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これは、整形専門医レベルですが、ざーと目を通して下さい。

問題

75歳の女性。
右大腿部痛を主訴に来院した。
理学的には、右大腿部には熱感、腫脹、発赤は認めない。
また、神経学的には明らかな感覚運動障害はなく、
坐骨神経部の圧痛 (Valleix sign)も認めない。
4年前から骨粗鬆症に対しビスフォネート製剤が投与。
また、2年前から腰部脊柱管狭窄症に対しPGE1製剤服用中。
他に高血圧に対して降圧剤も服用中。
血液・生化学検査で、軽度の貧血を認めるが白血球数は正常。
CRPは上限値であった。
悪性腫瘍の治療歴はない。

本患者の大腿骨XPを下に示す。

stress20fx20(therapilates_files_wordpress_com).jpg

本患者につき、正しい記述はどれか。
全て選べ。


a 骨転移が最も疑われる。
b 良性骨腫瘍の疑いにて経過を観察する。
c ビスフォネート製剤を中止する。
d 腰部脊柱管狭窄症の急性悪化である。
e 大腿骨骨折を起こしえる。
f 急性骨髄炎が疑われる。


解答:MOREへ


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解答

75歳の女性。
右大腿部痛を主訴に来院した。
理学的には、右大腿部には熱感、腫脹、発赤は認めない。
また、神経学的には明らかな感覚運動障害はなく、
坐骨神経部の圧痛 (Valleix sign)も認めない。
4年前から骨粗鬆症に対しビスフォネート製剤が投与。
また、2年前から腰部脊柱管狭窄症に対しPGE1製剤服用中。
他に高血圧に対して降圧剤も服用中。
血液・生化学検査で、軽度の貧血を認めるが白血球数は正常。
CRPは上限値であった。
悪性腫瘍の治療歴はない。

本患者の大腿骨XPを下に示す。

stress20fx20(therapilates_files_wordpress_com).jpg
https://www.orthobullets.com/basic-science/9058/bisphosphonates から引用

本患者につき、正しい記述はどれか。
全て選べ。

a 骨転移が最も疑われる。
b 良性骨腫瘍の疑いにて経過を観察する。
c ビスフォネート製剤を中止する。
d 腰部脊柱管狭窄症の急性悪化である。
e 大腿骨骨折を起こしえる。
f 急性骨髄炎が疑われる。

正解 ce

非常に珍しいが、Bis剤による骨代謝異常によって、
高齢者でよくみられる股関節部ではなく、
大腿骨転子下や骨幹部に骨折を起こすことがある。

非定形大腿骨骨折 atipcal femoral fracture AFFと呼ばれる。

この骨折を生じる前に本問題XPでみられるようなbeak状の骨肥厚像を認めることがある。
そして、前駆症状として大腿部痛を訴えるcaseが多い。

下に非定形大腿骨骨折例を示す。

12891_2016_1086_Fig1_HTML.gif 
https://link.springer.com/article/10.1186/s12891-016-1086-8

Bis剤はosteoclastの活性を抑制し、骨代謝回転を遅らせる。
この効果により骨質が変化して、このような骨折が起こるとも考えられるが、
明らかな原因は明らかではない。
骨の外側凸変形も原因ともいわれる。

ただ、Bis剤によりこのような骨折が起こりえることは記憶にとどめるべきだろう。

従って、ceが正解。
ただし、Bis剤を中止しても非定形骨折が予防出来るか否かは疑問ではあるが。


他の選択肢

a 骨転移が最も疑われる。
malignacy既往歴はない。
X線でもこのようなbeak像ではなく骨溶解や明らかな骨硬化像であろう。

b 良性骨腫瘍の疑いにて経過を観察する。
微妙ではあるが、Bis関連の骨折の診断で×。

d 腰部脊柱管狭窄症の急性悪化である。
神経学的に下肢神経症状の悪化サインはない。

f 急性骨髄炎が疑われる。
血液検査で炎症性変化はないので否定的。
ただし、慢性骨髄炎が選択肢であれば、Garre骨髄炎との鑑別は微妙である。




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