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gene therapy
http://genetherapys.blogspot.jp/2014/12/gene-therapy-images.htmlより


WebPath 総論:cellar injury のExamからの出題。

問題は英語、日本語とも表記しました。


Question 1

A 48-year-old woman has a malignant lymphoma involving lymph nodes in the para-aortic region.
She is treated with a chemotherapeutic agent which results in the loss of individual neoplastic cells through
fragmentation of individual cell nuclei and cytoplasm.
Over the next 2 months, the lymphoma decreases in size, as documented on abdominal CT scans.
By which of the following mechanisms has her neoplasm primarily responded to therapy ?

大動脈周囲のリンパ節を巻き込む悪性リンパ腫を患った48歳女性。
化学療法を受け、核と細胞質の分節化が引き起こされた結果、個々の細胞の消失をみた。
2ヶ月後、リンパ腫は腹部CT上でも縮小した。
以下のどのメカニズムにより、腫瘍が治療に反応したか?

A Coagulative necrosis
B Mitochondrial poisoning
C Phagocytosis
D Acute inflammation
E Apoptosis



解説はMOREを

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解説

アポトーシス apoptosis とは (Wikipediaより引用改編)

多細胞生物の体を構成する細胞の死に方の一種で、
個体をより良い状態に保つために積極的に引き起こされる、
管理・調節された細胞の自殺すなわちプログラムされた細胞死programed cell death

(狭義にはその中の、カスパーゼに依存する型)のこと。
壊死(necrosis)の対義語として使われる事が多い。

apoptosis and necrosis

apoptosisとnecrosisの違い 

http://www.fucoidanhonpo.com/apotosisu.htm より


特徴としては、順番に

1.細胞膜構造変化(細胞が丸くなる)
2.核が凝縮する
3.DNA 断片化(DNAが短い単位(ヌクレオソームに相当)に切断される)
4.細胞が小型の「アポトーシス小胞」とよぶ構造に分解する

といった変化を見せる。

アポトーシスを開始させる細胞内のシグナル伝達経路は主にこの線虫の遺伝学的研究から明らかになった。
その後線虫や昆虫から哺乳類まで多細胞動物のアポトーシス経路には共通点が多いことが明らかとなった。
これは非常に複雑に調節されるネットワークであるが、カスパーゼと総称される一連のプロテアーゼが中心的な働きをし、下流のカスパーゼを順に切断・活性化していくこと、また「アポトーシスの司令塔」であるミトコンドリアも重要な働きをなすことが特徴である。
おおよそ次のようにまとめられる。

アポトーシスの主経路

1) TNFやFasリガンドなどのサイトカイン(デスリガンド)による細胞外からのシグナル
   ⇒ 受容体(デスレセプター) ⇒ カスパーゼ-8,-10 ⇒ カスパーゼ-3
2) DNA損傷など ⇒ p53 ⇒ ミトコンドリア上のBax、Bakなどのタンパク質からなるシグナル系による制御
   (またはミトコンドリア自体の異常) ⇒ ミトコンドリアからシトクロムcの漏出 ⇒ カスパーゼ-9 ⇒ カスパーゼ-3
3) 小胞体ストレス(小胞体で異常なタンパク質が生成するなど) ⇒ カスパーゼ-12 ⇒ カスパーゼ-3

カスパーゼ-3がその他のタンパク質を分解するなどしてアポトーシスを決行させる。
現在普通にはこのような経路による細胞死を特にアポトーシスと呼んでいる。

アポトーシス誘導
アポトーシスの主経路 (Wikipediaから転用)


遺伝子治療によるがん細胞のアポトーシス誘導

癌細胞は、アポトーシス誘導されずにどんどん細胞が増加する状態である。
通常の抗がん剤は癌細胞だけでなく、正常細胞に傷害をおよぼす。

最近、注目される癌細胞消滅療法

癌抑制遺伝子であるp53遺伝子(自己修正遺伝子)を
正常に作動させ、癌細胞をアポトーシス(自ら死滅)させ、正常な細胞に障害を
及ぼさない遺伝子治療が進行中です。

この問題では、chemotherapyといってますが、
実は gene therapyのことをいっていると思われます。

ですから、やや問題の質に難ありといえます。
奥は深いですね。

もっと多くの問題にも目を通してはいますが、本問題の解説だけで疲れました。

他の問題は、また今度。


WebPathからの邦訳は以下のごとくです。




解答

(A) × 血液供給が途絶えることによって組織が壊死に陥る場合をいう。

(B) × 低酸素に伴うカルシウム流入により生ずるミトコンドリア機能の消失はあるが、
     アポトーシスへのシグナル ではない。

(C) × Phagocytosisは大食細胞により細胞断片が進む事を指す。
           アポトーシス体がこの過程で消費されることはある。

(D) × 急性炎症細胞(好中球)は他の細胞を壊す酵素を放出することはあるが、
           これは化学療法に対する細胞変化を引き起こす特異的な反応ではない。

(E) ○ 個々の細胞死がアポトーシスにより引き起こされる。
           化学療法剤(遺伝子治療)の効果というのは、
           まず第一に腫瘍細胞のみにアポトーシスを起こさせ、
     正常細胞には影響を及ぼさないことである。
          (英文では、gene therapyという記載なし)






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2015/04/20 06:09 病理学 TB(-) CM(0)
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