スポンサーリンク 外傷患者における優先すべき検査、処置:109医E63-65 - 医療関係資格試験マニア
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かず

Author:かず
某総合病院で日々、臨床で忙しい医師カズです。
各種医療職の資格試験問題に挑戦しつつ、資格を目指す方々を励ますブログです。
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頻出の救急分野の総合的連門問題。
かなり、臨床に即したsituationでしょう。
我々の時代には、全く出題されなかった問題。

歯科の方は109E64のみ、参考に!

https://medu4.com/ から


trauma.jpg 
https://www.army.mil/article/73617/tripler_receives_low_level_trauma_strives_for_excellence_in_care



109E63-65

198E63
67歳の男性。交通事故で受傷したため搬入された。
現病歴:道路を歩いて横断中、自動車に衝突され跳ね飛ばされ転倒した。
直ちに救急車が要請された。
救急隊到着時、意識は清明で右殿部を痛がり、歩行不能であった。
四肢に明らかな麻痺はなかった。救急車で救命救急センターに搬送された。
既往歴:高血圧症で内服治療中。
生活歴:妻と2人暮らし。定年退職後は無職。
日常生活は自立し毎朝の散歩を日課にしていた。
家族歴:父親が高血圧性脳内出血で死亡。母親が認知症。
現症:病院到着時は不穏。体温36.0℃。
心拍数136/分、整。血圧70/38mmHg。
呼吸数32/分。SpO2 95%(リザーバー付マスク10 L/分100%酸素投与下)。
右腰部に皮下出血がみられ、仙骨部に圧痛を認める。
腹部は平坦で、軽度の反跳痛を認める。外尿道口から出血を認める。
この患者にポータブルエックス線撮影を指示した。

次に優先すべき検査はどれか。

a 腰椎MRI
b 頭部単純CT
c 腹部血管造影
d 骨盤部造影CT
e 迅速超音波検査〈FAST〉


109E64
検査所見:血液所見:赤血球243万、Hb 5.4g/dL、Ht 22%、白血球8,400、血小板12万。
血液生化学所見:AST 56IU/L、ALT 42IU/L、尿素窒素24mg/dL、クレアチニン1.4mg/dL。CRP 5.2mg/dL。
この患者に、まず赤血球濃厚液4単位を輸血した場合のHb(g/dL)として最も考えられるのはどれか。
なお、患者の体重は60kg、輸血に使用した血液のHbは1単位28g、循環血液量は体重の7%とし、
さらなる失血と輸液の影響は考慮しないものとする。

a 7
b 8
c 9
d 10
e 11


109E65

実際には輸血後のHbは6.0g/dLであった。
この患者に想定される合併損傷のうち最優先で対処する必要があるのはどれか。

a 脳挫傷
b 尿道損傷
c 直腸損傷
d 骨盤部動脈損傷
e 腰椎横突起骨折


解答:MOREへ

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解答


109E63

正解 e

解説

外傷初療に関する症例です。ADL自立の67歳の男性が乗用車に衝突され、
右臀部を痛がり歩行不能となったために救急搬送されたという状況です。

外傷初療のガイドラインによれば、Primary SurveyとSecondary Surveyのパートに大きく分けられます。
すなわち、生理学的異常を評価し
バイタルサインの安定化を図る段階と、
解剖学的異常を評価し全身をくまなく検索する段階とがあるのです。

生理学的異常というのは、バイタルサインの異常と置き換えて捉えても良いでしょう。
Primary Surveyでは、ABCDEを順に評価していくのが通例です。
ABCが安定しない状態では原則的にSecondary Surveyに移行せずにバイタルサインの安定化に努めます。

それでは、外傷初療の考えに則って、ABCDEを評価していきましょう。

A 会話可能(意識清明だった)なので気道開通
B RR 32、FiO2 1.0でSpO2 95%
C HR 136、BP 70/38、骨盤骨折の疑い
D 不穏、GCSは不明、四肢麻痺は無い、瞳孔径不明
E 体温 36.0℃、右腰部に皮下出血

現時点でBとCの異常があり、呼吸と循環の安定化を図らなければなりません。
本問では、Cの異常を更に検索するために、胸部・骨盤レントゲンとFASTを行います。
これらは初療室で簡便にかつ迅速に行える画像検査ですので、
Primary Surveyに含まれることを知っていれば容易に正解にたどり着けるかと思います。

また、来院後に不穏になっているのは、呼吸・循環の異常の影響を疑います。

<選択肢考察>
a バイタルサインの安定化が優先されます。

b 意識が悪いという理由で頭部CTを撮りたくなる気持ちももっともですが、
頭部CTはSecondary Surveyの最初に試行することはあっても、
Primary Surveyのプロセスの中で行われることはありません。

c 腹腔内の出血か骨盤内の出血かを先に区別する必要があります。

d バイタルサインの安定化の後にSecondary Surveyの一環として実施されます。

e Primary Surveyであり、適切な対応です。


本解説:日経メディカル 1日1問医師国試から



109E64

正解  b

109E64の解説

今現在患者のもっているHb:60×0.07×10×5.4=226.8g。 
 ※10をかけているのは、dL→Lへの補正。
 ※5択なので、以下、計算の簡便性から、226.8→228と近似する。
投与する赤血球内のHb:28×4=112g。
投与後のHb:228+112=340g。
以上より、求める値は、340g÷(60×0.07×10)dL=340÷42g/dL=8.0952…。ゆえにbが正しい。

もっとアバウトに近似して、60×0.07×10×5.4≒42×5=210g……(A)
28×4≒30×4=120g……(B)
(210+120)÷42=330÷42≒8と暗算でも算出可能。
(A)で5.4→5と小さく近似したため、バランスをとるため(B)では28→30と大きく近似している。
5択の計算問題で、選択肢同士が離れている場合、近似をうまく活用して、時間短縮を狙える。

一般的に2単位の輸血でHbが1上昇する、という有名事項があり、
それを用いれば、5.4+2=7.4くらいに上昇するのではないか、
すなわちaかbが正解ではないか、と事前に当たりをつけることもできる。
が、今回のケースでは7.4を四捨五入すると、7となってしまい、誤答となるので注意。
もともとのHbが低すぎるため、1単位あたりの輸血の効果が強力に現れていると解釈できる。


109E65

解答: d

109E65の解説

前問での予想は8であったのが、実際のHbは6までしか上昇しなかったという。
つまり、強い出血が持続しているのだ。その強い出血はどこからきているのであろうか。

a~c・e それぞれ単独で出血はみない。
d 正しい。
骨盤内には主幹動脈や静脈叢が豊富にあり、骨盤骨折では強い出血をみやすい。



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2018/09/02 11:31 総合診療・救急・症候学 TB(-) CM(0)
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