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抗真菌・抗ウイルス薬
![]() http://aids-hiv.wikispaces.com/Antiretroviral+Therapy
スポンサーリンク 1) 次の文章の内、アシクロビル(acyclovir)について正しくないものはどれか? A アシクロビルはグアノシンアナログの抗ウイルス薬である。 B アシクロビルは初めにウイルスのチミジンキナーゼによって選択的にリン酸化されacyclo-GMPに変換される。 C ウイルスDNAに取り込まれたacyclo-GTPはDNAの伸長反応を停止させる。 D アシクロビルは単純ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス感染症の治療に用いられる。 E acyclo-GTPは宿主細胞の持つポリメラーゼよりもウイルスポリメラーゼに親和性が約100倍強い。 (解説) アシクロビル(米国ではacyclovir、国際的にはaciclovirと表記する)はグアノシンアナログであり、 核酸の糖を持たないためDNAに取り込まれるとその後の伸長反応が起きない。 細胞内に取り込まれた後に、ヘルペスウイルスのコードするチミジンキナーゼによってリン酸化されacyclo-GMPに変換される。 ウイルスキナーゼは宿主のもつキナーゼよりも3000倍以上もアシクロビルを効率的にリン酸化するため、 ウイルス感染細胞に対して選択的毒性が生まれる。 Acyclo-GMPは宿主キナーゼによりacyclo-GTPにリン酸化され、DNA合成においてdGTPと競合し、 取り込まれ、DNA鎖の伸長を停止させる。 さらに、ウイルスポリメラーゼはacyclo-GTPに対して親和性が非常に強いため、 ここでも選択的毒性を発揮する非常に優れた抗ヘルペスウイルス薬である。 アシクロビルは、ウイルスDNAの合成を阻害するため、 神経節に潜伏感染してウイルスゲノム複製が起こっていない状態のウイルスには効かない。 ただし、サイトメガロウイルスへの効果は非常に低いため、 サイトメガロウイルスの治療にはガンシクロビルを用いる。 2)次の選択肢のうち、結核の治療に適するのはどれか?以下から全てを選べ。 A. ラミブジン B. ストレプトマイシンとエタンブトールの併用 C. バンコマイシン D. リファンピシンとイソニアジドの併用 E. リバビリン (解説) A 核酸系逆転写酵素阻害薬。 細胞内でリン酸化され、三リン酸となりHIVのDNA鎖の伸長反応を停止することにより、抗ウイルス効果を発現する。 HIVやHBVの治療に用いられる。 B D 同様、結核の治療の第一選択として用いられる。 C vancomycinはglycopeptideでグラム陽性菌に有効で、特にmethicillin耐性菌(MRSA)にも効く。 E ウイルスmRNAの転写阻害薬としてribavirinがあげられる。C型肝炎ウイルスの治療薬に用いられる。 正解 BD 3)次のうちで抗エイズ薬として適切ではないものを選べ。 a. ジドブジン b. エファビレンツ c. アタザナビル d. ラミブジン e. アシクロビル 解答 e (解説) ジドブジン、ラミブジンは核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI)、 エファビレンツは非核酸系逆転写酵素阻害薬(NNRTI)でありHIVのDNA鎖の伸張を停止することで ウイルスの増殖を阻害しエイズに対して有効.。 アタザナビルはプロテアーゼ阻害薬(PI)でありHIVプロテアーゼを阻害し有効 アシクロビルはチミジンキナーゼでヘルペスウィルスの核酸合成過程に組込まれ、 DNA伸長を阻害する抗ヘルペスウィルス薬である。 4)抗真菌薬に関連した以下の記述ついて、誤っているものを選べ。 × a. 真菌の細胞壁合成を阻害する薬剤は有効でない。 ○ b. 抗真菌薬の全身投与では、一般的に副作用が強い。 ○ c. 真菌は、真核細胞である。 ○ d. ポリエン系抗生物質の代表は、アンフォテリシンBである。 ○ e. 真菌に対して選択毒性を示す薬剤は、真正細菌に対して選択毒性を示す薬剤よりも少ない。 解答 a (解説) 真菌は真核生物であり、原核生物である細菌と比較してはるかに動物細胞(ヒト)に近い。 したがって、抗細菌薬よりも抗真菌薬を作り出す方が困難であり、一般に副作用も出やすいことは容易に想像できる(b, c, e)。 逆に真菌が動物細胞と大きく異なる点は、(細菌もそうであるが)細胞壁を持つこと(a, キャンディン系薬剤)、 細胞膜を構成するステロールが(ヒトがコレステロールであるのに対して)エルゴステロールであることが主に挙げられる。 そのエルゴステロールに選択的に結合して細胞膜機能を傷害する薬剤がポリエン系抗生物質であり、 アンフォテリシンB(ファンギゾン)がその代表例である (d)。 またエルゴステロール合成を阻害する薬剤として、アゾール系薬剤が知られている。 キャンディン系 キャンディン系抗真菌薬はヒト細胞にはない真菌細胞壁の主要成分を特異的に阻害するため 深在性真菌症に高い有効性を有すると同時に選択毒性が高く、重篤な副作用は少ない。 細胞壁のβ-Dグルカン合成を阻害することで抗真菌活性を有する。 代表薬はミカファンギン(商品名:ファンガード)でありカンジダ族とアスペルギルス属に優れた抗真菌作用を有する。 しかしβ-Dグルカンを持たない、または少ない真菌である接合菌やクリプトコッカス、およびトリコスポロンには無効である。 またキャンディン系抗真菌薬はアゾール系に比べて薬物相互作用の発現する可能性低いとされている。 抗真菌作用は濃度依存的である。 5)以下の疾患と治療薬の組み合わせとして正しいものを選べ。 ただし、正解は一つとは限らない。 a) A型インフルエンザーオセルタミビル b) B型インフルエンザーアマンタジン c) B型肝炎ーラミブジン d) C型肝炎ーアシクロビル e) サイトメガロウイルス感染症ーガンシクロビル 答. a).c).e) 解説. 抗ウイルス薬 : ウイルスは宿主細胞の生存機構を利用して増殖するため、 ウイルス由来の蛋白質や酵素を標的とすることにより副作用の出現を回避し、高い選択性を確保している。 このため診断が確立されていないと使えず、長期にわたって連用する場合は、薬剤耐性ウイルスの出現が問題となる。 a) 〇 オセルタミビルはインフルエンザウイルスのエンベロープ抗原であるNA(ノイラミダーゼ)阻害薬で、 ウイルスの細胞からの遊離を阻害する。A・B型インフルエンザ双方に効果がある。 オセルタミビルには経口薬である商品名タミフルがある。 ザナミビルもノイラミダーゼ阻害薬で、A・B型インフルエンザ双方に効果がある。 ノイラミダーゼ阻害薬はインフルエンザ症状出現後、24~36時間以内に投与されると、 症状の軽減や病気の短縮などの臨床効果を発揮する。 b) × アマンタジンはパーキンソン症候群の治療薬として使用されてきもので、 A型インフルエンザウイルスのみがコードするM2たんぱく質のイオンチャネル活性を阻害することにより、 抗ウイルス効果を発揮する。よってA型インフルエンザのみに効果がある。 c) 〇 ラミブジンはHBVの逆転写酵素に取り込まれ、ウイルス遺伝子の合成を阻害し、HBV増殖を抑制する。 問題点としては、耐性株の出現や中止基準、妊婦への影響がある。 B型肝炎治療薬にはほかに、IFN-α、アデフォビル、エンテカビルなどがある。 d) × アシクロビルはヘルペスウイルス特異的阻害薬として発見されたもので、 HSV(単純ヘルペスウイルス)やVZV(水痘ー帯状疱疹ウイルス)の遺伝子が コードするTK(チミジンキナーゼ)によってリン酸化され、抗ウイルス作用を発揮する。 C型肝炎にはIFN-α、リバビリンの併用療法が効果的である。 e) 〇 ガンシクロビルはウイルス固有のTK(チミジンキナーゼ)を持たないサイトメガロウイルスの感染細胞内 でもリン酸化され、抗ウイルス効果を発揮する。 ![]() http://blog.livedoor.jp/nagasawanorio62/ 6)以下の抗エイズ薬の種類と薬名のうち適切なものを選べ。 ただし、正解は一つとは限らない。 a) NNRTI - zidovudine(AZT) b) NRTI - emtricitabine(FTC) c) PI - efavirenz(EFV) d) inhibitor of viral entry: ウイルス侵入阻害薬- maraviroc e) PI - nelfinavir(NFV) 正解 b) . d) .e) 解説 NNRTIは非核酸系逆転写酵素阻害薬、NRTIは核酸系逆転写酵素阻害薬、PIはプロテアーゼ阻害薬のことである。 NRTIは細胞内に取り込まれた後、宿主細胞のリン酸化酵素により活性化され、 HIV-1の逆転写酵素によるプロウイルスDNAの合成を阻害するが、 宿主細胞のDNA複製に必要なDNAポリメラーゼに対する阻害効果は弱い。 NNRTIは核酸構造を有しない各種の物質に、強い逆転写酵素阻害効果があるもので、 HIV-1の増殖は強く抑制するが、HIV-2やサル免疫不全ウイルスに対してはほとんど効果を示さない。 PIはウイルスのmRNAから産生されたばかりの蛋白質を適切な部分で切断し、 感染性のある成熟粒子とするために不可欠な酵素を阻害することで抗ウイルス効果を発揮する。 一方で、宿主細胞由来のプロテアーゼには作用しない。 この薬の開発により、HIV-1感染による死亡率が大きく減少した。 ウイルス侵入阻害剤はウイルスとケモカイン受容体5(CCR5)との結合を阻害することで、 HIVの宿主細胞への接着および侵入を阻害する。 通常の治療では、薬剤耐性ウイルスの出現を防ぎ、治療効果を持続させるために、 2種類のNRTI+1種類のNNRTIもしくは2種類のNRTI+1種類のPIによる併用療法から開始され、 HAARTと呼ばれている。 a) × AZTは抗エイズ薬として最初に認可されたもので、NRTIである。 b) 〇 FTCはNRTIの一つで、ウイルスの増殖を抑える。 c) × EFVはNNRTIの一つで、強い逆転写酵素阻害効果がある。 d) 〇 マラビロクはウイルス侵入阻害薬で、HIVの細胞内への侵入を阻害する 経口投与可能な日本初の抗ウイルス化学療法剤(CCR5阻害剤)である。 e) 〇 NFVはPIの一つで、ウイルスの増殖を抑える。 |
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