作用としてアキレス腱などの腱断裂がある。

スパルフロキサシン(SPFX)は以前にレスピラトリー・キノロンとして売り出されたが
光線過敏症とQT延長が問題となり
marketから消えて行った。

薬剤相互作用はβラクタム薬よりも多い。
特に抗不整脈薬などは要注意であり処方の際は必ず確認(注1)。
NSAIDSとの併用は痙攣のリスクを増す。

また、Fe, Mg, Al, Ca, Znなどの金属イオンを含む製剤(例えば、酸化マグネシウムやスクラルファートなど) は
キノロンの消化管からの吸収を妨げ、キノロンの効果を落とすため併用は避ける。

http://for-guests.com/newquinolone-1333も参考に


抗生物質(抗菌薬)の種類
http://kusuri-jouhou.com/microbe/kokin.html


A)細胞壁合成阻害薬


ヒトには細胞壁が存在しないため、細菌に存在する細胞壁の合成を阻害してもヒトの細胞までは影響を与えにくいです。
そのため、細胞壁合成阻害薬は細菌にのみ選択毒性を示します。

これら細胞壁を合成する薬としてはいくつもの種類があり、
薬としての構造式や細かい作用部位の違いによっていくつもの種類に分けられます。

細菌の細胞壁合成を抑制する薬の種類:
β-ラクタム系(ペニシリン系、セフェム系、カルバペネム系、ペネム系)、
グリコペプチド系(バンコマイシン)、
ホスホマイシン系
など


 ・β-ラクタム系とは
薬は数個から数十個の原子で構成されている小さい分子です。
β-ラクタム系はその中に四角形の構造をもちます。

kyoyzai-dd3.jpg 

この四角形の構造をβ-ラクタム環と呼ぶため、この構造をもつ抗菌薬をβ-ラクタム系と言います。


B) 細胞膜機能阻害薬

細胞壁の下には細胞膜があり、この細胞膜によって細胞の内と外が分けられています
そのため、この細胞膜に穴が開くなどの機能障害が起こると、
細胞の中に存在する物質が細胞外へと漏出してしまいます。


細胞膜機能阻害薬は細胞膜に直接作用することによって、
本来は細胞内で生命維持に関与しなければいけない物質を細胞外へと漏出させます。
これによって、細菌は死滅してしまいます。

細胞膜の透過性を高めることによって細菌を殺す薬としてポリミキシンBなどがあります。


C)タンパク質合成阻害薬

タンパク質を合成するための器官としてリボソームがあります。
細胞分裂のためには新たなタンパク質が必要ですし、古くなったタンパク質を新しく作り変えるときにもリボソームが活躍します。
そのため、このリボソームの働きが抑えられてしまうと新しくタンパク質が作られなくなり、細菌の増殖もストップします。
このように、リボソームの働きを阻害することによって細菌の増殖を抑制する薬にタンパク質合成阻害薬があります。

細菌にのみ選択毒性を出すためには、細菌に存在するリボソームにだけ作用する必要があります。
しかし、ヒトの細胞にもリボソームは存在します。
ただし、重要な事として「ヒトのリボソーム」と「細菌のリボソーム」は種類が違います。

タンパク質の合成に関わるリボソームであることには変わりませんが、
このわずかな種類の違いを見分けることによって細菌に存在するリボソームだけを阻害します。
これによって、細菌にのみ選択毒性を示すことができます。

kyoyzai-dd5.jpg


このように、
リボソームの働きを抑制することによってタンパク質合成を阻害する薬の種類に
マクロライド系、テトラサイクリン系、アミノグリコシド系が存在します。


D)核酸合成阻害薬
タンパク質の合成にはリボソームが必要ですが、
その前にDNAやRNAなどの核酸から「タンパク質を合成するための設計図」を読み取る必要があります。

タンパク質の合成を行う時、まずは「どのようにしてタンパク質を作れば良いか」が書かれている本やレシピが必要です。
この本やレシピに当たるものがDNAやRNAです。

kyoyzai-dd6.jpg


そのため、これら核酸の合成が抑制されてしまうと、
本やレシピの内容を元にタンパク質の合成を行うことができなくなってしまいます。
これによって、タンパク質の合成が止まります。

核酸の働きを抑制することによって増殖を抑える抗菌薬としてニューキノロン系があります。


E)葉酸合成阻害薬

葉酸はビタミンB9とも呼ばれ、生命維持に必要不可欠な物質です。
これは細菌でも同じであり、細胞分裂には葉酸が必要になります。

そのため、この葉酸の合成を阻害すると細菌の増殖を抑制することができます。
このような薬として葉酸合成阻害薬があります。


ヒトの場合であれば、栄養素としての葉酸は食事から補うことができます。
そのため、葉酸合成を抑制してもヒトに対しては影響が出にくいです。
このようにして、細菌に対して選択毒性を示すことが可能になります。

サルファ剤、ST合剤

以上を図式化すると、

111104_thick_02.jpg 

http://jptopic.org/トピック/エリスロマイシン/


以下、さらに補足
http://kusuri-jouhou.com/microbe/seikin.html より)

静菌的作用と殺菌的作用
抗菌薬による作用としては、細菌の増殖を抑制する静菌的作用と細菌を殺す殺菌的作用の二種類があります。

 静菌的作用は細菌の増殖を抑えているだけであるため、感染症からの回復には患者さん自身の免疫力が重要になります。

 

それに対して、殺菌的作用をもつ抗菌薬は細菌を死滅させる働きがあります。

 

 静菌的作用と殺菌的作用

 

  時間依存型と濃度依存性の抗菌薬
薬の作用は血中濃度(血液中にどれだけ薬の濃度があるか)によって測定されます。
この時、「血液中の薬物濃度が高いほど薬の効き目も強い」と多くの人が勝手に思い込みます。

 

しかし実際にはそうではなく、必ずしも「薬の血中濃度が高い = 薬の効果も高い」とは言えません。
特に抗菌薬ではこの作用が有名であり、
それぞれの特長によって時間依存性濃度依存性の二種類に分けられます。

 

 ・時間依存性
β-ラクタム系抗菌薬などが時間依存性に該当します。
これらの抗菌薬は、血液中の薬物濃度がある一定以上を超えるとその作用が頭打ちとなります。

 つまり、ある水準以上の血液濃度を保つことができれば、
常に「最大の殺菌力」を持った状態で推移させることができます。
そのため、薬を多量に投与して血液濃度を上げたとしても効果は変わりません。

 

時間依存性の抗菌薬の効果を最大化したい場合、
血液中の薬物濃度を高くするのではなくて
MIC(最小発育阻止濃度)以上の血液中濃度をどれだけの時間で維持させるか
が重要となります。

時間依存性の抗菌薬の場合、MIC以上の血中薬物濃度を維持させるために
一日の投与回数を増やす必要があります。

 

 時間依存性

 

 ・濃度依存性
ニューキノロン系抗菌薬などが濃度依存性に該当します。
これらの抗菌薬は、細菌とどれだけ接触したかによって殺菌効果が変わってきます。

 つまり、血液中の薬物濃度が高ければ高いほど強い殺菌作用を得ることができます。
そのため、副作用が出ないように調節しながら一回の投与量を最大にして、
投与回数を減らすことが重要となります。

 濃度依存性の抗菌薬は「一回での投与量の最大化」と「投与回数の最小化」によって、
後述する耐性菌の発生を抑えることもできます。

 

 濃度依存性

   「静菌的作用と殺菌的作用」、「時間依存性と濃度依存性」の薬物

テトラ

サイクリン系

マクロライド系

β-ラクタム系

アミノ

グリコシド系

ニューキノロン系

静菌的作用

殺菌的作用

時間依存性

濃度依存性



3)106C-86
セフェム系抗菌薬を投与した患者に菌交代現象でみられる症状はどれか。1つ選べ。

a  下痢
b  頭痛
c  発疹
d  息切れ
e  顔面浮腫

cdeはむしろ薬剤アレルギーのサインですか。

bの頭痛;菌交代現象で真菌;アスペルギールスなどの脳炎合併すれば起こりえるが?

βラクタム系抗菌剤で誘発される偽膜性腸炎(ディフィシル菌)のことを
出題者は期待しているのか?

とすれば症状は下痢。

なんとも解答しにくい。
あまり、いい問題とは思えない。

解答 a



4)108A-79 
トリアゾール系薬剤の投与が有効と考えられる感染症はどれか。1 つ選べ。

a 結 核  ×
   抗Tbc剤;イソニアジド、リファンピシン、エタンブトールなど

b マラリア ×
   抗マラリア薬:クロロキン、キニーネ、プリマキンなど

c 口唇ヘルペス ×
   バラシクロビル

d 口腔カンジダ症 ○
   
e ヘルパンギーナ ×
   エンテロウィルスによる感染症
   主に乳幼児や子供を対象として発症しやすいウイルス感染症で
       俗にいう「夏かぜ」と呼ばれる疾患
   予防ワクチンもなく、対症治療

トリアゾール系は抗真菌薬、この中で真菌はカンジダ
ということで、正解はd

解答d

抗真菌薬 (Wikipedia)

1)ポリエン系抗生物質
  アムホテリシンB(商品名:ファンギゾン)
  リポソームアムホテリシンB(商品名:アムビゾーム)
  ナイスタチン(商品名:ナイスタチン)

2)フロロピリミジン系
  フルシトシン (5-FC)(Flucytosine) (商品名:アンコチル)

3)イミダゾール系
  トリコナゾール系とあわせてアゾール系といわれる。
  ミコナゾール(商品名:フロリードF)

4)トリコナゾール系
  イミダゾール系とあわせてアゾール系といわれる。
  フルコナゾール(商品名:ジフルカン)
  イトラコナゾール (Itraconazole) (商品名:イトリゾール)
  ホスフルコナゾール(商品名:プロジフ)
  ボリコナゾール (商品名:ブイフェンド)
  アリルアミン系塩酸テルビナフィン(商品名:ラミシール)

5)キャンディン系
  ミカファンギンナトリウム (Micafungin)(商品名:ファンガード)
  カスポファンギン (Caspofungin)

その他グリセオフルビン - 白癬の治療
ウンデシレン酸



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2015/06/27 12:31 微生物:歯科 TB(-) CM(0)
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