> 原発性免疫不全の4題:医師国試 - 医療関係資格試験マニア
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先日の記事:

好中球の異常によるのはどれか:109医B16

に関連した原発性免疫不全の問題。

Chédiak-Higashi症候群は、
どこかの歯科国試模試で出題されていたような記憶があります。

医師国家試験過去問データベース から


1)100B67
慢性肉芽腫症で感染の原因となりやすいのはどれか。

a Listeria monocytogenes
b Mycobacterium tuberculosis
c Pneumocystis jiroveci
d Staphylococcus aureus
e Streptococcus pneumoniae


2)103E38
水痘が重症化しやすいのはどれか。
a 慢性肉芽腫症
b 好中球減少症
c DiGeorge症候群
d Chédiak-Higashi症候群
e X連鎖性無ガンマグロブリン血症


3)105D15
原発性免疫不全症候群と所見の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。

a 慢性肉芽腫症 --------- 好中球遊走能低下
b DiGeorge症候群 --------- 新生児テタニー
c Wiskott-Aldrich症候群 --------- 運動失調
d Chédiak-Higashi症候群 --------- ペルオキシダーゼ陽性巨大顆粒
e X連鎖無ガンマグロブリン血症 --------- アデノシンデアミナーゼ欠損


4)110I1
アスペルギルス症が最も合併しやすいのはどれか。

a 無ガンマグロブリン血症
b Wiskott-Aldrich症候群
c 毛細血管拡張性失調症
d DiGeorge症候群
e 慢性肉芽腫症


解答:MOREへ

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解答

1)100B67
慢性肉芽腫症で感染の原因となりやすいのはどれか。

a Listeria monocytogenes
b Mycobacterium tuberculosis
c Pneumocystis jiroveci
d Staphylococcus aureus
e Streptococcus pneumoniae


解答: d

100B67の解説
a Listeria monocytogenes(リステリア)はカタラーゼ陰性のグラム陽性桿菌である。

b Mycobacterium tuberculosis(結核菌)はカタラーゼ陰性の細菌である。

c Pneumocystis jiroveci(ニューモシスチス)はカタラーゼ陰性の真菌である。

d 正しい。
  慢性肉芽腫症では好中球の殺菌能が障害されるため、
  Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)などカタラーゼ陽性菌への感染が重症化しやすい。

e Streptococcus pneumoniae(肺炎球菌)はカタラーゼ陰性菌のグラム陽性球菌である。


慢性肉芽腫症患者は、
カタラーゼ産生菌に対し感染を繰り返し

カタラーゼ非産生、H2O2産生細菌は貧食された後、
細菌由来のH2O2を貧食細胞のミエロペルオキシダーゼにより
OHマイナス、HOC1、NO2C1に変換し殺菌に利用できます。

しかしカタラーゼ産生菌は自身のH2O2を自ら産生するカタラーゼで分解してしまうため、
患者貧食細胞は自己由来H2O2を産生できず、かつ細菌由来のH2O2を殺菌に利用できません。

このような理由で慢性肉芽腫症患者には
連鎖球菌、pseudomonas aeruginosa(H2O2非産生)などに対する感染はほとんどみられないのに対し、
ブドウ球菌、多くの緑膿菌、セラチア属、アスペルギルス属(H2O2産生)などに対し感染を繰り返します。

https://blogs.yahoo.co.jp/comoson2000/42985406.html?__ysp=5oWi5oCn6IKJ6Iq96IWr55eHIOOCq%2BOCv%2BODqeODvOOCvA%3D%3D より

検査成績ならびに診断:
好中球のNBT色素還元能試験陰性
化学発光の欠如、活性酸素酸素の産生能低下が見られる。
gp91-、p22-、p47-、p67-phoxの各蛋白の欠損ならびに遺伝子異常によって病型診断がなされる。
http://www.med.u-toyama.ac.jp/pedi/group/mennHp/body/bunrui.htm



2)103E38
水痘が重症化しやすいのはどれか。

a 慢性肉芽腫症
b 好中球減少症
c DiGeorge症候群
d Chédiak-Higashi症候群
e X連鎖性無ガンマグロブリン血症

解答: c

103E38の解説
a・d 慢性肉芽腫症やChédiak-Higashi症候群は好中球が障害される原発性免疫不全であり、細菌、真菌感染が重篤化する。
b 好中球減少症では細菌、真菌感染がおこりやすくなる。
c 正しい。
  DiGeorge症候群はT 細胞のみが障害される原発性免疫不全であり、ウイルスである水痘は重症化しやすい。
e X連鎖性無ガンマグロブリン血症はB 細胞のみが障害される原発性免疫不全であり液性免疫が低下する。


Chédiak-Higashi Syndrome(CHS):


白血球の原形質に巨大顆粒を有する免疫不全症であり、常染色体劣性遺伝疾患である。

食細胞(とくに好中球)の数的減少
機能異常(遊走能低下・食胞内での殺菌の遅延)
が存在し、
乳児期早期より感染症を反復する。

食細胞内巨大顆粒は直径1〜3μmの多数の顆粒からなり、
形態は不整でmyelo-peroxidaseやacid-phosphatase陽性である。
食胞と巨大顆粒の融合障害により、食胞内の細菌は生き続けることになる。

chediak-higashi_atlas.jpg 
http://hematologyoutlines.com/atlas_topics/166.html


単球機能にも異常があり、ウイルス感染が致死的病態をもたらす。

責任遺伝子は1q43に存在するLyst (lysosomal trafficking regulator)である。

Griscelli 症候群(GS)の臨床症状は、最重症型のRab27A遺伝子異常ではCHSとほぼ同様であるが、
その他の責任遺伝子Myo5A、MLPH異常では比較的に軽症である。

いずれの遺伝子も細胞内膜輸送機能に関連するタンパクを発現する。

http://emeneki.com/knowledge/immunity_coordination/detail05.html


3)105D15
原発性免疫不全症候群と所見の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。

a 慢性肉芽腫症 --------- 好中球遊走能低下
b DiGeorge症候群 --------- 新生児テタニー
c Wiskott-Aldrich症候群 --------- 運動失調
d Chédiak-Higashi症候群 --------- ペルオキシダーゼ陽性巨大顆粒
e X連鎖無ガンマグロブリン血症 --------- アデノシンデアミナーゼ欠損

解答: b,d

105D15の解説
a 慢性肉芽腫症で低下するのは好中球殺菌能である。
b 正しい。DiGeorge症候群では低カルシウム血症による新生児テタニーを生じる。
c Wiskott-Aldrich症候群では運動失調はおこらない。
  Ataxia telangiectasiaで運動失調
d 正しい。Chédiak-Higashi症候群ではペルオキシダーゼ陽性巨大顆粒が出現する。
e アデノシンデアミナーゼ欠損が原因となるのは重症複合免疫不全症である。


原発性免疫不全症候群の分類;
下記サイト参照
http://www.med.u-toyama.ac.jp/pedi/group/mennHp/body/bunrui.htm


4)110I1

アスペルギルス症が最も合併しやすいのはどれか。

a 無ガンマグロブリン血症
b Wiskott-Aldrich症候群
c 毛細血管拡張性失調症
d DiGeorge症候群
e 慢性肉芽腫症

解答: e

110I1の解説
アスペルギルスは真菌である。
真菌防御に対しては好中球とT細胞が主に働いている。

a B細胞の異常をきたす病態。
b B細胞かつT細胞の異常をきたす病態。
c B細胞かつT細胞の異常をきたす病態。
d T細胞の異常をきたす病態。
e 好中球の異常をきたす病態。

このように疾患を分類してみると、
出題者の意図として「T細胞が異常となるのはどれか」という旨であればb〜dの3つが正答となってしまう。
ゆえに本問では「好中球が異常となるのはどれか」と読み替え、eを選択することとなる。

実際に当時の受験生はeよりもdを選択した者が多かった。
あくまで疫学的な問題であるため、知らなければ解答のしようがない。
上記のようにテクニカルに攻めるのが本問に限って言えば最もうまくいく。


参考サイト:
原発性免疫不全症のまとめ(110回医師国家試験まであと22日)

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