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サルコペニア・フレイルティ関係の問題
![]() http://myheart.net/articles/sarcopenia-age-related-muscle-loss/ 主に管理栄養士国試問題からです。 管理栄養士の分野では早くから問題として出されてきたようです。 サルコペニアについては、医師国試ではコアカリの項目に正式に入ったようです。 昨日のブログでも歯科国試で出されたサルコペニアを扱いましたが、 今後、一般問題でも形式を変えて出題されるかもしれません。 また、最近話題になっているオーラルフレイルの概念もおさえる必要はあるでしょう。 出典は以下のサイトからの改編です。 *1管理栄養士国家試験徹底解説 http://diet2005.exblog.jp/24052210/ *2https://www.dieti.biz/examanation/240.html 1)29-144 (*1) サルコペニアに関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。 (1)歩行速度の測定は、スクリーニングに用いられる。 (2)加齢は、要因となる。 (3)たんぱく質摄取不足は、要因となる。 (4)筋力低下は、認めない。 (5)ADL(日常生活動作)は、低下する。 2)28-29 (*1) 加齢に伴う変化に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。 (1)老年症候群では、日常生活動作(ADL)が低下する。 (2)起立性低血圧は、廃用症候群でみられる。 (3)パーキンソン病は、認知症の原因となる。 (4)悪液質は、サルコベニアをきたす。 (5)ロコモティブシンドロームは、更年期障害をきたす。 3)30-142 (*2) 高齢者の病態と栄養管理に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 (1)尿失禁は、脱水症の原因となる。 (2)サルコペニアは、内臓脂肪量で評価する。 (3)誤嚥の予防では、摂食時に顎を挙上した姿勢を避ける。 (4)褥瘡患者では、たんぱく質を制限する。 (5)フレイルティ(虚弱)の予防では、身体活動を制限する。 4)新作 サルコペニアの診断に必要な検査法はどれか。3つ選べ。 a DXA法 b 握力 c CT d Timed Up and Go (TUG) テスト e MRI 解答;MOREへ スポンサーリンク 1)29-144 (*1) サルコペニアに関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。 (1)歩行速度の測定は、スクリーニングに用いられる。 (2)加齢は、要因となる。 (3)たんぱく質摄取不足は、要因となる。 (4)筋力低下は、認めない。 (5)ADL(日常生活動作)は、低下する。 正解(4) (1)○ 歩行速度の測定は、スクリーニングに用いられる。 サルコペニアは、筋肉量の低下が必須であり、 これに筋力低下と運動機能の低下が加わることにより診断される。 筋肉量は、二重エネルギーX線吸収測定法、インピーダンス法などで測定される。 筋力は、握力や膝伸展力で測定される。 運動機能は、歩行速度やTimed Up and Goテスト (椅子に座った状態から立ち上がり、3m先の目印でターンをして椅子に座るまでの時間)で測定される。 ![]() https://mymobilitytest.com/aboutsystem/ (2)○ 加齢は、要因となる。 加齢によるものを原発性サルコペニアという。 加齢により、損傷を受けた筋肉の再生能力が低下することが筋肉量減少の要因である。 二次性サルコペニアには、廃用性萎縮によるもの、悪性腫瘍などの疾患に伴うもの、 低栄養によるものなどがある。 (3)○ たんぱく質摄取不足は、要因となる。 たんぱく質摂取不足は、骨格筋量を減少させるので、サルコペニアの要因になる。 (4)× 筋力低下を認める。 サルコペニアの診断は、筋肉量の低下、筋力の低下、運動機能の低下によって診断する。 (5)○ ADL(日常生活動作)は、低下する。 運動機能の低下により、ADLも低下する。 2)28-29 (*1) 加齢に伴う変化に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。 (1)老年症候群では、日常生活動作(ADL)が低下する。 (2)起立性低血圧は、廃用症候群でみられる。 (3)パーキンソン病は、認知症の原因となる。 (4)悪液質は、サルコベニアをきたす。 (5)ロコモティブシンドロームは、更年期障害をきたす。 正解(5) (1)〇 老年症候群では、日常生活動作(ADL)が低下する。 老年症候群とは、加齢に伴う心身の機能低下により、 生活能力が低下して、さまざまな症状が出現する状態をいう。 具体的には、誤嚥、転倒、失禁、褥瘡、低栄養、認知症、骨粗鬆症、便秘、脱水症などが含まれる。 (2)〇 起立性低血圧は、廃用症候群でみられる。 起立性低血圧とは、寝た状態あるいは座った状態から急に立ち上がると、 血液が重力により下半身に集まり、上半身の血圧が低下することをいう。 起立試験では、収縮期血圧の低下が20mmHg以内であれば正常、 収縮期血圧の低下が20mmHg以上であれば起立性低血圧と判定する。 血圧が低下したときは、大動脈弓と頸動脈洞に存在する圧受容器からの刺激が減少するので、 迷走神経の活動が抑制され、交感神経の活動が優位になる。 その結果、血圧が維持される。廃用症候群とは、過度な安静により、 使わない心身の機能が低下することによってさまざまな症状が出現することをいう。 例えば、筋肉を使わないので筋肉が萎縮(廃用性萎縮)して、立ち上がれなくなったり、 関節を使わないので関節拘縮が起こったりする。 その他、自律神経機能の低下による起立性低血圧、 骨への重力の刺激の減少による骨粗鬆症など身体的症状ばかりでなく、 うつ状態やせん妄など精神症状も出現する。 生活不活発病ともいう。 (3)〇 パーキンソン病は、認知症の原因となる。 パーキンソン病の原因は、中脳黒質のドーパミン神経細胞の消失である。 ドーパミン神経細胞の消失により、軸索の投射部位である線条体のドーパミン含有量が低下することが、 パーキンソン病の症状に関係している。 パーキンソン病の4大症状は、 ①安静時振戦、②無動、③筋固縮、④姿勢反射障害 安静時振戦とは、安静にしているときに手指や足が細かく震える不随意運動ことをいう。 無動とは、動作減少、動作緩慢、小声、小書字、瞬き減少、寝返り減少、仮面様顔貌、 流涎(唾液の嚥下現症による)などの症状が出現することをいう。 筋固縮とは、腕の関節を伸展・屈曲するときにガクガクガクと 断続的な抵抗を感じる歯車様固縮が出現することをいう。 姿勢反射障害とは、前屈姿勢、突進現象、小刻み歩行、加速歩行などの症状が出現することをいう。 その他、自律神経障害として、脂漏性顔貌、便秘、発汗が出現する。 さらに、精神症状として、うつ傾向、認知症が出現する。 〇(4)悪液質は、サルコペニアをきたす。 悪液質とは、癌細胞さから分泌されるサイトカインなどの作用で代謝異常が引き起こされ、 倦怠感、食欲不振、たんぱく質異化の亢進が起こることであり、栄養失調の状態から衰弱することをいう。 体重減少、浮腫、貧血などが出現する。 サルコペニアとは、加齢に伴う筋力の低下、または老化に伴う筋肉量の減少のことをいう。 加齢によるものを原発性サルコペニアという。 二次性サルコペニアには、廃用性萎縮によるもの、悪性腫瘍などの疾患に伴うもの、低栄養によるものなどがある。 ×(5)ロコモティブシンドロームは、更年期障害をきたす。 ロコモティブシンドロームとは、運動器の障害による要介護状態や要介護リスクの高い状態のことをいう。 高齢者に多く、代表的な運動器の障害は、骨粗鬆症、変形性脊椎症、 変形性膝関節症、大腿骨頸部骨折である。 更年期障害とは、卵巣機能の低下にとる女性ホルモン(エストロゲン)の減少を基盤にして、 心理的、社会的要因と加齢による全身機能の低下が関与して、 顔面のほてり(hot flash)、発汗、手足の冷え、動悸、不眠、イライラ感、 抑うつ感、頭痛、肩こり、易疲労感などの不定愁訴が出現することをいう。 更年期とは、閉経前後の45~55歳の約10年間をさす。 3)30-142(*2) 高齢者の病態と栄養管理に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 (1)尿失禁は、脱水症の原因となる。 (2)サルコペニアは、内臓脂肪量で評価する。 (3)誤嚥の予防では、摂食時に顎を挙上した姿勢を避ける。 (4)褥瘡患者では、たんぱく質を制限する。 (5)フレイルティ(虚弱)の予防では、身体活動を制限する。 正解(3) (1)尿失禁は脱水症の原因はない。 高齢者では水分摂取の感覚が低下するので、まめな水分投与が大切。 (2)サルコぺニアは進行性及び全身性の骨格筋量及び骨格筋量の低下を特徴とする症候群。 骨格筋量及び筋力の低下により評価。 (4)褥瘡患者では組織修復の為たんぱく質の必容量が高まるので制限せず十分量与える。 (5)フレイルテイの予防は可能な範囲で身体活動を務めて行い心身機能の低下を防止。 4)新作 サルコペニアの診断に必要な検査法はどれか。3つ選べ。 a DXA法 b 握力 c CT d Timed Up and Go (TUG) テスト e MRI 正解 abd 1)の解答を参照。 筋肉量測定にCT、MRIでも可能かもしれないが、 DXA法(二重エネルギーX線吸収測定法)が用いられる。 でaは正解。 b 握力 は正解。 dは歩行速度を反映するので正解となる。 サルコペニアの診断 https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/sarcopenia/about.html から Baumgartherらの研究グループによって、6mの歩行テスト、筋肉量の測定、握力の測定結果 によってサルコペニアかどうかを判断する欧米人向けのサルコペニア診断アルゴリズム(測定方法)が 最初に確立されました。 筋肉量の測定には、 骨粗鬆症の判定にも使われるX線照射によって正確性の高い結果が得られる DXA法(二重エネルギーX線吸収測定法)、 または微弱な電流を体に流し、電気抵抗で測定するBIA法(生体電気インピーダンス法)が推奨されています。 欧米人とアジア人の骨格は異なるため、 2014年AWGS(ASIAN working Group FOR SARCOPENIA)によって日本人の体格でも対応できる アジア人特有の診断基準がつくられました。(図1参照) ![]() 図1:サルコペニアのアルゴリズム(AWGS)を一部改変 フレイルティとは虚弱のことでサルコペニアと強い関連性 フレイルティ(frailty:虚弱)は、 「加齢に伴う種々の機能低下(予備能力の低下)を基盤とし、種々の健康障害に対する脆弱性が増加している状態」 と定義されており、健康障害に陥りやすい状態をいうものと考えられます。 健康障害の中には、 ≪生活機能障害≫、≪転倒≫、≪ADL障害≫、≪要介護状態≫、≪独居困難≫、≪疾病発症≫、 ≪入院≫、≪生命予後≫などが含まれます。 フレイルティは、加齢に伴う生理的老化と病的老化によって生じた状態であると考えられます。 ![]() https://www.pt-ot-st.net/index.php/topics/detail/401/3 フレイルティは、 ①体重減少、 ②主観的疲労感、 ③日常生活活動量の減少、 ④身体能力(歩行速度)の減弱、 ⑤筋力(握力)の低下 のうち3項目に該当した場合には、フレイルティとされ、 1~2項目が該当する場合には、フレイルティ前段階と定義されています。 フレイルティの中の定義のうち、 ④身体能力の減弱と⑤筋力低下は、サルコペニアの診断基準にもなっており、 フレイルティとサルコペニアとは、関連性の強いものであると考えられます。 https://www.roumap.com/info/3470.html から オーラルフレイル ![]() 高齢者の些細な口腔機能の衰え(滑舌の低下、食べこぼし、わずかのむせ、嚙めない食品の増加)による、 虚弱や老衰など介護が必要となる一歩手前の段階を「オーラルフレイル」 といいます。 この衰えが全身の健康に影響することもわかってきています。 http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/p1059872.html から |
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