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病理学:頭頸部疾患 1
ルービン カラー病理学Q&Aからの出題 1), 2) (写真はオリジナルとは異なります) 新作問題3)もあります。 1) 40歳女性。 埋没した知歯の抜去後3日間以上たって、首の重い感染症で来院。 彼女の下顎と首全体は有通性に赤く腫脹していた。 咽頭部の培養では好気性と嫌気性細菌が混在していた。 以下のうち、最も適当な診断は? A) 放線菌症 B) 急性壊死性潰瘍性歯肉炎 C) Ludwig アンギーナ D) 化膿性肉芽腫 E) 猩紅熱 2) 45歳女性。 1年前より口内乾燥と眼球乾燥の症状があった。 診察により両側耳下腺の腫脹がみられた。 Bioosy(写真1)では胚中心の形成を伴うリンパ球浸潤が認められた。 以下の用語のうち、彼女の疾患の経過で後に耳下腺に起こる変化はどれか? ![]() A) atrophy B) dysplasia C) hyperplasia D) hypertrophy E) metaplasia 3) 新作問題 48歳女性。 3か月前から、両側の涙腺と耳下腺が腫脹しているとのことで受診。 なお、同部に痛みはなかったという。 血清学的は、抗核抗体や抗SS-A抗体は陰性であったが、 著明な高IgG4血症を呈した。 本症状はステロイド治療により速やかに改善した。 本患者の顔面の写真を下に示す。 以下のうち、考えられる疾患はどれか? ![]() A) シェーグレン症候群 B) 咽後膿瘍 C) 流行性耳下腺炎 D) 急性副鼻腔炎 E) ミクリッツ病 解答:MOREをクリック スポンサーリンク 1) 正解 C Ludwig アンギーナ 口腔底蜂巣炎が咽頭部の広い範囲におよんで咽頭狭窄を伴った炎症をいう。 急性歯槽骨炎、顎下腺管内唾石、外傷創の感染など、主として連鎖球菌性の感染が、 口底部の顎下、舌下、オトガイ下隙などの組織の間隙まで及び、 咽頭後膿瘍を形成することにより起こる。 口底部は著しく腫脹し、疼痛や発熱、強い開口障害を伴うため、 時に呼吸困難を生じることもある。 ![]() http://www.123esaaf.com/Diseases/Ludwig%20Angina/Ludwig%20Angina_en.html 本疾患における特徴的顔貌↑ 必ずしもこのような状態になるとは限りませんが。 以前にも、述べた killer sore throatの一つ。 killer sore throat 1) 急性喉頭蓋炎 2) 咽後膿瘍 3) 扁桃周囲膿瘍 4) Lemierre症候群 5) Ludwig's angina 参考記事 この sore throat 大丈夫?他の選択肢 A)放線菌症 イスラエル放線菌(Actinomyces israelii)が原因で起こる慢性の限局性または 血行性感染である。 症状は限局性の多数の排膿洞を伴う膿瘍,結核様肺炎,および軽度の敗血症。 B) 急性壊死性潰瘍性歯肉炎 Vincentアンギーナや口内炎ともいわれていました。しかし、急激に発症し、歯肉の壊死、潰瘍の形成、 偽膜の形成、疼痛および強い口臭などを特徴とすることから、急性壊死性潰瘍性歯肉炎・歯周炎と呼ばれるようになりました。 すでに歯肉炎にかかっていた人にこの病気が合併すると急性壊死性潰瘍性歯肉炎と、 歯周炎に合併すると急性壊死性潰瘍性歯周炎といわれます。 通常、歯間乳頭と歯の縁の歯肉に病変は限られ、 歯間乳頭がクレーター状に陥没するので、歯と歯の間にすきまができます。 軽症の場合は4~5日で治りますが、重症になると病変は歯槽粘膜、扁桃など周囲組織に波及し、 発熱、頭痛、倦怠感、所属リンパ節の腫脹などが現れることもあります。 ということで頸部までは病変は広がらず否定。 D) 化膿性肉芽腫 巣状の歯脳性の血管に富む組織。 E) 猩紅熱 A群β溶血性連鎖球菌による病気。2-10歳の小児に多く発病。 発熱、頭痛、咽頭痛、四肢痛、悪寒、紅色の小さな発疹が全身にできる。 舌が腫れ、「いちご舌」となる事がある。 年齢、症状ともに合わない。 2) 症状からsicca synsrome、つまりシェーグレン症候群。 本病気の末期では、外分泌腺は萎縮(atrophy)し、線維化実質内への脂肪浸潤を伴う。 ということで、 正解 A) atrophy 写真: 病理コア画像 http://pathology.or.jp/corepictures2010/07/c04/01.html から引用 3) 3か月前から、両側に無痛性の涙腺と耳下腺腫脹 血清学的:抗核抗体や抗SS-A抗体は陰性 著明な高IgG4血症。 ステロイド治療により速やかに症状改善 シェーグレン症候群と紛らわしいが、 ミクリッツ病と診断できる。 下の説明を参考に。 正解:E) ミクリッツ病 写真:http://jpma.org.pk/full_article_text.php?article_id=4092 から引用 我々の学生時代はなんだかよく分からない疾患概念であったが、 最近の免疫学の発展により、全身性IgG4 関連疾患の一部として認識されているようである。 まだ確定されてはいないentityにて、国試では問われないとは思うが、新作問題として出してみました。 ミクリッツ病と全身性IgG4関連疾患(SIPS) http://web.sapmed.ac.jp/im1/SubPage/04_Kenkyu/Kaisetsu03.html 従来、シェーグレン症候群と診断されていた症例のなかに、涙腺・唾液腺の持続性腫脹を呈する一群を見出し、 これらの症例は、ステロイド治療により、腺腫脹が速やかに消退するのみならず、 腺分泌能の改善が認められるという特徴を有していることがわかった。 この一群は、1880年代に初めて報告された、ミクリッツ病に類似していると思われたが、 ミクリッツ病は、その後、当時の病理組織学的解析により、シェーグレン症候群と同一疾患であるという結論に至っている。 しかし、持続的に涙腺・唾液腺腫脹を呈する症例(以下、ミクリッツ病と呼称する)の血清学的解析を、 シェーグレン症候群と対比しながら行った結果、ミクリッツ病では、抗核抗体は陰性例が多く、 またシェーグレン症候群に特異的な抗SS-A抗体はほとんど陰性であった。 さらにミクリッツ病では、著明な高IgG4血症を呈するという免疫学的特徴を見出した。 これは、シェーグレン症候群や他のリウマチ性疾患では観察されない極めて特異的な所見であった。 ミクリッツ病は高IgG4血症と罹患腺組織中のIgG4陽性形質細胞浸潤を特徴とした、 全身性の慢性炎症性疾患(全身性IgG4関連疾患)の様相を呈しつつあり、 ミクリッツ病がシェーグレン症候群と異なった新たな新規リウマチ性疾患として位置づけられる可能性が高い。 この病態を、systemic IgG4-related plasmacytic syndrome(SIPS)と呼称。 ![]() ![]() A)シェーグレン症候群 上に説明したとおり、症状はほぼ類似するが シェーグレンに特徴的な自己抗体(抗 Ro/SS-A抗体)が陰性にて否定。 シェーグレン症候群の診断基準 (1999年・厚生労働省)
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