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国家試験に出すには謎多き比較的稀な骨腫瘍といえよう。
整形専門医である私も3例ほどしか見たことがない。


106A26+104D41(一部改編)

25歳の男性。
ランニング中に自覚した右膝の痛みを主訴に来院した。
右膝関節内側に腫脹を認める。
右膝正面エックス線写真(A)と
病変部の生検組織のH-E染色標本(B)とを別に示す。

thumb_106A-26A.jpg
A

thumb_106A-26B.jpg
B

1)104D41
考えられるのはどれか。

a 類骨骨腫
b 骨芽細胞腫
c 骨巨細胞腫
d 軟骨芽細胞腫
e 非骨化性線維腫



2)106A26
治療として適切なのはどれか。

a 抗悪性腫瘍薬の投与
b 放射線治療
c 大腿切断術
d 病巣掻爬・骨移植術
e 病巣広範切除・人工関節置換術


解答:MOREへ



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解答

25歳の男性。
ランニング中に自覚した右膝の痛みを主訴に来院した。
右膝関節内側に腫脹を認める。
右膝正面エックス線写真(A)と
病変部の生検組織のH-E染色標本(B)とを別に示す。

thumb_106A-26A.jpg
A

thumb_106A-26B.jpg
B

1)104D41
考えられるのはどれか。

a 類骨骨腫
b 骨芽細胞腫
c 骨巨細胞腫
d 軟骨芽細胞腫
e 非骨化性線維腫


解答: c


20代男性の膝痛である。
エックス線写真では(はっきりはしないが)soap bubble appearanceを認める。
また、H-E染色では多核巨細胞を多数認め、骨巨細胞腫の診断となる。
本腫瘍は破骨細胞 osteoclast由来のもの。
骨腫瘍では好発部位・好発年齢を知っておくことで鑑別が容易となる。


a 類骨骨腫は10〜20代の若年者に好発する良性腫瘍である。
  骨端部ではなく骨幹部に好発し、エックス線写真では境界明瞭な円形のnidusを認めるはずだ。

ecfeb44be41e354ec758de35bebe39_thumb.jpg 
大腿骨近位部に骨硬化像の中にnidusを認める
https://radiopaedia.org/articles/osteoid-osteoma


b 骨芽細胞が異常増殖し、骨形成が促進する(すなわち骨硬化する)病態。
  本症例ではエックス線上、過剰な骨化は指摘できない。

c 正しい。上記の通り。
  骨巨細胞腫は20〜30代の長管骨骨端に好発することも合わせて押さえておこう。

d 本腫瘍も骨端部に好発する良性腫瘍であるが小児に多い。
  組織では骨巨細胞腫と同様に多核巨細胞を認めるが、同時に軟骨芽細胞も認め、より未分化である。
  発症年齢を考えても本問とは合致しない。

hondroblastoma-s.jpg 
https://ja.iliveok.com/health/zi-gong-noruan-gu-ya-xi-bao-zhong_76788i15937.html

e 小児の骨幹部に生じることの多い良性腫瘍である。
  エックス線写真では、辺縁明瞭な骨透亮像を認める。


2)106A26
治療として適切なのはどれか。

a 抗悪性腫瘍薬の投与
b 放射線治療
c 大腿切断術
d 病巣掻爬・骨移植術
e 病巣広範切除・人工関節置換術

解答: d


a 骨巨細胞腫は良性から悪性まで変化に富み、再発率が高い。
  しかし、一般的には必ずしも抗悪性腫瘍薬が使われない。
  最近、デスマノブも使うことが可能になった。
  悪性化したGCTでは本治療も行われることがあろう。

b 転移性の骨腫瘍や手術で取り切れない悪性腫瘍に行われる。

c 良性腫瘍なので切断という選択肢は基本的にありえない。

d 正しい。骨移植には自己移植や人工骨移植などがある。再発もありえる。

e 腫瘍が大きい場合はこの選択肢も十分ありえる。
  しかし、本症例の所見をみる限りでは広範な切除までは不要であろうか。


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