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MRSA、結核菌ほか
![]() http://kidshealth.org/teen/infections/bacterial_viral/mrsa.html 歯科国試から MRSA 1)87A-10 改 微生物学 MRSAについて正しいのはどれか。全て選べ。 a 多剤耐性レンサ球菌である。 b 空中汚染による感染伝播様式がある。 c 深部感染は免疫不全患者に起こりやすい。 d 80%エタノールは消毒剤として無効である。 e 保護部位として鼻腔と咽頭とが重要である。 2)90A-9 微生物学 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌のβ-ラクタム耐性の機序はどれか。1つ選べ。 a 細胞表層における薬剤透過性の減少 b 取り込まれた薬剤の細胞外への排出 c β-ラクタマーゼによる薬剤不活性 d 既存の標的酵素遺伝子の突然変異 e 薬剤低親和性の新しい標的酵素の獲得 3)106A-69 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌の抗菌薬耐性メカニズムはどれか。1つ選べ。 a 薬剤の分解 b 薬剤の排出 c 薬剤の不活化 d 薬剤標的分子の変更 e 薬剤による阻害物質の過剰生産 4)108C-2 MRSA の菌種はどれか。1 つ選べ。 a 緑膿菌 b 結核菌 c 炭疽菌 d 肺炎桿菌 e 黄色ブドウ球菌 結核菌 5)95A-54 微生物学 ツベルクリン反応に関係する細菌はどれか。1つ選べ。 a ペスト菌 b ジフテリア菌 c 結核菌 d らい菌 e 百日咳菌 6)98A-32 微生物学 咽頭ぬぐい液のZiehl-Neelsen染色で赤く染まる小桿菌が検出された。 培養に用いるのはどれか。1つ選べ。 a ミティス•サリバリウス寒天培地 b ボルデー•ジャング培地 c 遠藤培地 d 小川培地 e 胆汁培地 その他の感染症 7)108C-14 感染性心内膜炎の起炎菌の中で最も多いのはどれか。1 つ選べ。 a Fusobacterium 属 b Mycobacterium 属 c Porphyromonas 属 d Streptococcus 属 e Treponema 属 8)108C-37 急性感染の続発症として急性糸球体腎炎を起こすことがあるのはどれか。 1 つ選べ。 a 緑膿菌 b ウェルシュ菌 c 黄色ブドウ球菌 d 化膿レンサ球菌 e ヘリコバクター・ピロリ 解答はMOREをクリック スポンサーリンク MRSA 1)87A-10 改 微生物学 MRSAについて正しいのはどれか。全て選べ。 a 多剤耐性レンサ球菌である。 × 多剤耐性ブ菌である b 空中汚染による感染伝播様式がある。 ○ c 深部感染は免疫不全患者に起こりやすい。 ○ 本菌が免疫力が低下した患者に感染すると、通常では本菌が起こすことはないような 日和見感染を起こすこともある。 一旦発症するとほとんどの抗生物質が効かないため治療は困難である。 特に、術後の創部感染、骨感染(骨髄炎・関節炎)、感染性心内膜炎(IE)、 臓器膿瘍は難治性化 d 80%エタノールは消毒剤として無効である。 × 不活化の為に80%エタノールが消毒薬として有効である e 保護部位として鼻腔と咽頭とが重要である。 ○ 黄色ブドウ球菌と同様に常在菌のひとつと考えられ、 健康な人の鼻腔、咽頭、皮膚などから検出されることがある 解説はWikipedia から 解答 b c e 2)90A-9 微生物学 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌のβ-ラクタム耐性の機序はどれか。1つ選べ。 a 細胞表層における薬剤透過性の減少 b 取り込まれた薬剤の細胞外への排出 c β-ラクタマーゼによる薬剤不活性 d 既存の標的酵素遺伝子の突然変異 e 薬剤低親和性の新しい標的酵素の獲得 MRSAは、細胞壁合成酵素の一つであるPBP2をPBP2'に変化させることにより、 薬効を発揮できないようにしている。 解答 e 3)106A-69 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌の抗菌薬耐性メカニズムはどれか。1つ選べ。 a 薬剤の分解 b 薬剤の排出 c 薬剤の不活化 d 薬剤標的分子の変更 e 薬剤による阻害物質の過剰生産 解答d β-ラクタム系抗生物質が結合できない新たな細胞壁合成酵素 (PBP2’) を作るようになったこと, すなわち,薬剤標的分子が変更になったことによって薬剤に対する耐性を獲得したと考えられる. したがって,正答は「d」となる. 薬剤耐性 http://www1.ocn.ne.jp/~nisimura/contents/drugresistance.html 細菌やウイルス等が薬剤に対して抵抗力を持つことを薬剤耐性と言います。 今日問題となっている薬剤耐性病原体についてみてみましょう。 ★ 赤字は今後、出題の可能性あり。 ◎メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA) 黄色ブドウ球菌に対して本来有効であるメチシリンに耐性になってしまったブドウ球菌です。 メチシリンを含めたペニシリンやセフェム等のβラクタム剤は、 細菌の細胞壁を合成する酵素の働きを阻害することにより殺菌します。 (菌体内は圧力が高いので、細胞壁という固い膜で細菌を覆わないと破裂してしまいます。) MRSAは、 細胞壁合成酵素の一つであるPBP2をPBP2'に変化させることにより、 薬効を発揮できないようにしています。 MRSAの治療には、バンコマイシン(VCM)、タゴシッド(TEIC)、ザイボックス(LZD)、ハベカシン(ABK)等の薬剤を使います。 ◎バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA) 上記の耐性に加え、バンコマイシンにも耐性になった、黄色ブドウ球菌です。 βラクタム剤と同様にバンコマイシンも細胞壁の主成分であるペプチドグリカンの合成を 阻害することにより抗菌力を発揮しますが、前者が糖鎖とペプチドの結合という最終段階を 阻害するのに対し、後者はペプチド鎖の合成を阻害します。 もともと、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)という菌があり、 ペプチド鎖のアミノ酸の一つを乳酸やセリンという物質に変えることにより バンコマイシンの作用点をなくし、同薬剤に耐性を得ていました。 その同じ耐性機構が黄色ブドウ球菌に移って、バンコマイシン耐性になったのがこのVRSAです。 VREは感染しても病原性を持つことはほとんどありませんので大きな問題にはなりませんが、 病原性のあるMRSAが、バンコマイシンにまで耐性を持つと大問題です。 ◎ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP) 肺炎球菌(Streptococcus pneumonia)は、肺炎や髄膜炎を起こす代表的な菌です。 抗生物質の有効性をあらわす指標として最小発育阻止濃度(MIC:minimum inhibitory concentration) という数値を利用します。 この指標により、以下のように分類されています。 ≦ 0.06mg/L ペニシリン感受性肺炎球菌(PSSP:penicillin sensitive S.pneumoniae) 0.1~1.0mg/L ペニシリン中等度耐性肺炎球菌(PISP:penicillin intermediate resistant S.pneumoniae) ≧2.0mg/L ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP:penicillin resistant S.pneumoniae) 細胞壁を作る酵素である、PBPが変化することが、耐性の機序と言われています。 PRSPとは言え、十分量のペニシリンを投与するとMIC上回る濃度を得ることはできますので、治療にそれほど困ることはありません。 ◎βラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性インフルエンザ菌(BLNAR) インフルエンザ菌は、肺炎球菌と同様に肺炎や髄膜炎を起こす代表的な菌です。 よく、インフルエンザウイルスを混同されますが、両者は全く別物です。 ◎基質特異性拡張型βラクタマーゼ(ESBL)産生菌 本来、ペニシリナーゼは、ペニシリンのみを分解しますが、基質特異性が拡張し、 第三世代や第四世代のセフェム系抗生物質まで分解できるようになったものを、ESBLと呼びます。 この遺伝子は、核の染色体ではなく、プラスミドという細胞質内にある染色体上に存在し、 その耐性機構は、多の細菌に伝搬されやすい性質を持っています。 ◎多剤耐性緑膿菌(MDRP) 緑膿菌は、健康な人には病原性は持ちませんが、抵抗力の弱い人には時に病原性を示す菌です。 菌の最外層にある外膜を薬剤が通過する際、ポーリンという穴を通りますが、 この穴が通りにくい構造に変わると耐性化します。 また、抗生物質を分解する力の強いメタロ・βラクタマーゼの遺伝子が入り込むと、耐性化します。 さらに、いったん菌体内に入った抗生物質を菌体外に排出するエフラックス機構が発達しても薬剤耐性となります。 これらの耐性機構が組み合わさり、アミカシン(AMK)、イミペネム(IPM)、 シプロフロキサシン(CPFX)という通常の緑膿菌に効力のある抗生物質にすべてに耐性を持つと、 MDRPとなります。 緑膿菌は、水のあるところで増える性質があり、病室に花瓶を置かない方がよいといわれるのはこのためです。 ◎多剤耐性結核菌(MDR-TB) 現在主流の抗結核剤である、イソニアジド(INH)とリファンピシン(RFP)の両者に 耐性の結核菌を多剤耐性結核菌(MDR-TB)と言います。 さらに、アミカシン(AMK)、カナマイシン(KM)、カブレオマイシン(CPM)のいずれかと フルオロキノロンのいずれかに耐性を有するものを超多剤耐性結核菌(XDR-TB)と呼びます。 これらの場合、有効として残った薬剤を3剤以上組み合わせて治療しますが、 強い抗菌力を持つものが少ないため、治療に難渋します。 ◎多剤耐性アシネトバクター アシネトバクターは、緑膿菌と同様にどこにでも生息する菌で、通常健康な人には感染しません。 しかし、抵抗力の弱い人には時に病原性を発揮し、その大部分はアシネトバクタ-・バウマニです。 もともと、抗生物質の効きにくい菌ですが、特に薬剤耐性の強い菌が、 本年になって帝京大学病院や藤田保健衛生大学病院でみられ、院内感染として問題になっています。 コリスチン(CL)とチゲサイクリンが有効ですが、日本ではどちらも保険収載されていません。 ◎NDM-1産生菌 インドから帰国した患者からしばしば多剤耐性菌が検出され、世界的に話題になっています。 これらは、NDM1(ニューデリー・メタロ・βラクタマーゼ1)という薬剤耐性遺伝子を持っていることが特徴です。 上記のごとく、メタロ・βラクタマーゼは、極めて強力な薬剤耐性を誘導する酵素です。 この菌の問題は、耐性遺伝子を持ったのが大腸菌や肺炎桿菌であるということです。 緑膿菌やアシネトバクターは抵抗力が弱い人にしか病原性を持ちませんが、 これらの菌は誰にでも病原性を発揮する可能性があります。 ただ、この遺伝子は大腸菌の病原性を増加させるわけではありませんので、 薬剤耐性は強くしますが直接的に病気を重くすることはありません。 ◎オセルタミビル耐性インフルエンザ 近年流行しているインフルエンザウイルスは、H1N1とH3N2の2種類です。 2007年11月よりH1N1のオセルタミビル耐性ウイルスが北欧を中心に流行し、 その後全世界に拡大していきました。 世界で突出してオセルタミビル(タミフル)の使用量が多い日本発でないことから、 薬剤の使用量と耐性ウイルスの出現とは無関係と思われます。 耐性と言っても薬理学的なレベルですので、十分な血中濃度の得られる実際の臨床では、 効果がないわけではありません。 ただ、今後さらなる耐性化がおこれば、治療に支障がでてくるかもしれません。 吸入剤であるザナミビル(リレンザ)には耐性を示しませんが、 注射薬であるベラミビル(ラビアクタ)には耐性を示すようです。 新型インフルエンザ(A/H1N1)は、高い感受性を持っていますが、今後の耐性化が懸念されます。 参考: 多剤耐性菌の耐性機序と治療薬 4)108C-2 MRSA の菌種はどれか。1 つ選べ。 a 緑膿菌 b 結核菌 c 炭疽菌 d 肺炎桿菌 e 黄色ブドウ球菌 解答 e 結核菌 5)95A-54 微生物学 ツベルクリン反応に関係する細菌はどれか。1つ選べ。 a ペスト菌 b ジフテリア菌 c 結核菌 d らい菌 e 百日咳菌 解答 c 解説 結核 • Mycobacterium tuberculosis • Ziehl-Neelsen染色→赤色 • ツベルクリン反応 • 小川培地 6)98A-32 微生物学 咽頭ぬぐい液のZiehl-Neelsen染色で赤く染まる小桿菌が検出された。 培養に用いるのはどれか。1つ選べ。 a ミティス•サリバリウス寒天培地 × MS培地(ミティス・サリバリウス培地)は口腔レンサ球菌を培養するための培地。 できるコロニーは口腔レンサ球菌。 補:MSB培地は、MS培地にバシトラシンという抗生物質とショ糖(砂糖)を加えたもの。 MSBのBはバシトラシンのBです。 MSB培地は、口腔レンサ球菌のうち、ミュータンス菌群のみを培養するための培地。 b ボルデー•ジャング培地 × 百日咳菌(Bordetella pertussis)の分離培地 c 遠藤培地 × d 小川培地 ○ e 胆汁培地 × 腸内細菌 解答 d 解説 Ziehl-Neelsen染色 →結核菌 →小川培地 ほかに出されそうな培地 チョコレート培地:インフルエンザ菌 マッコンキー培地:乳糖発酵菌の鑑別(クレブシエラ、大腸菌、エンテロバクター、Citrobacter) レフラー培地:ジフテリア菌 ![]() 抗酸菌染色(Ziehl-Neelsen染色)はマイコバクテリウムを選択的に染色する。 赤く染まる桿菌(結核菌)が見られる。 (病理コア画像 から) ![]() 小川培地 http://sting.hatenablog.com/entry/2012/01/29/081659 その他の細菌感染 7)108C-14 感染性心内膜炎の起炎菌の中で最も多いのはどれか。1 つ選べ。 a Fusobacterium 属 b Mycobacterium 属 c Porphyromonas 属 d Streptococcus 属 e Treponema 属 解答 d Infective endocarditis (IE)について解説 (Wikipedia) 多くの場合、大動脈弁閉鎖不全症(AR)や僧帽弁閉鎖不全症(MR)、 あるいは心室中隔欠損症(VSD)や動脈管開存症(PDA)のように、 血流ジェットを生じる疾患を有することが素地となる。 また、弁置換後や、チアノーゼ性の複雑な先天性心疾患(ファロー四徴症など)の 患者も高リスク群とされている。 しばしば抜歯、あるいはカテーテル処置などにより、循環血液中に細菌が侵入する(菌血症)ことが契機となる。 このとき、上記のような素地となる疾患によって血流ジェットが生じ、 心内膜が傷ついていた場合、ここに付着した細菌が感染巣(疣贅)を形成し、 感染性心内膜炎を引き起こすこととなる。 起炎菌としては、 口腔内常在菌である緑色連鎖球菌や黄色ブドウ球菌が多く、 弁尖などを破壊することによる心不全がもっとも危険である。 IEの診断基準
上記の大小基準をもとに、次のようにして判定する。
![]() http://medicscientist.com/infective-endocarditis-causes-treatment Osler 結節 ![]() http://doctorsgates.blogspot.jp/2010/12/osler-nodes-janeway-lesions.html Roth 斑 ![]() http://meddic.jp/%E3%83%AD%E3%82%B9%E6%96%91 8)108C-37 急性感染の続発症として急性糸球体腎炎を起こすことがあるのはどれか。 1 つ選べ。 a 緑膿菌 b ウェルシュ菌 c 黄色ブドウ球菌 d 化膿レンサ球菌 e ヘリコバクター・ピロリ 解答 d 急性上気道炎を中心とする感染(主にA群β溶連菌)の後に、 小児~若年者に多い疾患ですが、成人にもみられます。 |
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