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https://www.abclawcenters.com/blog/2013/03/25/delayed-treatment-of-infant-seizures-123638/


112C33
生後2時間の新生児。
在胎40週0日、出生体重2,000g、Apgarスコア8点(1分)、8点(5分)で出生した。
生後2時間で四肢を小刻みに震わせることが頻回にあった。
体温36.5℃。心拍数120/分、整。呼吸数40/分。
下肢のSpO2 98%(room air)。
大泉門は平坦。
心雑音を聴取せず、呼吸音に異常を認めない。
筋緊張は正常で、Moro反射と吸啜反射とを正常に認める。
出生後は排尿を認めていない。

直ちに行うべき検査はどれか。

a 血糖測定
b 心エコー検査
c 血液ガス分析
d 血清ビリルビン測定
e 胸腹部エックス線撮影


解答:MOREへ



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解答

生後2時間の新生児。
在胎40週0日、出生体重2,000g、Apgarスコア8点(1分)、8点(5分)で出生した。
生後2時間で四肢を小刻みに震わせることが頻回にあった。
体温36.5℃。心拍数120/分、整。呼吸数40/分。
下肢のSpO2 98%(room air)。
大泉門は平坦。
心雑音を聴取せず、呼吸音に異常を認めない。
筋緊張は正常で、Moro反射と吸啜反射とを正常に認める。
出生後は排尿を認めていない。

直ちに行うべき検査はどれか。

a 血糖測定
b 心エコー検査
c 血液ガス分析
d 血清ビリルビン測定
e 胸腹部エックス線撮影

解答: a

112C33の解説

出生直後の新生児(出生体重2,000gと低出生)にみられた四肢の小刻みな震え。
この他に病的所見は記載がない。さて、真っ先に何を考えるべきか。

a 正しい。低出生体重児は肝を代表とする糖を貯蔵する臓器が未熟である。そのため、低血糖となりやすい。四肢の震えは低血糖の徴候として押さえておくべき。
b 先天性心疾患を疑った場合に実施する。
c 酸塩基平衡や酸素・二酸化炭素の異常を疑った場合に実施する。
d 高ビリルビン血症を疑った場合に実施する。
e 胸腹部臓器のエックス線で判明するような粗大な異常を疑った場合に実施する。


正答率:80.5%


新生児痙攣

痙攣発作は正期産児の最大1.4%,未熟児の20%で発生する。
痙攣発作は新生児期の重篤な問題に関連している可能性があり,直ちに評価を行う必要がある。
ほとんどの新生児痙攣は焦点性であるが,これはおそらく,
髄鞘形成を欠くことと脳の樹状突起やシナプスの形成が不完全であることより,
新生児では電気活動の汎化が阻害されるためと考えられる。

痙攣または脳症の他の症状(例,活動性低下,反応性の低下)の評価のために脳波検査を受ける新生児において,
臨床的には無症状の発作が発見されることがある
(脳波検査では20秒以上に及ぶてんかん様の律動的な電気活動がみられるが,
臨床的に目に見える形での痙攣活動はみられない)。
ときに,臨床的に無症状の電気活動が20分以上続くことがあり,その時点で,電気的てんかん重積状態と定義される。

病因

中枢神経系の異常放電は以下によって起こりうる:

  • 頭蓋内に生じる原発性の病態(例,髄膜炎,虚血性脳卒中,脳炎,頭蓋内出血,腫瘍,奇形)

  • 全身性の病態(例,低酸素虚血,低血糖,低カルシウム血症,低ナトリウム血症,その他の代謝異常)

通常,頭蓋内の異常により生じた痙攣発作を臨床的特徴(例,焦点性か全般性か)のみで
全身性の問題による痙攣と鑑別することは不可能である。

低酸素虚血は,新生児痙攣の原因として最も頻度の高いものであり,分娩前,分娩中,または分娩後に起こりうる。
このような発作は重度で治療困難となりうるが,3~4日ほどで軽快する傾向にある。

虚血性脳卒中は,赤血球増多,遺伝性疾患による血栓形成傾向,または重度低血圧がみられる新生児でより
発生する可能性が高いが,危険因子がない新生児でも起こりうる。
脳卒中は典型的には中大脳動脈領域で起こるが,低血圧と関連している場合は分水嶺領域で発生する。
脳卒中から生じる痙攣は焦点性となる傾向があり,無呼吸を引き起こすことがある。

髄膜炎や敗血症などの感染症から痙攣発作が惹起されることもあり,そのような場合は通常,他の症状および徴候を伴う。
新生児におけるそのような感染症の一般的な原因はB群レンサ球菌とグラム陰性細菌である。
サイトメガロウイルス,単純ヘルペスウイルス,風疹ウイルス,梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum),
または Toxoplasma gondiiによる脳炎でも痙攣が発生することがある。

低血糖は,糖尿病母体の新生児,在胎不当軽小児,低酸素虚血,またはその他のストレスを受けた新生児によくみられる。
低血糖による痙攣発作は焦点性かつ変動性の傾向がある。
遷延性または反復性の低血糖は,中枢神経系に永続的な影響を及ぼすことがある。

頭蓋内出血(くも膜下出血,脳内出血,脳室内出血など)が痙攣発作を惹起することもある。
脳室内出血は,未熟児により多く起こるが,胚芽層(脳室に隣接する領域で,そこから発達の過程で
ニューロンや神経膠細胞が発生する)での出血に端を発する。

高ナトリウム血症または低ナトリウム血症が痙攣発作の原因となることもある。
高ナトリウム血症は経口または経静脈的なNaClの偶発的な過剰摂取により起こりうる。
低ナトリウム血症は,希釈(あまりに多量の水が経口または経静脈的に投与された場合)
または便中または尿中へのNa喪失によって起こりうる。

低カルシウム血症(血清Ca濃度7.5mg/dL[1.87mmol/L]未満)は,
通常は血清P濃度が3mg/dL(0.95mmol/L)を超え,無症候性のことがある。
低カルシウム血症の危険因子には未熟性や難産などがある。

低マグネシウム血症は痙攣発作のまれな原因の1つであるが,
血清Mg値が1.4mEq/L(0.7mmol/L)を下回ると発作が発生するようになる。
低マグネシウム血症は,しばしば低カルシウム血症とともに発生するため,
低カルシウム血症の新生児において十分なCa投与後も痙攣発作が続く場合は,これを考慮すべきである。

先天性代謝異常症(例,アミノ酸尿症,有機酸尿症)も新生児痙攣の原因となりうる。
まれに,ピリドキシン欠乏症または依存症が痙攣発作の原因となることがあり,その場合は容易に治療できる。

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