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糖原病関係の問題、集めてみました。

https://medu4.com/ から


1)100A56
4歳の女児。低身長と腹部膨満とを主訴に来院した。
新生児期には、夜間に頻回の哺乳を必要とし、
最近は空腹を訴えることが多い。
精神運動発達は正常である。
低身長(-4SD)と肝腫大とを認める。
血清生化学所見:空腹時血糖35mg/dL、尿酸11mg/dL、
トリグリセライド1,015mg/dL、乳酸85mg/dL(基準5~20)。

考えられるのはどれか。

a ケトン性低血糖症
b ムコ多糖症III型
c 下垂体性小人症
d 1型糖尿病
e 糖原病I型


2)109D47
4歳の女児。
「朝起きたときから、ぼーっとしている」と心配した母親に連れられて来院した。
前日は遠足で疲れて夕食を食べずに寝てしまった。
今朝母親が何度起こしても、うとうとして起きなかったため受診した。
これまでも似たようなエピソードはあったが、
食後に元気になったのでそのままにしていた。
意識レベルはJCS I-3。
身長100cm、体重14kg。
体温36.1℃。脈拍124/分、整。血圧90/56mmHg。
呼吸数36/分。SpO2 98%(room air)。
心音と呼吸音とに異常を認めない。
腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
尿所見:蛋白(−)、糖(−)、ケトン体3+、潜血(−)。
血液所見:赤血球420万、Hb 12.5g/dL、Ht 41%、白血球11,000、血小板35万。
血液生化学所見:総蛋白7.5g/dL、AST 26IU/L、ALT 14IU/L、
尿素窒素15mg/dL、クレアチニン0.3mg/dL、
血糖30mg/dL、Na 140mEq/L、K 5.1mEq/L、Cl 96mEq/L。

考えられる疾患はどれか。


a てんかん
b 1型糖尿病
c von Gierke病
d 起立性調節障害
e ケトン性低血糖症


解答:MOREへ

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解答

1)100A56
4歳の女児。低身長と腹部膨満とを主訴に来院した。
新生児期には、夜間に頻回の哺乳を必要とし、
最近は空腹を訴えることが多い。
精神運動発達は正常である。
低身長(-4SD)と肝腫大とを認める。
血清生化学所見:空腹時血糖35mg/dL、尿酸11mg/dL、
トリグリセライド1,015mg/dL、乳酸85mg/dL(基準5~20)。

考えられるのはどれか。

a ケトン性低血糖症
b ムコ多糖症III型
c 下垂体性小人症
d 1型糖尿病
e 糖原病I型

解答: e

100A56の解説

4歳女児の低身長と腹部膨満(肝腫大)。
低血糖、高尿酸血症、高トリグリセリド血症、高乳酸血症、
といったキーワードからは糖原病I型〈von Gierke病〉を思い浮かべたい。

a ケトン性低血糖症では低血糖とケトン体陽性をみるも、尿酸や乳酸・トリグリセリドに変化はみない。

b ムコ多糖症III型では低身長をみない(とのことだが、正直この病態は本項執筆者も覚えていない。
  レア疾患であるため意欲的な方を除いてスルーでよいと思われる)。

c 下垂体性小人症では下垂体ホルモンの低下をみるも、尿酸や乳酸・トリグリセリドに変化はみない。

d 1型糖尿病ではむしろ高血糖となる。

 正しい。上記の通り。


2)109D47
4歳の女児。
「朝起きたときから、ぼーっとしている」と心配した母親に連れられて来院した。
前日は遠足で疲れて夕食を食べずに寝てしまった。
今朝母親が何度起こしても、うとうとして起きなかったため受診した。
これまでも似たようなエピソードはあったが、
食後に元気になったのでそのままにしていた。
意識レベルはJCS I-3。
身長100cm、体重14kg。
体温36.1℃。脈拍124/分、整。血圧90/56mmHg。
呼吸数36/分。SpO2 98%(room air)。
心音と呼吸音とに異常を認めない。
腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
尿所見:蛋白(−)、糖(−)、ケトン体3+、潜血(−)。
血液所見:赤血球420万、Hb 12.5g/dL、Ht 41%、白血球11,000、血小板35万。
血液生化学所見:総蛋白7.5g/dL、AST 26IU/L、ALT 14IU/L、
尿素窒素15mg/dL、クレアチニン0.3mg/dL、
血糖30mg/dL、Na 140mEq/L、K 5.1mEq/L、Cl 96mEq/L。
考えられる疾患はどれか。


a てんかん
b 1型糖尿病
c von Gierke病
d 起立性調節障害
e ケトン性低血糖症


解答: e

109D47の解説
ケトン体が強陽性で、かつ血糖値も低い。ケトン性低血糖が考えやすい。
鑑別の対象となるアセトン血性嘔吐症〈周期性嘔吐症〉も好発年齢(2~10歳)が重複するが、
こちらでは低血糖をみない。

a てんかん発作の一環として「ぼーっとしている」こともあるが、尿所見や血液所見が説明できない。

b 糖尿病であれば高血糖となる(血糖降下薬を服用していない場合)。

c von Gierke病〈糖原病1型〉でも低血糖発作をみるが、低身長や肝腫大がみられるはず(4歳児の平均身長は100cm程度)。

d 小学生以降に多い。立ちくらみをみる。尿所見や血液所見が説明できない。

e 正しい。上記の通り。


医師国試ではI型のvon Gierkeしか出ないのでしょうか?

他の糖原病を下に示す。
病型病名主に侵す原因遺伝子特徴的な症状
0型筋肉glycogen syntase欠損運動時失神 運動不耐
I型von Gierke病肝臓G6Pase欠損低身長   人形様顔貌   高脂血症   高乳酸血症
II型Pompe病全身α1,4glucosidase欠損心肥大 筋力低下 肝腫大
III型Cori病肝・筋debranching enzyme欠損  肝腫大 筋力低下
IV型Andersen病肝・筋branching enzyme欠損新生児低血圧 肝硬変 心筋障害
V型McArdle病筋肉筋型phosphorylase欠損筋力低下
VI型Hers病肝臓肝型phosphorylase欠損肝硬変 低血糖
VII型Tarui病筋肉PFKase欠損筋力低下   溶血
IX型肝・筋phosphorylase kinase欠損
PGK欠損症筋・大脳phosphoglycerate kinase欠損運動不耐 筋痛・筋硬直 横紋筋融解症 知的障害 てんかん 進行性筋力低下
X型筋肉phosphoglycerate mutase欠損運動不耐  筋痛・筋硬直  横紋筋融解症
XI型Kannno病筋肉lactate dehydrogenase欠損運動不耐  筋痛・筋硬直  横紋筋融解症
XII型筋肉aldolase欠損運動不耐 筋痛・筋硬直 横紋筋融解症 黄疸 発達遅滞
XIII型筋肉enolase欠損運動不耐  筋痛・筋硬直  横紋筋融解症
XIV型筋肉phosphoglucomutase欠損運動不耐 筋痛・筋硬直 横紋筋融解症 糖鎖修飾異常
XV型筋肉glycogenin 1欠損筋力低下 不整脈

Wikipedia から

なお、YouTubeに覚え方がありましたが、
参考まで。

tougen oboe 

https://www.youtube.com/watch?v=qU-5OFrK6EU

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