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医師国家試験のきちんとした解説 【コウメイ塾】
http://ishikokkashiken.com/ の引用です。

心室頻拍の病態

img93.gif
http://www.oralstudio.net/stepup/jisho/sakuin/E382B7/04921_12.php

コウメイ:正常なら心臓を動かす命令は洞結節から出て、

心房⇒房室結節⇒ヒス束⇒右脚・左脚⇒プルキンエ線維⇒心室

と伝わりますが、心室頻拍はこの命令が速いペースで心室から

出ている病気です。

心室頻拍の病態

 

学生C:心室細動も心室から命令が出ていますよね。

どう違うんですか?

 

 コウメイ:いい質問ですね。

そこが心電図を考える上で大事になってきます。

 

心室細動は心室の至るところで命令が出ていますが、

心室頻拍は心室の1か所から一定のリズムで命令が出ています。

 

それではここまでの病態から、心電図はどのようになりそうか

考えてみましょう。

 

 学生C:心室が速いペースで収縮するのでQRS波がたくさん見られそうです。

 

 コウメイ:その通りです。

 


一方、心房は洞結節からの命令で収縮しているので、

正常なP波が見られそうですが、たくさん存在するQRS波と

重なって、どこにあるか分からなくなります。

結局、QRS波のみが見られる心電図になります。

 

ここまでは大丈夫ですか?

 

 学生C:はい、大丈夫です。

 

 コウメイ:次にどのようなQRS波になるか考えてみましょう。

 

 学生C:「どのような」って、QRS波にいくつか種類が

あるんですか?

 

 コウメイ:はい。QRS波には「幅の狭いQRS波」と、

「幅の広いQRS波」の2種類があります。

 

 

幅の狭いQRS波と幅の広いQRS波

コウメイ:正常な命令は洞結節から出て、

心房⇒房室結節⇒ヒス束⇒右脚・左脚⇒プルキンエ線維⇒心室

と伝わるのは何度か説明しました。

 

この経路は命令専用なので、めちゃくちゃ速いです。

 

ところで、QRS波は心室に命令が伝わることを意味するのでしたよね。

よって、心室が素早く収縮すると、QRS波が見られる時間も短くなります。

つまりQRS幅が狭くなります。これが正常です。

狭いQRS波

 

 

一方、心室頻拍は心室のある部分から命令が出て、

心室の一部⇒心室の一部⇒心室の一部⇒心室の一部

と伝わります。

心室頻拍の病態

心室は収縮するのが主の目的であり、本来命令を伝えるものでは

ありません。ですので、命令の伝わりはゆっくりです。

 

命令の伝わりがゆっくりだと、全ての心室に命令が

伝わるのに時間がかかります。

その結果、QRS波が見られる時間は長くなります。

つまりQRS幅が広くなります。こちらは異常です。

広いQRS波

 

 

QRS幅の狭い、広いの基準

学生C:QRS波には狭い、広いの2種類があることと、

そのメカニズムは分かりました。

ところで、QRS幅が狭い、広いの基準ってどうなっているんですか?

 

 

コウメイ:よい質問ですね。前に説明したように、正常値は

とりあえず全て覚えるのではなく、今回のように疑問に思ったり、

必要になったときに覚えるのがいいです。

 

心電図をよ〜く見るとマス目がかいてあります。

このマス目3個未満が狭い3個以上が広いとなります。

※マス目が2.9個、3.0個、3.1個など微妙なものは出てきませんので、

境界についてあまり神経質になる必要はありません。

 

 

心室頻拍の心電図

コウメイ:今までの説明をまとめると、心室頻拍の心電図は

 

・幅の広い(マス目3個以上)QRS波が

・一定のペースで

・たくさん見られる

 

のが特徴となり、下のようになります。

心室頻拍の心電図

 

 学生C:なるほど、こういう機序であのような心電図に

なるのですね。

 

 コウメイ:はい。心電図所見は覚えるものではなく、

病態から考えるものと言ってきた意味が分かってきた

でしょうか?

 

 学生C:何となく分かってきた気がします。

早く他の病気についても病態から心電図所見を

考えられるようになりたいです!!

 

 

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2015/09/17 23:14 循環器 TB(-) CM(0)
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