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徳田闘魂道場にようこそ~国家試験と臨床との架け橋~ から引用改編 問題 26歳男性、事務員。前日からの全身脱力があり来院した。 生来健康で、特に既往歴はない。飲酒、喫煙なし。 最近の渡航歴、生肉摂取なし。 血圧120/60 mmHg、心拍数105回/分、呼吸数18回/分、体温36.6℃。 脱力にて歩行不可。身体所見では、近位筋優位の四肢筋力低下あり。 深部腱反射は四肢対称性に低下。 感覚障害や脳神経障害、膀胱直腸障害はなし。 12誘導心電図(図1)を示す。 ![]() 図1 12誘導心電図 問1 最も考えられる疾患はどれか。 a ギランバレー症候群 b ミトコンドリア脳筋症 c デュシェンヌ型筋ジストロフィー d 甲状腺機能亢進症 e 筋萎縮性側索硬化症 問2 迅速検査で直ちに検査すべき項目はどれか。 a 血清Na b 血清K c 血清Cl d 血清Ca e 血清P 解答:MOREへ スポンサーリンク 26歳男性、事務員。前日からの全身脱力があり来院した。 生来健康で、特に既往歴はない。飲酒、喫煙なし。 最近の渡航歴、生肉摂取なし。 血圧120/60 mmHg、心拍数105回/分、呼吸数18回/分、体温36.6℃。 脱力にて歩行不可。身体所見では、近位筋優位の四肢筋力低下あり。 深部腱反射は四肢対称性に低下。 感覚障害や脳神経障害、膀胱直腸障害はなし。 12誘導心電図(図1)を示す。 ![]() 図1 12誘導心電図 問1 最も考えられる疾患はどれか。 a ギランバレー症候群 b ミトコンドリア脳筋症 c デュシェンヌ型筋ジストロフィー d 甲状腺機能亢進症 e 筋萎縮性側索硬化症 問2 迅速検査で直ちに検査すべき項目はどれか。 a 血清Na b 血清K c 血清Cl d 血清Ca e 血清P 【正解】 問1 d 甲状腺機能亢進症 問2 b 血清K 【医学生の解答と感想】 ・dとb。いや、普通に難しかったです。たまたま居合わせた同級生に解いてもらいました(笑)。 バセドウ病からの周期性四肢麻痺って、こういった急性の経過をたどるものなのでしょうか。(6年 I君) ・bとb。低カリウム心電図をちゃんと読めていませんでした……。ちゃんと読むクセつけよ。(6年 Tさん) ・dとb。わりと定番の問題と思いましたが、僕も心電図が苦手……。(6年 N君) 【解説】 今回の症例のポイントは、急激な筋力低下と低カリウム血症を示す心電図。 甲状腺機能亢進症に伴う周期性四肢麻痺でした。 医学生のTさんが選んだミトコンドリア脳筋症の筋肉症状は、進行性の筋力低下、横紋筋融解症または外眼筋麻痺です。 慢性的に緩徐に進行します。 一方、甲状腺機能亢進症に伴う低カリウム血症性周期性四肢麻痺は、比較的急激に発症します。 甲状腺機能亢進症そのものは慢性に経過しますが、低カリウム血症は比較的急激に起こるからですね。 甲状腺機能亢進症に伴う周期性四肢麻痺はアジア人男性でよく見られる疾患ですが、 最近は欧米人男性でも見られるようになりました。 低カリウム血症とそれに伴う筋力低下はカリウムの細胞内シフトによるものであり、 体内総カリウムの欠乏によるものではありません。 甲状腺機能亢進症に伴う周期性四肢麻痺のケースでは、甲状腺機能亢進の臨床所見が乏しいことがよくあります。 このケースでは、追加の問診で1カ月前から両手の振戦、発汗過多、3kgの体重減少があったことが判明しました。 甲状腺機能亢進症に伴う周期性四肢麻痺を疑ったら、直ちに心電図を取り、血清カリウムを測定。 カリウムの補正によって心室頻拍や心室細動などの致死的不整脈を防ぐ必要があります。 このケースでは血清カリウムが2.7 mEq/Lでした。 心電図の読み方:低カリウム血症の心電図です。 T波平低、U波増高、PR間隔の延長を認めます。 本ケースは甲状腺ホルモン濃度上昇と甲状腺刺激ホルモンの低下、 甲状腺刺激ホルモン受容体抗体陽性であり、 バセドウ病(グレーブス病)と診断されました。 甲状腺機能亢進症に伴う周期性四肢麻痺のメカニズムは、 Na-K ATPase活性亢進によるインスリン感受性の増加だと考えられています。 プロプラノロールなどの非選択性β遮断薬はカリウム補正と甲状腺中毒症状も改善するので、本ケースでも投与されました。 追加の治療としては、バセドウ病そのものに対する治療が必要です。 本ケースでは、チアマゾ―ルも開始されました。 国試の過去問ミテミタ 甲状腺機能亢進症で血清カリウムが低下して起こる周期性四肢麻痺は、国試の定番だと思います。 臨床的にもこれだけ大きな意義があるとなると、勉強するモチベーションが上がりますよね。 インスリン感受性が亢進することで、なぜ血清カリウムが下がるのかについては、 国試でもベースの知識として求められています。 インスリンによって糖が細胞内に取り込まれるときにカリウムも一緒に取り込まれるからですね。 しかし一方で、周期性四肢麻痺には低カリウム性と高カリウム性(基準値のことも)があります。 アジソン病、腎不全、薬剤性(スピロノラクトンなど)や遺伝性が原因として重要なのですね。 特に遺伝性周期性四肢麻痺は、難病に指定されているようです。 |
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