細身の女性に起きた頻回の嘔吐

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Author:かず
某総合病院で日々、臨床で忙しい医師カズです。
各種医療職の資格試験問題に挑戦しつつ、資格を目指す方々を励ますブログです。
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今日、病棟で経験した症例にまつわる問題です。
いやー、焦りました。
http://meddic.jp/096A024　からの抜粋。

96A24
18歳の女子。2か月前から摂食後に悪心と嘔吐とを生じるようになり来院した。
腹痛はない。上半身を前屈して食事をすると悪心と嘔吐とは軽減するという。
身長156cm、体重37kg。
腹部は全体に陥凹し、腸雑音の亢進はなく、圧痛もない。
CA19-9 26U/ml(基準37以下)。
上部消化管造影写真を以下に示す。最も考えられるのはどれか。

a.　幽門狭窄
b.　十二指腸潰瘍
c.　十二指腸腫瘍
d.　上腸間膜動脈症候群
e.　膵癌

解答：MOREへ

解答

96A24
18歳の女子。2か月前から摂食後に悪心と嘔吐とを生じるようになり来院した。
腹痛はない。上半身を前屈して食事をすると悪心と嘔吐とは軽減するという。
身長156cm、体重37kg。
腹部は全体に陥凹し、腸雑音の亢進はなく、圧痛もない。
CA19-9 26U/ml(基準37以下)。
上部消化管造影写真を以下に示す。最も考えられるのはどれか。

a.　幽門狭窄
b.　十二指腸潰瘍
c.　十二指腸腫瘍
d.　上腸間膜動脈症候群
e.　膵癌

18歳の女子。
摂食後に悪心と嘔吐
上半身を前屈して食事をすると悪心と嘔吐とは軽減
身長156cm、体重37kg：BMI 15.2　かなり痩せている
腸雑音の亢進はなく、圧痛もない。
CA19-9 26U/ml(基準37以下)。

造影写真：矢印のごとく十二指腸の水平脚で造影剤が途絶

以上から

正解はd.　上腸間膜動脈症候群

今日、経験した症例は頸椎外傷後の７０歳代の女性でリハビリ中の患者さんでした。
昨日からnausea、数回のvomitting
腹部は膨満。
圧痛なし。

胸部座位単純ＸＰで、free air像のような所見。
緊急腹部ＣＴで、胃と十二指腸に異常な拡張を認め、
SMA症候群の診断。

gastric tube挿入にて、胃内容物を排出して事なきを得た症例でした。
連休前なので、外科や放射線科のDrの協力を得てなんとかなりました。

普段から、他科の先生方とのコミュニケーションは大事ですね。

下記のサイトを参照

上腸間膜動脈SMA症候群

日々の症例　90　上腸間膜動脈症候群

http://www.teramoto.or.jp/teramoto_hp/kousin/sinryou/gazoushindan/case/case90/

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