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前回も、

高齢者施設における感染症:109医A58

の解説でも触れたように、本疾患も高齢者施設では頻発します。

108dg23.jpg


歯科においても、高齢歯科の範疇には入るものの、
この疾患自体の出題ついてなんともいえずといったところである。
まあ、歯科大生は内視鏡自体は絶対出てこないので、
こういう病気があること自体を理解してもらえば十分である。

医学生は、よく理解すべき基本疾患。

まずは、この問題です。

医師国家試験過去問データベース から


108医D48

108d48.jpg

 108dg23.jpg


解答:MOREへ

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解答

108d48.jpg

 108dg23.jpg


正解  b

comment:
セファゾリン投与後、高齢女性に発熱と下痢がみられている。
下部消化管内視鏡像にて、偽膜がみられることから偽膜性大腸炎の診断となる。

a Crohn病では敷石状病変をみる。
b 正しい。菌交代現象による偽膜性腸炎が考えやすい。
c 虚血性大腸炎では鮮血便をみる。
d 潰瘍性大腸炎では偽ポリポーシスや血管透見性の消失をみる。
e 腸管出血性大腸菌感染症は食中毒の結果みられることが多い。


解説:

3週間前に大腿部の蜂窩織炎に対して抗菌薬(セファゾリン)投与で症状が軽快した後に、
発熱・頻回の下痢が出現した70歳女性です。

抗菌薬投与後の発熱・下痢であり、
この時点でCDI(Clostridium Difficile infection)を考え、
便中のCD toxinが陽性ならば抗菌薬を中止し、
メトロニダゾールの投与を開始
するというのが基本的な流れになります。

以前のCDIの第一選択はバンコマイシンの内服でしたが、
2012年9月よりメトロニダゾールの内服が保険適応となり、
偽膜性腸炎に対する現在の第一選択はメトロニダゾールの内服となっています。
薬価も安く、バンコマイシンを温存できるという点で重宝されます。

したがって、第106回以前の国試では、
偽膜性腸炎の治療にメトロニダゾールが選択肢に入ってこないという点に注意しましょう。
ちなみに、2014年7月にはメトロニダゾールの点滴静注液も保険適応となり、
メトロニダゾールについては内服・注射のどちらも利用可能になりました。

そのような観点で画像を閲覧してみると、馴染みのある偽膜を有した腸管を認め、上記診断を強く支持します。

診断は偽膜性腸炎となります。

治療も併せて確認しましょう。
院内発症の発熱という括りにおいて、CDIを鑑別に挙げることは基本的な手順となります。

他には、
カテーテル関連血流感染症(CABSI)やカテーテル関連尿路感染症(CAUTI)、
人工呼吸器関連肺炎(VAP)、
SSI(手術部位感染)の4つ
とCDIを合わせて5大医療関連感染症と呼ばれており、
入院後に発熱した場合にワークアップすべき鑑別疾患であることを補足しておきます。

この病気の原因も有名なクロストリジウム属。

偏性嫌気性で芽胞を形成するグラム陽性桿菌。
外毒素発生菌。


Wikipediaでは、以下を参照。

クロストリジウム属:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%B8%E3%82%A6%E3%83%A0%E5%B1%9E

クロストリジウム・ディフィシル腸炎:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%B8%E3%82%A6%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%83%AB%E8%85%B8%E7%82%8E


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