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歯科病理関係の練習問題
東京デンタルスクール: 定期試験・CBT・歯科医師国家試験対策無料メールマガジン から抜粋改編したものです。 http://archives.mag2.com/0001494170/20170608205142000.html?l=pxc0dc99f7 参照 1)膿瘍腔内に多く存在する細胞の特徴はどれか。すべて選べ。(病理) a.貪食作用を有する。 b.抗原提示能を有する。 c.IgEレセプターを有する。 d.成熟したものは分葉核である。 e.C5aにより走化作用が亢進する。 2)特異性炎はどれか。すべて選べ。(病理学) a 梅 毒 b 結 核 c らい病 d 顎放線菌症 e サルコイドーシス 3)以下に説明文を記す。あてはまるものはどれか。1つ選べ。(病理) 「何らかの理由により、組織への循環血流量が減少した状態」 a.貧血 b.虚血 c.出血 d.充血 e.うっ血 4)退行性病変はどれか。すべて選べ。(病理学) a 変 性 b 肥 大 c 壊 死 d 萎 縮 e 過形成 5)上皮異形成の特徴はどれか。すべて選べ。(病理) a 滴状の上皮脚 b 核分裂像の増加 c 核細胞質比の低下 d 基底細胞の極性消失 e 基底膜下の異形細胞の存在 6)悪性腫瘍はどれか。1つ選べ。(病理学) a.腺腫 b.線維腫 c.血管腫 d.筋肉腫 e.乳頭腫 7)染色法とその対象との組合せで正しいのはどれか。1つ選べ。(病理) a PAS染色――――――――――粘液 b Gram染色―――――――――――血液塗抹標本 c SudanIII染色――――――――――アミロイド d Grocott染色――――――――――細菌 e Congo-Red染色――――――――――脂肪 8)多形腺腫でみられるのはどれか。すべて選べ。(病理学) a.腺管構造 b.軟骨様組織 c.粘液腫様間質 d.扁平上皮化生 e.形質細胞様細胞 9)以下に病理組織像の特徴を示す。該当するのはどれか。1つ選べ。(病理学) ・敷石状の上皮の増殖を示す。 ・アミロイド様物質の沈着を示す ・石灰化物を認める a 歯原性粘液腫 b エナメル上皮腫 c 腺腫様歯原性腫瘍 d 石灰化上皮性歯原性腫瘍 e 石灰化嚢胞性歯原性腫瘍 10) 癌真珠はどれか。1つ選べ。(病理学) a 萎 縮 b 変 性 c 壊 死 d 肥 大 e 過形成 11) 染色体に異常をきたすのはどれか。すべて選べ。 a Down症候群 b Patau症候群 c Turner症候群 d Edwards症候群 e Klinefelter症候群 12) Plummer-Vinson症候群について正しいのはどれか。1つ選べ。(口腔外科) a 前癌病変である。 b 出血傾向を伴う。 c 総鉄結合能は低下する。 d 異食症がみられることがある。 e ビタミンB12の欠乏で生じる。 解答:MOREへ スポンサーリンク 1)膿瘍腔内に多く存在する細胞の特徴はどれか。すべて選べ。(病理) a. 貪食作用を有する。 b. 抗原提示能を有する。 c. IgEレセプターを有する。 d. 成熟したものは分葉核である。 e. C5aにより走化作用が亢進する。 解答:a,d,e 解説: 病理より白血球の特徴についての出題です。 ここで正しく理解しましょう。 膿瘍は何性炎でしたっけ?「化膿性炎」でした。 化膿性炎で増加する細胞とは?「好中球」でしたね。 つまり、この問題は「好中球の特徴はどれか?」ということになります。 好中球の特徴 ・成熟したものは(末梢血に存在するもの)は分葉核である ・貪食作用を有する ・非特異的免疫である ・走化性を有する IgEレセプターをもつのは好塩基球や肥満細胞です。 ちなみに、eの選択肢についてひとこと。 補体についての知識は大丈夫ですか? 補体の活性化のされ方は次の2通りがあります。 古典経路:C1→C4→C2→C3をC3a、C3bにする→C3bがC5をC5a、C5bに変える→C5bの作用でC5b6789が形成される 副経路:上記のC3からスタートするもの。 ![]() http://next-pharmacist.net/archives/4015 それぞれの作用も。 C3a、C5a:アナフィラトキシン(肥満細胞・好塩基球からヒスタミンを遊離) C5a:好中球・マクロファージの走化性亢進 C3b、C4b:オプソニン作用(抗原を貪食しやすくする) C5b6789:細胞溶解作用 好中球も補体も試験頻出です。 このような問題でも対応できるように対策を深めておきましょう! 2)特異性炎はどれか。すべて選べ。(病理学) a 梅 毒 b 結 核 c らい病 d 顎放線菌症 e サルコイドーシス 解答:a,b,c,d,e 解説: 病理学から炎症についての出題です。 口腔外科でも出題可能な範囲でもあるので、ここで押さえておきましょう。 ~炎症~ 炎症の5徴候:発赤・熱感・腫脹・疼痛・機能障害 特異性(肉芽腫性)炎:マクロファージ・リンパ球が関与。 特徴的な病理組織像を形成するもの。 結核・梅毒・らい病(ハンセン病)・放線菌症・サルコイドーシスなど。 増殖性炎 変質性炎 滲出性炎:滲出性炎はさらに以下に分かれる。 漿液性炎:血清の滲出 線維素性炎(ジフテリア) カタル性炎 出血性炎(インフルエンザ) 壊死・壊疽性炎(壊疽:壊死組織に腐敗菌が感染したもの。) 化膿性炎(膿瘍、蜂窩織炎、蓄膿症) この中では、特異性炎と化膿性炎が特に試験頻出です。 今のうちからの理解が大切ですよ。 3)以下に説明文を記す。あてはまるものはどれか。1つ選べ。(病理) 「何らかの理由により、組織への循環血流量が減少した状態」 a.貧血 b.虚血 c.出血 d.充血 e.うっ血 解答:b 解説: 語句の定義の問題です。ここはそれぞれの定義が混乱している生徒さんが多い部分です。 また、国家試験の必修などで狙われる部分でもあります。 それぞれ一緒に見ていきましょう。 a:血中の赤血球量が不足している状態 b:組織への循環血流量が減少した状態 c:血液の「全成分」が血管外へ出ること d:局所における流入血流量が増加している状態(増加しているのは動脈血) e:静脈血の組織からの流出が妨げられ、組織内に増加しているもの ちなみにもうひとつ。 結構勘違いしている生徒さんが多いので、付け加えます。 梗塞:終動脈が閉塞され、「それより末端の領域が壊死に陥る」こと。 ただ詰まっただけでは梗塞にはなりません!壊死が起こってはじめて梗塞になります。 4)退行性病変はどれか。すべて選べ。(病理学) a 変 性 b 肥 大 c 壊 死 d 萎 縮 e 過形成 解答:a,c,d 解説: 病理学から、定義に関する出題です。 病理学の各々の言葉の定義は定期試験・進級試験・国家試験で頻出です。 退行性病変に当てはまるのは?「変性」、「萎縮」、「壊死」の3つですね。 変性:代謝障害により、本来生理的に存在しないもの、存在していても異常な量、異常な部位に存在すること。 例)アミロイドーシス 萎縮:細胞の容積・数の減少により、器官・組織が小さくなること。 例)成長に伴うリンパ組織の萎縮 壊死:局所における病的な細胞死。 では、「肥大」「過形成」は?これらは、「進行性病変」にあたります。 肥大:細胞の数はそのままに、細胞の容積が大きくなること。 過形成:細胞の容積はそのままに、細胞数が増えること。 病理学というと、病理組織像に目が行きがちですが、コトバの定義も意外と重要です。 ここで知識を身につけましょう!! 5)上皮異形成の特徴はどれか。すべて選べ。(病理) a 滴状の上皮脚 b 核分裂像の増加 c 核細胞質比の低下 d 基底細胞の極性消失 e 基底膜下の異形細胞の存在 解答:a,b,d 解説: 病理学から、上皮異形成に関する出題です。 この分野は、「扁平上皮癌との鑑別」「細胞異形・構造異形」が 国家試験、進級試験、卒業試験でネタにされます。 しっかりと押さえましょう。 ~正しい上皮異形成の特徴~ ・核細胞質比・核小体の増大(核が大きく・濃くなるイメージ) ・核濃染(クロマチンの増大) ・異常核分裂像、核分裂像の増加 (これら細胞一つ一つの異常=細胞異形) ・上皮脚の涙滴状などの不正な形態 ・基底細胞の極性の喪失(配列不正・分裂方向の乱れ) (これら配列の乱れ=構造異形) さて、「上皮異形成」と「扁平上皮癌」を分かつものとは? 「基底膜を越えた浸潤の有無」でしたね。 逆に言えば、どんなに上皮異形成の特徴に乏しくても、「基底膜」という「越えてはいけない一線」を越えた瞬間、 それは扁平上皮癌となります。 eの選択肢こそ、扁平上皮癌の鑑別となります。 病理組織像でもこの辺りは頻出です。 図と言葉を対応できるよう、確実な知識を身につけましょう!! 6)悪性腫瘍はどれか。1つ選べ。(病理学) a.腺腫 b.線維腫 c.血管腫 d.筋肉腫 e.乳頭腫 解答:d 解説: 病理学から、腫瘍に関する出題です。 病理学の内容は口腔外科・放射線科にもつながる重要なポイントです。 ここで腫瘍の分類についておさらいしましょう。 良性腫瘍 上皮性:腺腫・乳頭腫 非上皮性:血管腫、線維腫など 悪性腫瘍 上皮性:癌腫 非上皮性:肉腫 後はそれぞれに混合性のものがあります。 筋組織由来の良性腫瘍は「筋腫」です。 悪性腫瘍となると「筋」の「肉腫」で「筋肉腫」となります。 それぞれの特徴は 癌腫:中高年に多い・遠隔転移は比較的遅い段階、リンパ行性転移が多い 肉腫:若年者に多い・早い段階から遠隔転移する・血行性転移が多い 腫瘍の定義もここでおさらい。 腫瘍: 「細胞・組織が何らかの理由により本来の性格を変え、自律的・非可逆的・無秩序に過剰増殖を示すようになった状態」です。 病理では、組織像ももちろん大事ですが、このような「コトバの定義」も確実に押さえておきましょう! 7)染色法とその対象との組合せで正しいのはどれか。1つ選べ。(病理) a PAS染色――――――――――粘液 b Gram染色―――――――――――血液塗抹標本 c SudanIII染色――――――――――アミロイド d Grocott染色――――――――――細菌 e Congo-Red染色――――――――――脂肪 解答:a 解説: 病理から染色法についての出題です。組織や病理の試験で狙われるほか、 107回国家試験でも出題されている分野です。しっかりと押さえましょう。 ~染色法とその対象~ hematoxylin eosin染色:いわゆるH-E染色。組織診に用いる。 PAS染色:粘液、グリコーゲン、真菌(赤色) Gram染色:一般細菌の染色に用いる。 SudanIII染色:脂肪 Grocott染色:主に真菌を染める。 ムチカルミン染色:粘液 Congo-Red染色:アミロイド May-Giemsa染色:血液塗抹標本 Papanicolaou染色:細胞診(107回国試出題) この分野もしっかりと押さえておきましょう!! 8)多形腺腫でみられるのはどれか。すべて選べ。(病理学) a. 腺管構造 b. 軟骨様組織 c. 粘液腫様間質 d. 扁平上皮化生 e. 形質細胞様細胞 解答:a、b、c、d、e 解説: 口腔外科より唾液腺腫瘍についての問題です。 唾液腺腫瘍の組織像は進級試験・卒業試験、国家試験などで頻出です。 多形腺腫の組織像には、様々なものがみられます。 腺管構造、軟骨様組織、粘液腫瘍間質なんかは皆さん知っていたかと思います。 d、eを選べたかどうかがこの問題のカギとなってきます。 多形腺腫では、形質細胞様細胞の出現や扁平上皮化生がみられることがあります。 このうち、扁平上皮化生については108回国家試験で出題されました。 病理組織像の知識は早い段階から身につけておきましょう!そしてしっかり診断ができるようになりましょう! 9)以下に病理組織像の特徴を示す。該当するのはどれか。1つ選べ。(病理学) ・敷石状の上皮の増殖を示す。 ・アミロイド様物質の沈着を示す ・石灰化物を認める a 歯原性粘液腫 b エナメル上皮腫 c 腺腫様歯原性腫瘍 d 石灰化上皮性歯原性腫瘍 e 石灰化嚢胞性歯原性腫瘍 解答:d 解説: 病理学から、病理組織像に関する出題です。 病理組織像は確定診断が可能な唯一の方法です。 これをしっかり理解してはじめて外科の問題が解けます。 実際にこのような形で国家試験に出題された実績もあるので、ぜひ得点につなげられるようにしましょう。 病理組織像のキーワード(コトバと像の中の構造を一致させよう。) ・歯原性粘液腫:「スカスカな線維成分の中に歯原性上皮の小塊」 ・エナメル上皮腫:「歯胚(蕾状期歯胚、帽状期歯胚)類似の構造、エナメル器類似の細胞 (高円柱状の細胞の中に星状細胞)」 ・腺腫様歯原性腫瘍:「腺管様構造、花冠状構造、石灰化物」 ・石灰化上皮性歯原性腫瘍:「歯原性上皮の敷石状増殖、アミロイド様物質の沈着、石灰化物」 ・石灰化嚢胞性歯原性腫瘍:「嚢胞壁に高円柱状細胞(歯原性上皮細胞)、幻影細胞、石灰化物」 病理組織像に関しては、得意か苦手かで外科の得点率が大きく異なってきます。 低学年の段階から確実な知識を身につけましょう! 10) 癌真珠はどれか。1つ選べ。(病理学) a 萎 縮 b 変 性 c 壊 死 d 肥 大 e 過形成 解答:b 解説: 病理学から、基本事項に関する出題です。 退行性病変・進行性病変は以前のメールマガジンで扱いました。 今回はその具体例を問いました。しっかりと押さえましょう。 それぞれの意味をもう一度復習しましょう。 萎縮:何らかの理由で器官・細胞の容積が減少したもの。 変性:代謝障害などにより、生理的に本来存在しない、 もしくは存在していても異常な量もしくは部位に存在するもの。 壊死:局所における病的な細胞死。 これらは退行性病変でした。 肥大:細胞の数はそのままに、細胞の容積が大きくなること。 過形成:細胞の容積はそのままに、細胞数が増えること。 これらは進行性病変でした。 さて、癌真珠に話を戻します。 これは、扁平上皮癌において、角質球が癌胞巣の内部に存在している、 つまり、角質物が「本来存在しない部位(上皮下など)に存在している」こととなります。 したがって、癌真珠は「角質変性」となります。 言葉の定義から、さらに一歩踏み込んだ知識を身につけましょう!! 11) 染色体に異常をきたすのはどれか。すべて選べ。 a Down症候群 b Patau症候群 c Turner症候群 d Edwards症候群 e Klinefelter症候群 解答:a,b,c,d,e 解説: 口腔外科より染色体異常についての出題です。 国家試験、各種試験にも頻出であるので、しっかりと理解しましょう。 染色体異常とは、染色体の「数もしくは形の異常」を指します。(性染色体、常染色体は問わない) 今回扱った選択肢は、すべて「数の異常」となります。 Patau症候群:13トリソミー(1本多い) Edwards症候群:18トリソミー Down症候群:21トリソミー Turner症候群:X染色体モノソミー(1本少ない) Klinefelter症候群:XXY染色体 「形の異常」といわれたら、猫鳴き症候群(5番染色体の短腕の欠失)が真っ先に思い浮かんでほしいところです。 さて、ここで。「慢性骨髄性白血病は染色体の異常を生じる。○か×か?」 正解は、○です。フィラデルフィア染色体は、「9番染色体と22番染色体の相互転座」という、れっきとした 「染色体の形の異常」を有します。 病理学でも出題が考えられる分野であるため、一つ一つ丁寧にマスターしていきましょう。 12) Plummer-Vinson症候群について正しいのはどれか。1つ選べ。(口腔外科) a 前癌病変である。 b 出血傾向を伴う。 c 総鉄結合能は低下する。 d 異食症がみられることがある。 e ビタミンB12の欠乏で生じる。 解答:d 解説: 口腔外科からPlummer-Vinson症候群についての出題です。 血液疾患では、「貧血」「白血病」「出血性素因」が定期 試験、進級・卒業試験、国家試験で頻繁に狙われます。 このうち、「白血病」「出血性素因」については以前に扱っていますので振り返ってみてください。 ~Plummer-Vinson症候群~ ・鉄欠乏性貧血がベースとなる→スプーン状爪、平滑舌、異食症など、鉄欠乏性貧血でみられる症状が出現する ・食道粘膜が萎縮するため、嚥下障害が生じる ・前癌「状態」である(前癌「病変」:白板症・紅板症) ・赤血球数、血清鉄、フェリチン、MCV、MCHCは低下、鉄結合能は鉄が足りないので上昇する ・粘膜が萎縮するので、舌炎、口内炎、口角の炎症・びらんが生じる ・出血傾向は伴わない(出血傾向を伴う貧血は再生不良性貧血である) ビタミンB12の欠乏で生じるのは、悪性貧血(大球性正色素性貧血)となります。 Hunter舌炎 口腔外科を学習した皆さんへ 試験頻出です。 しっかりと押さえておきましょう!! |
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