スポンサーリンク 悪性リンパ腫などの染色体異常:110医A33 - 医療関係資格試験マニア
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某総合病院で日々、臨床で忙しい医師カズです。
各種医療職の資格試験問題に挑戦しつつ、資格を目指す方々を励ますブログです。
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まずは、医系の問題でしょう。



110A33

69歳の女性。リンパ節腫大の精査のため来院した。
腹痛のため自宅近くの診療所を受診し、
腹腔内のリンパ節腫大を指摘され紹介されて受診した。
表在リンパ節は触知しない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
血液所見:赤血球430万、Hb 13.3g/dL、Ht 40%、
白血球5,200(好中球65%、好酸球2%、単球6%、リンパ球27%)、血小板21万。
血液生化学所見:総蛋白6.6g/dL、アルブミン3.5g/dL、IgG 725mg/dL (基準960-1,960)、
IgA 145mg/dL (基準110-410)、IgM 121mg/dL (基準65-350)、
総ビリルビン0.5mg/dL、AST 20 IU/L、ALT 25 IU/L、LD 471 IU/L(基準176-353)、
ALP 133 IU/L(基準115-359)、尿素窒素18mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL、
尿酸8.0mg/dL、血糖105mg/dL。
免疫血清学所見:CRP 0.1mg/dL、可溶性IL-2受容体1,312 U/mL(基準122-496)、
HBs抗原陰性、HBs抗体陰性、HBc抗体陰性、HCV抗体陰性、HTLV-I抗体陰性。
全身造影CTでは、縦隔のリンパ節、傍大動脈リンパ節および腸間膜リンパ節の腫大を認めた。
病型診断のために行った腸間膜リンパ節の生検組織のH-E染色標本を下に示す。
生検組織からは染色体異常を認める。
骨髄生検ではリンパ系腫瘍細胞の浸潤がみられる。
染色体異常はどれか。

thumb_110A-33.jpg

a t(8;14)
b t(8;21)
c t(9;22)
d t(14;18)
e t(15;17)


関連記事:

Leukemiaにおける転座:108医D12

leukemiaの組織診断:111医I42




解答:MOREへ


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解答

69歳の女性。リンパ節腫大の精査のため来院した。
腹痛のため自宅近くの診療所を受診し、
腹腔内のリンパ節腫大を指摘され紹介されて受診した。

表在リンパ節は触知しない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。

血液所見:赤血球430万、Hb 13.3g/dL、Ht 40%、
白血球5,200(好中球65%、好酸球2%、単球6%、リンパ球27%)、血小板21万。

血液生化学所見:総蛋白6.6g/dL、アルブミン3.5g/dL、IgG 725mg/dL (基準960-1,960)、
IgA 145mg/dL (基準110-410)、IgM 121mg/dL (基準65-350)、
総ビリルビン0.5mg/dL、AST 20 IU/L、ALT 25 IU/L、LD 471 IU/L(基準176-353)、
ALP 133 IU/L(基準115ー359)、尿素窒素18mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL、
尿酸8.0mg/dL、血糖105mg/dL。

免疫血清学所見:CRP 0.1mg/dL、可溶性IL-2受容体1,312 U/mL(基準122-496)、
HBs抗原陰性、HBs抗体陰性、HBc抗体陰性、HCV抗体陰性、HTLV-I抗体陰性。

全身造影CTでは、縦隔のリンパ節、傍大動脈リンパ節および腸間膜リンパ節の腫大を認めた。

病型診断のために行った腸間膜リンパ節の生検組織のH-E染色標本を下に示す。

生検組織からは染色体異常を認める。
骨髄生検ではリンパ系腫瘍細胞の浸潤がみられる。
染色体異常はどれか。

thumb_110A-33.jpg

a t(8;14)
b t(8;21)
c t(9;22)
d t(14;18)
e t(15;17)


正解 d

解説

腹腔内のリンパ節腫大を指摘されて紹介受診した69歳女性。

L/D上は、可溶性IL-2受容体高値以外には特記すべき有意所見は認めず、
全身造影CTで、縦隔・傍大動脈・腸間膜リンパ節の腫大を認めました。

腸間膜リンパ節の生検像で濾胞構造が複数あり、
骨髄生検でのリンパ系腫瘍細胞の浸潤を認めることから、
悪性リンパ腫(濾胞性リンパ腫)+骨髄浸潤の診断となります。

本問は濾胞性リンパ腫に特徴的な染色体異常を答えさせる問題です。


<選択肢考察>

a t(8;14) バーキットリンパ腫

b t(8;21) 急性骨髄性白血病〈M2〉

c t(9;22) 慢性骨髄性白血病や急性リンパ性白血病の一部(いわゆるフィラデルフィア染色体)

d t(14;18) 濾胞性リンパ腫

e t(15;17) 急性前骨髄球性白血病(急性骨髄性白血病〈M3〉)


解説:日経メディカル 1日1問医師国試問題 から


可溶性IL-2受容体(可溶性インターロイキン-2レセプター)

・インターロイキン2(IL-2)は、T細胞、B細胞、NK細胞などの細胞表面に存在するIL-2受容体と結合し、
細胞内へシグナルが伝達されることで、
T細胞、B細胞、NK細胞,単球,マクロファージなどを分化・増殖させる働きを持っています。

・細胞表面から遊離した可溶性インターロイキン-2α鎖を可溶性インターロイキン2受容体と呼びます。

・可溶性インターロイキン2受容体は、
  成人T細胞白血病、
  ヒトT細胞性リンパ性白血病、
  T細胞性悪性リンパ腫や、
  HIV感染、膠原病などで
  高値を示します。

http://www.falco.co.jp/rinsyo/detail/060047.html から

関連記事
2017/12/30 18:20 血液・凝固系 TB(-) CM(0)
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