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m3comの 一発診断クイズ 『胸が痛いんです・・・』
(出題日:2017年3月2)の問題を 改題
選択肢はそのままにして、症例は変えて出題。
医師国試でも出るレベルの問題ではないでしょう、おそらく。

よくあるchest wall painは急性冠症候群とも鑑別の必要がある症状です。
あまり聞いたことがない病気が並んでいます。

私のメモ代わりにもなり、記録にとどめることにしました。


問題

34歳の女性。
4カ月前から右上腹部の痛みを主訴に某内科でfollow中。
疼痛のために学校での教師の仕事以外のADLにも支障が及んだ。
特に外傷歴なし。
肋骨下部痛が腹壁の張りで増強するが、嘔吐を伴う嘔気もなく、
消化器系のmedicationでも改善しなかった。
血液検査、胸腹部レントゲン写真・心電図・胸腹部CTではまったく異常認めなかった。
NSAIDsなどにも反応しないため、当院pain clinicを受診。

【所見】
身体所見:血圧120/70mmHg、脈拍数70回/分(整)、体温36.6℃
肺音:清、心雑音なし
右第8-10肋骨縁に疼痛があり、
この部を前方に押し上げるようにすると痛みが増強した。
同部位に発赤・腫脹・皮疹はない。

上記の所見から考えられる診断は?

A 肋軟骨炎 costochondritis
B 剣状突起痛 xiphodynia
C sternalis syndrome
D pectoralis syndrome
E slipping rib pain syndrome



解答:MOREへ





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答えと解説


34歳の女性。
4カ月前から右上腹部の痛みを主訴に某内科でfollow中。
疼痛のために学校での教師の仕事以外のADLにも支障が及んだ。
特に外傷歴なし。
肋骨下部痛が腹壁の張りで増強するが、嘔吐を伴う嘔気もなく、
消化器系のmedicationでも改善しなかった。
血液検査、胸腹部レントゲン写真・心電図・胸腹部CTではまったく異常認めなかった。
NSAIDsなどにも反応しないため、当院pain clinicを受診。

【所見】
身体所見:血圧120/70mmHg、脈拍数70回/分(整)、体温36.6℃
肺音:清、心雑音なし
右第8-10肋骨縁に疼痛があり、
この部を前方に押し上げるようにすると痛みが増強した。
同部位に発赤・腫脹・皮疹はない。

上記の所見から考えられる診断は?

A 肋軟骨炎 costochondritis
B 剣状突起痛 xiphodynia
C sternalis syndrome
D pectoralis syndrome
E slipping rib pain syndrome


(症例:https://www.practicalpainmanagement.com/pain/other/abdominal-pelvis/slipping-rib-syndrome-overlooked-cause-abdominal-pain に掲載された記事から引用)



正解
E slipping rib pain syndrome



【解説】


大きなエピソードもなく、検査ではまったく異常なし。

理学的には、右第8-10肋骨縁に疼痛があり、
この部前方に押し上げるようにすると痛みが増強した。
これはhooking 手技(下図)といわれ、slipping rib pain syndromeに特徴的。
以前は、Tietze 病とも呼ばれていた。
8-10肋間神経blockが有効とされ、本例もこのblockにて疼痛が緩和された。

ほかの治療
rib taping
8-10 rib resection;激しい治療だが、症例報告では効果ありとい論文が散見される。


80420Figure202_opt.jpg 
Hooking maneuver :
The fingers are hooked beneath the costal margins,
displacing them upward and anteriorly.
https://www.practicalpainmanagement.com/pain/other/abdominal-pelvis/slipping-rib-syndrome-overlooked-cause-abdominal-pain


ほかの参照サイト:、slipping rib syndromeについて
https://www.epainassist.com/chest-pain/ribs/slipping-rib-syndrome
http://www.physio-pedia.com/Slipping_rib_syndrome


m3comのクイズでは、sternalis症候群のcaseでした。

sternalis症候群は、
  胸骨柄と体部の接合部もしくは胸骨上にある胸骨筋に局所的な圧痛を認めるものをいう(図1)1)・2)


img_question_20170223_01sl.jpg
・胸壁痛をきたす筋骨格系疾患のうち14.4%を占め3) 、決して稀ではない。
・病因ははっきりわかっていない2)
・触診で痛みがしばしば放散する2)
・予後は良好で、自然に治癒する2)

chest wall painを起こす疾患は心臓、呼吸器関係以外に、
下の図で示すように圧痛点に特徴的なものがある。


img_answer_20170223_01sl.jpg

図2 胸壁痛をきたす代表的な筋骨格系疾患の疼痛部位



:肋軟骨炎、:sternalis syndrome、
:剣状突起痛、:slipping rib pain syndrome



【鑑別診断】
・胸骨柄結合部の変形性関節症、関節炎(関節リウマチ、強直性脊椎炎、
 乾癬性関節炎、SAPHO症候群、痛風、偽痛風、敗血症など)が挙げられるが、
 詳細な問診とレントゲン写真で鑑別できる4)・5)

【ピットフォール】
・指1本で胸痛の範囲を指し示すことができたら(“the pointing sign”)、
 急性冠症候群は否定的である(特異度98%)6)

また、
D pectoralis syndrome はTOS(胸郭出口症候群)の一つ。
肩外転により、小胸筋により、鎖骨下動・静脈や腕神経叢が圧迫されるものである。
本症例とは症状の出方も質も違います。
(下図 参照)


3727aa77611892821454af2d2d176b90.jpg 

https://jp.pinterest.com/goodman2207/stretches/



【参考文献】
1)Semble EL,Wise CM:Chest pain:a rheumatologist's perspective.South Med J 81:64-68,1988
2)Winzenberg T,et al:Musculoskeletal chest wall pain.Aust Fam Physician 44;540-4,2015
3)Verdon F,et al:Chest wall syndrome among primary care patients:a cohort study.BMC Fam Pract 8:51,2007
4)Wise CM:Major causes of musculoskeletal chest pain in adults.UpToDate
5)Ehara S:Manubriosternal joint:imaging features of normal anatomy and arthritis.Jpn J Radiol 28:329-334,2010
6)Marcus GM,et al:The utility of gestures in patients with chest discomfort.Am J Med 120:83-89,2007

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