スポンサーリンク このMRCP像は? - 医療関係資格試験マニア
fc2ブログ
様々な医療福祉関係の資格試験に挑むブログ
プロフィール

かず

Author:かず
某総合病院で日々、臨床で忙しい医師カズです。
各種医療職の資格試験問題に挑戦しつつ、資格を目指す方々を励ますブログです。
内容は、国内の医師、歯科、薬剤師、看護師国試など、さらには米国医師資格試験(USMLE)、米国歯科医師資格試験(NBDE)あたりの問題にも挑戦する予定です。
応援よろしくお願いいたします。

ブログ使用時の注意点:
PCビューで見ると、答えが隠れています。
解答を見る場合は、”MORE”ボタンをクリックして下さい。
スマホですと、全てが表示されてしまうので演習目的の場合はPCビューがお勧めです。

広告
カテゴリ
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学校・教育
20位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
1位
アクセスランキングを見る>>
楽天お勧め
google+1
特長的なMRCP像です。
見たことがあれば、瞬殺でしょうか?

医師国家試験過去問データベース から


108I65

58歳の男性。腹部CTで異常を指摘され来院した。
55歳時に自宅近くの医療機関で早期胃癌に対し幽門側胃切除術を受け、
その後の定期検査の腹部CTで異常を指摘され、紹介されて受診した。
自覚症状はない。
体温36.2℃。脈拍88/分、整。
腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
血液所見:赤血球415万、Hb 13.6g/dL、Ht 42%、白血球5,800、血小板22万。
血液生化学所見:総ビリルビン0.8mg/dL、AST 24IU/L、ALT 32IU/L、
ALP 246IU/L(基準115~359)、γ-GTP 44IU/L(基準8~50)、
アミラーゼ155IU/L(基準37~160)、CEA 2.2ng/mL(基準5以下)、
CA19-9 32U/mL(基準37以下)。CRP 0.1mg/dL。
MRCPを次に示す。


thumb_108I-65.jpg

最も考えられるのはどれか。

a 膵癌
b 総胆管結石
c 膵内分泌腫瘍
d 自己免疫性膵炎
e 膵管内乳頭粘液性腫瘍〈IPMN〉


解答:MOREへ

スポンサーリンク


解答

58歳の男性。腹部CTで異常を指摘され来院した。
55歳時に自宅近くの医療機関で早期胃癌に対し幽門側胃切除術を受け、
その後の定期検査の腹部CTで異常を指摘され、紹介されて受診した。
自覚症状はない
体温36.2℃。脈拍88/分、整。
腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
血液所見:赤血球415万、Hb 13.6g/dL、Ht 42%、白血球5,800、血小板22万。
血液生化学所見:総ビリルビン0.8mg/dL、AST 24IU/L、ALT 32IU/L、
ALP 246IU/L(基準115~359)、γ-GTP 44IU/L(基準8~50)、
アミラーゼ155IU/L(基準37~160)、CEA 2.2ng/mL(基準5以下)、
CA19-9 32U/mL(基準37以下)。CRP 0.1mg/dL


MRCPを次に示す。


thumb_108I-65.jpg

最も考えられるのはどれか。

a 膵癌
b 総胆管結石
c 膵内分泌腫瘍
d 自己免疫性膵炎
e 膵管内乳頭粘液性腫瘍〈IPMN〉


正解 e


IPMNのMRCPが国試でも出るんですね。
IPMN自体、知ったのが数年前です。
どんどんと進歩するもんです。


解説

MRCPではブドウの房状の多房性の嚢胞性病変がみられる。
膵管との交通もありそうだ。膵管内乳頭粘液性腫瘍〈IPMN〉を考えたい。
膵嚢胞性疾患には漿液性嚢胞腫瘍〈SCN〉と粘液性嚢胞腫瘍〈MCN〉、
IPMNの3つの代表的疾患が存在するが、
IPMNのみ中高年の男性に多いことは重要(他2つは女性にみられる)。

a 膵癌であれば、CEAやCA19-9といった腫瘍マーカーの上昇がみられる。
b 総胆管結石であれば、MRCPで結石より肝臓側の胆管拡張がみられる。
c 膵内分泌腫瘍であれば分泌されたホルモンによる症状がみられる。
d 自己免疫性膵炎であれば、主膵管の狭小化がみられる。
e 正しい。上記の通り


追加解説

58歳の男性が定期followの腹部CTで異常を指摘されたという設定です。
自覚症状はありません。
身体所見や検査所見上も有意所見は認めず、MRCPの画像が提示されています。

 MRCPで描出されている臓器は、胆嚢・胆嚢管・左右肝管・総肝管・総胆管・主膵管です。

十二指腸の一部も描出されています。

そこに写っているのが主膵管・総胆管合流部近傍の「ブドウの房状」の構造物です。

主膵管への交通がありそうに見えますが、この画像だけでは判断ができません。

 このような膵頭部に見られるブドウの房状の主膵管と交通している腫瘍は、
IPMN<膵管内乳頭粘液性腫瘍>の分岐型と診断されます。

分岐型のIPMNの大部分は腺腫であり、悪性化する率は低いことが知られています。

追加解説:日経メディカル 1日1問 医師国試問題 から



IPMNについて
http://surgery1.hiroshima-u.ac.jp/about/diagnosis/folder6/post-22.html 参照



関連記事
2017/09/06 06:00 消化管・肝胆膵 TB(-) CM(0)
コメント















 管理者にだけ表示を許可する

アクセス数
検索フォーム
知りたい疾患や用語に関連するブログ記事を探すのに使ってください
広告配信
人気記事
本ブログ内でよく読まれている記事
カレンダー
08 | 2023/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
月別アーカイブ(タブ)
各年のアーカイブ全体はLISTをクリック下さい。 LISTを閉じる際は、SELECTをクリック下さい。
リンク
医歯学などの勉強に有用なサイトを随時増やしていきます。 リンクサイトでアクセス出来ないものあれば、メールフォームで遠慮なく教えて下さい。
ブログランキングなど
ブロとも申請フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文: