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国試模擬試験問題(テコム)
嚥下障害が顕著に認められるのはどれか。
A 食道憩室
B アカラシア
C 食道静脈瘤
D 逆流性食道炎
E Mallory-Weiss症候群
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解答嚥下障害が顕著に認められるのはどれか。
A 食道憩室
B アカラシア
C 食道静脈瘤
D 逆流性食道炎
E Mallory-Weiss症候群
正解 B 「アカラシア」【アプローチ】
厳密にいえば、選択肢すべてにおいて嚥下障害の可能性はあるが、
病態として最も生じ得るのはどれかを考える。
逆にいえば、嚥下障害を主訴とする場合の、鑑別疾患の優先順位にもつながる。
【選択的考察】
A 食道憩室(×):
筋層を欠く仮性憩室(Zenker憩室など)と筋層を有する真性憩室(Rokitansky憩室など)に分類されるが、
通常は無症状である。憩室炎を起こすと、胸部違和感(特に胸骨後部痛)を訴えることがある。
B アカラシア(○):食道下部平滑筋層内の神経叢細胞の変性・消失により、
食道の機能的蠕動運動ができなくなる疾患であり、
主症状は嚥下障害(特に冷たい流動物で顕著)である。
非常に長く、慢性の経過を取ることが多い。
C 食道静脈瘤(×):
静脈瘤破裂による吐血が主症状であり、根本的な原因である門脈圧亢進症状(その多くが肝硬変)、
高アンモニア血症などの症状がみられることが多い。
D 逆流性食道炎(×):
胃酸の逆流によって食道に炎症が起きているのが病態である。
重症例では嚥下障害を生じるが、通常は食後の胸やけや胸部違和感が主症状である。
E Mallory-Weiss症候群(×):
腹腔内圧の上昇により、粘膜下層に至る裂創による出血が原因である。
吐血(新鮮血)が主症状である。
【essential point】
食道疾患に多い症状(胸やけ・胸部違和感・嚥下障害・嘔気など)がどの疾患と
強く結び付いているか理解しておくとよい。
主症状が嚥下障害であるならば、アカラシアか進行している食道癌を特に疑う必要がある。
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