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某大学医学部3年の総合試験で出たようです。
簡単なので歯科放射線に。

問題

60歳男性。FDG−PETの正面像を下に示す。
どれを示していると考えられるか。

pet image

a. 糖代謝
b. アミノ酸代謝
c. 核酸代謝
d. 脂肪酸代謝
e. リン酸代謝

出典サイト:http://34student.web.fc2.com/sousi/33_sousi_zenhan.htm


関連記事:

よく出る画像検査法:110歯A125

FDG-PET

検査と物理現象:医師107H20

109回歯科AC:口腔外科(腫瘍1)

歯科放射線学:最近の傾向




解答:MOREへ

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解答

60歳男性。FDG−PETの正面像を下に示す。
どれを示していると考えられるか。

pet image
https://www.intechopen.com/books/management-of-gastric-cancer/pet-imaging-in-gastric-carcinoma から引用


a. 糖代謝
b. アミノ酸代謝
c. 核酸代謝
d. 脂肪酸代謝
e. リン酸代謝


正解 a


原理

腫瘍細胞はブドウ糖の細胞膜輸送が正常細胞に比較すると亢進、その結果、
腫瘍細胞の増殖が起こります。
フルオロデオキシグルコース(FDG)はブドウ糖類似物質であり、
ブドウ糖と同様に細胞に取り込まれFDG6リン酸に変化しますが、
解糖系で代謝されずに細胞内に蓄積されていきます。
FDGのF18はγ線を発生し、そのγ線を捉えて画像化したものがPETということになります。
FDGの集積度は腫瘍細胞の増殖速度、悪性度、腫瘍細胞量と相関し、
悪性リンパ腫は悪性腫瘍の中でも特にFDGの集積を示すことが知られており、
診断、治療の指針となります。


PET撮影における注意点

1.血糖値
血糖値が上昇すると臓器の集積が低下、同時に腫瘍への集積も低下するため、注意を要します。

2.生理的集積
生理的集積には臓器への集積と排泄による集積があります。
臓器への生理的集積が認められるのは脳(抗てんかん薬にて集積は低下、
高齢者では前頭葉の集積は相対的に低下、若年者では後頭葉や小脳への集積が高い)、
扁桃、心臓(左心室壁のびまん性あるいは心基部限局性集積)、
胃、大腸、精巣、また排泄に関連した生理的集積としては唾液腺、腎臓、尿管、膀胱などが挙げられます。
従って、リンパ腫病変がこの生理的集積部に存在している場合には病変として評価されない場合があります
(例えば唾液腺や消化管に発生しやすいmucosa-associated lymphoid tissue lymphoma(MALTリンパ腫)、
扁桃を含むワルダイエル輪原発悪性リンパ腫)。
胃・大腸への集積が多くみられるのは粘液分泌亢進、蠕動運動亢進のためであり、
特に下痢、便秘などにより影響を受けます。

筋肉(胸鎖乳突筋、咬筋、外眼筋など)、乳房、肝臓、子宮、卵巣、骨髄にも軽度の生
理的集積を認めることがあります。子宮、卵巣では月経、排卵期から黄体期に集積亢進
が認められることが多いため、子宮・卵巣病変が考えられる場合には月経終了後から1
週間以内に撮影すると影響を受けることが少なくなります。特殊な生理的集積箇所とし
ては小児・青年においては胸腺への集積が1/3程度に認められます(Ref)(前縦隔の三
角形の集積)。褐色脂肪細胞という細胞(体温調整のため非ふるえ熱産生を起こす細
胞)に集積が見られることがあります。左右対称に肩から傍脊椎の集積として見られるこ
とが多く、特に寒い時期に認められます。

3.炎症等の良性疾患への集積
FDGは炎症で糖の利用亢進(免疫担当細胞、顆粒球、マクロファージが解糖系をエネ
ルギーとしているため)と血流の増加・拡散のため、集積します(脳炎、副鼻腔炎、上咽
頭炎、扁桃腺炎、歯周囲炎、橋本病、肺炎、結核、逆流性食道炎、乳腺症、心膜炎、急
性胃炎、憩室炎、肝炎、膵炎、胆嚢炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、脂肪織炎、関節
炎、骨髄炎、サルコイドーシス、皮膚移植片対宿主病など)。炎症以外の良性腫瘍(髄膜
腫、下垂体腺腫、甲状腺腫、カルチノイド、線維腺腫、過誤腫、褐色細胞腫、神経鞘腫、
神経線維腫など)でも集積することが報告されています。

http://www.med.osaka-cu.ac.jp/labmed/page029.html から

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2017/12/15 00:12 歯科放射線 TB(-) CM(0)
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