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かず

Author:かず
某総合病院で日々、臨床で忙しい医師カズです。
各種医療職の資格試験問題に挑戦しつつ、資格を目指す方々を励ますブログです。
内容は、国内の医師、歯科、薬剤師、看護師国試など、さらには米国医師資格試験(USMLE)、米国歯科医師資格試験(NBDE)あたりの問題にも挑戦する予定です。
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糖尿病治療薬

dm treat drug 
http://milleniumpark.info/top-100/drugs-for-diabetic.html



問1

次にあげる薬のうち、糖尿病患者が服用してはならないのはどれか。

1) ヒドロクロロチアジド
2) アセタゾラミド
3) スピロノラクトン
4) フロセミド
5) トリアムテレン


問2
次にあげる薬のうち、低血糖を起こすのはどれか。

1 )ヒドロクロロチアジド
2) プロプラノロール
3) トルブタミド
4) アカルボース
5) シベンゾリン


問3
次に挙げる薬剤のうち、速効型インスリン製剤はどれか?
1) インスリンアスパルト
2) インスリンリスプロ
3) レギュラーインスリン
4) インスリングラルギン
5) ウルトラレンテインスリン


問4
次に上げる文でビグアナイドに当てはまるものはどれか。

1) インスリン分泌を促進する
2) 膀胱癌のリスクを上げる
3) GMPキナーゼをリン酸化する
4) 乳酸アシドーシスを引き起こす
5) 「インスリン抵抗性改善薬」と呼ばれる


問5
以下の薬剤のうちインクレチン関連薬はどれか? 答えが一つとは限らない。
1) シタグリプチン
2) リラグルチド
3) グリベンクラミド
4) アカルボース
5) グリメピリド


問6
αグルコシダーゼ阻害薬を投薬されている患者が低血糖の時に摂取すべき糖は以下のうちどれか?
1) スクロース
2) ラクトース
3) マルトース
4) グルコース


問7
次のうち主に膵臓に作用するものはどれか?
1) グリメピリド
2) ナテグリニド
3) メトホルミン
4) ピオグリタゾン
5)アカルボース


解答:MOREをクリック

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解答、解説


問1

次にあげる薬のうち、糖尿病患者が服用してはならないのはどれか。

1) ヒドロクロロチアジド
2) アセタゾラミド
3) スピロノラクトン
4) フロセミド
5) トリアムテレン

解答:1),2),4)


解説:
1)のヒドロクロロチアジドはサイアザイド系利尿薬で、副作用として低K+血症を起こす。

4)のフロセミドはループ利尿薬で、同じく副作用として低K+血症を引き起こす。
低K+血症状態だとinsulin分泌が低下し、耐糖能異常が生じるため、糖尿病患者が服用してはならない。

ちなみに2)のアセタゾラミドは炭酸脱水酵素阻害剤で重篤ではないが低K+血症を起こし、
これもまた糖尿病患者の服用は良くない。

3)のスピロノラクトンは抗アルドステロン薬、
5)のトリアムテレンはカリウム保持性利尿薬なのでともにK+保持作用があり、
insulin分泌に障害は生じない。


問2
次にあげる薬のうち、低血糖を起こすのはどれか。

1 )ヒドロクロロチアジド
2) プロプラノロール
3) トルブタミド
4) アカルボース
5) シベンゾリン

解答: 2),3),5)

解説:

1)サイアザイド系利尿薬。
 遠位尿細管NaCl共輸送体を阻害することで、低K+血症を起こし、耐糖能異常が生じるため、高血糖となる。

2)β受容体遮断薬。肝臓のβ2受容体を遮断することで、グリコーゲン分解が阻害されるため、低血糖となる。
  また、低血糖の兆候である頻脈が、β1受容体遮断によりマスクされる。

3)スルホニル尿素系薬。β細胞のK ATP チャネルに結合することで、インスリン分泌を促進するため、低血糖となる。

4)αグルコシダーゼ阻害薬。
小腸刷子縁上のαグルコシダーゼを阻害することで、食後の急激な血糖上昇を抑制するが、
インスリン作用がないため単剤では低血糖とならない。
ちなみに、この薬を使用中に低血糖となった場合、単糖を補給する。

5)クラス1a抗不整脈薬。
心臓のNaチャネル・Kチャネルを阻害することで活動電位を延長させるが、
β細胞のKatpチャネルにも結合することで、インスリン分泌を促進するため、低血糖となる。


問3

次に挙げる薬剤のうち、速効型インスリン製剤はどれか?

1) インスリンアスパルト
2) インスリンリスプロ
3) レギュラーインスリン
4) インスリングラルギン
5) ウルトラレンテインスリン

解答: 3

解説: 
1) のインスリンアスパルトおよび2) のインスリンリスプロは超速効型製剤であり、
吸収速度を上げるため、インスリン分子が単量体で存在するように作られている。

3) のレギュラーインスリンは速効型製剤であり、安定性のために亜鉛イオンが付加されており、
六量体となって凝集する傾向があり、六量体から単量体への分離が吸収における律速段階となっている。

4) のインスリングラルギンは持続型製剤であり、レギュラーインスリンのA鎖のアスパラギンがグリシンに置換され、
B鎖のC末端に2個のアルギニンが付加されたもので、これらの修飾によりpkaがより中性に傾き、
中性である血液への吸収をより緩やかにしている。

5) のウルトラレンテインスリンは持続型製剤であり、酢酸緩衝液中でインスリンと亜鉛を結晶化させ懸濁液としたもので、
インスリンの作用発現時間は遅延される。


問4
次に上げる文でビグアナイドに当てはまるものはどれか.

1) インスリン分泌を促進する
2) 膀胱癌のリスクを上げる
3) GMPキナーゼをリン酸化する
4) 乳酸アシドーシスを引き起こす
5) 「インスリン抵抗性改善薬」と呼ばれる

解答: 4

解説: 
ビグアナイドはインスリン非分泌刺激薬に分類され、直接インスリンの分泌は促進しないが、
その作用を増強させる薬である。
おもに肝臓に作用し、AMPキナーゼをリン酸化することで、嫌気性解糖系を促進させ、
グルコースを乳酸に分解し、肝臓からの糖放出を抑制する。
主な副作用は乳酸アシドーシス。
「インスリン抵抗性改善薬」と呼ばれるのはチアゾリジン系のピオグリタゾンなどで、
膀胱癌のリスクを高めると言われている。


問5
以下の薬剤のうちインクレチン関連薬はどれか? 答えが一つとは限らない。

1) シタグリプチン
2) リラグルチド
3) グリベンクラミド
4) アカルボース
5) グリメピリド

解答 : 1) 2)


解説 :

 インクレチンとは腸管内分泌細胞から分泌されるホルモンで、
膵β細胞に作用して血糖依存的にインスリン分泌を惹起する。
よって他の糖尿病治療薬に比べ、低血糖になる可能性が低いのが特徴
である。

1) シタグリプチンはインクレチンを分解するDPP-4という酵素を阻害し、
インクレチン濃度を上昇させることでインスリン分泌を促進する薬剤である。

diabetes-a2.jpg 
http://kusuri-jouhou.com/medi/diabetes/dpp4.html


2) リラグルチドはヒトGLP-1アナログの注射剤である。
GLP-1とはインクレチンの一つでグルカゴン様ペプチド-1のことである。

リラグルチドは膵β細胞のGLP-1受容体に結合し、
細胞内cAMP濃度を増加させることでインスリン分泌を起こさせる。
リラグルチドは2010年6月に発売となった。

glp-1.gif 
http://medical.radionikkei.jp/suzuken/final/110120html/index2.html

s07.gif 
http://medical.radionikkei.jp/suzuken/final/110120html/index2.html



3) 5) グリベンクラミドとグリメピリドはどちらもスルホニル尿素薬である。
膵β細胞のATP感受性カリウムチャネルのSUR1というサブユニットに結合し、
チャネルを開口させることで膜電位に変化が生じ、
続いて電位依存性カルシウムチャネルが開口し、
細胞内カルシウム濃度が上昇することでさらなるシグナル伝達が生じてインスリンが分泌される。



su.gif
http://www.furano.ne.jp/utsumi/dm/dmdrug/su.htm 


4) アカルボースは腸管において二糖類から単糖類への分解を担う二糖類水解酵素 ( α グルコシダーゼ ) を阻害し、
糖質の消化、吸収を遅延させることにより食後の過血糖を改善する。

arufa glucosi 
http://dm.medimag.jp/column/22_1.html



問6
αグルコシダーゼ阻害薬を投薬されている患者が低血糖の時に摂取すべき糖は以下のうちどれか?

1) スクロース
2) ラクトース
3) マルトース
4) グルコース

解答 : 4)

解説 :
αグルコシダーゼは腸管において二糖類を単糖類に分解する酵素であり、
αグルコシダーゼ阻害薬はこの酵素を阻害することで糖の吸収を阻害する薬剤である。

よってこの患者が低血糖の時に二糖類である1) ~ 3) の糖を摂取してもその症状を寛解させることはできない。
よって正解は単糖類である4) グルコースである。


問7
次のうち主に膵臓に作用するものはどれか?

1) グリメピリド
2) ナテグリニド
3) メトホルミン
4) ピオグリタゾン
5)アカルボース

解答 : 1) 2)

解説 :

1) グリメピリドはスルホニル尿素系薬であり、膵β細胞のATP依存性Kチャネルを阻害する。
KチャネルのSUR1に結合して細胞膜脱分極を起こし、
電位依存性Caチャネルを開くことによりインスリン分泌を引き起こす。

2) ナテグリニドは速効型インスリン分泌促進薬であり、その作用点はスルホニル尿素系薬と同一。

3) メトホルミンはビグアナイド系薬であり、主に肝臓のAMPキナーゼを活性化する。
嫌気性解糖系を促進させ、グルコースを乳酸に分解することにより肝臓からの糖放出を抑制する。

4) ピオグリタゾンはチアゾリジン薬であり、主に筋・脂肪組織に作用する。
PPARγ と特異的に結合し、脂肪細胞の分化促進やGLUT4の発現増大などによりインスリン抵抗性を改善する。

5) アカルボースはα-glucosidase 阻害薬である。
α-glucosidase は消化管上皮においてデンプンや二糖類を単糖へ分解し、
糖の吸収を可能にする。アカルボースはこの酵素を阻害することにより糖の吸収を遅らせ、
食後血糖の急激な上昇を抑える。



出典

医師国家試験対策 薬理 問題と解説
http://bioupdate.jp:8080/pages/viewpage.action?pageId=17596437


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