スポンサーリンク 脳内出血を呈したINR高値症例への対応(USMLE Step 2CK) - 医療関係資格試験マニア
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USMLE Step 2: Next step for patient with warfarin toxicity


https://wire.ama-assn.org/education/usmle-step-2-next-step-patient-warfarin-toxicity からの引用

問題は日本語訳で、解答に英語を付記します。


 問題



親類とともにERを訪れた71歳の男性。
親類によれば、この男性はDVTの既往があり、
ここ数年ワーファリンを服用してきたという。
また、常々投薬について不平を言ってきたとのこと。
高血圧、糖尿病、高脂血症や心疾患の既往なし。

診察時、血圧170/60、心拍数 60/分、呼吸回数14/分、体温 37度。
混迷はあるが、人、時間、場所への認識はある。
対光反射は遅延。
神経学的には左上下肢の筋力3/5 (MMT)、左側深部腱反射は亢進。
頭部CTでは、右頭頂側頭葉に脳内出血が認められた。

検査所見は以下のごとく:

2016-11-04-USMLE-chart.jpg

以下の記載で本患者に対する最も正しい処置はどれか?

A 経鼻胃管挿入後、経口ワーファリンを継続
B さらなる治療の必要はない
C Vit K投与
D FFP輸注
E 濃厚RBC輸血
F 血小板成分輸血



解答:MOREへ




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解答

A 71-year-old man is brought to the emergency department by his relatives.
According to the patient's relatives, he has a history of recurrent deep venous thrombosis
and has been on warfarin for several years.
He has always been compliant with his medication. 
He does not have any history of hypertension, diabetes, hypercholesterolemia, or heart disease.

親類とともにERを訪れた71歳の男性。
親類によれば、この男性はDVTの既往があり、ここ数年ワーファリンを服用してきたという。
また、常々投薬について不平を言ってきたとのこと。
高血圧、糖尿病、高脂血症や心疾患の既往なし。


On examination his blood pressure is 170/60 mm Hg, heart rate 60/min,
respiratory rate 14/min and temperature 37 ºC (98.6 ºF).
He is confused and not oriented to person, time or place.
His pupils are sluggishly reactive to light.
Neurologic examination shows 3/5 strength in the left upper and lower extremities.
Deep tendon reflexes are brisk on the left side.
A CT scan of the head shows an intraparenchymal hemorrhage in the right temporoparietal region.
 
Laboratory workup shows:



診察時、血圧170/60、心拍数 60/分、呼吸回数14/分、体温 37度。
混迷はあるが、人、時間、場所への認識はある。
対光反射は遅延。
神経学的には左上下肢の筋力3/5 (MMT)、左側深部腱反射は亢進。
頭部CTでは、右頭頂側頭葉に脳内出血が認められた。

検査所見は以下のごとく:
2016-11-04-USMLE-chart.jpg

Which of the following is the most appropriate next step in management?
以下の記載で本患者に対する最も正しい処置はどれか?

A. Continue oral warfarin after inserting a nasogastric tube

B. No further treatment is needed

C. Subcutaneous vitamin K

D. Transfuse fresh frozen plasma

E. Transfuse packed RBCs

F. Transfuse platelets


A 経鼻胃管挿入後、経口ワーファリンを継続
B さらなる治療の必要はない
C Vit K投与
D FFP輸注
E 濃厚RBC輸血
F 血小板成分輸血


正解 D


本患者はINR7.0とワーファリン中毒で、重篤な脳内出血を生じている。
ワーファリンの抗凝固作用をFFP((新鮮凍結血漿)の輸注により即座に中和しなければならない。
FFPには、ビタミンK依存性抗凝固因子:II, VII, IX, Xが含まれ、
これの投与でINRは即座に正常化される。

他の選択肢について

A 経鼻胃管挿入後、経口ワーファリンを継続
B さらなる治療の必要はない

脳内出血も起こしているINR高値も呈した症例に対し、これらは問題外の処置。

C Vit K投与
ビタミンK投与は、ワーファリンの抗凝固作用を中和させるのに有効ではあるが、
効果が表れるのに数時間かかる。
本例のような重篤症例にはFFPの投与が最も効果的。

E 濃厚RBC輸血

本例ではHbは正常域。
RBC投与では事態の収拾解決とはならない。

F 血小板成分輸血

PLT数が5万以下であれば、適応とはなるかもしれないが、本例は11万と正常域。
しかし、PLT投与により脳内出血に対する解決とはならないだろう。



One tip to remember

Rapid reversal of excessive anticoagulation should be undertaken in patients with serious bleeding at any degree of anticoagulation. Warfarin has to be stopped, and parenteral vitamin K and fresh frozen plasma have to be administered.

The most rapid way of reversing the anticoagulant effect of warfarin
is by transfusing fresh frozen plasma.

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