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m3comクイズを口腔外科版に改編
写真や症例の文面はすべて変えてあります。

問題

75歳、男性。2カ月前に下図のように口唇が腫れ、
その後、口腔内に病変が拡大した。
某皮膚科で精査・加療を受けたが難治であり、
発声・摂食不良となってきたため当口腔外科を受診。
ニコルスキー現象は陽性。
なお、体幹、四肢には明らかな皮膚病変はなかった。
ステロイド投与によく反応した。
次のうち、診断に結びつく可能性が最も高い検査はどれか?
1つ選べ。


Pemphigus_vulgaris_oral_high_ja.jpg

A Tzanck試験
B KOH直接鏡検
C 抗BP180抗体
D 金属パッチテスト
E 抗デスモグレイン1抗体
F 抗デスモグレイン3抗体



解答:MOREへ

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解答

75歳、男性。2カ月前に下図のように口唇が腫れ、
その後、口腔内に病変が拡大した。
某内科clinicで精査・加療を受けたが難治であり、
発声・摂食不良となってきたため当口腔外科を受診。
ニコルスキー現象は陽性。
なお、体幹、四肢には明らかな皮膚病変はなかった。
ステロイド投与によく反応した。
次のうち、診断に結びつく可能性が最も高い検査はどれか?
1つ選べ。

Pemphigus_vulgaris_oral_high_ja.jpg
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ の一部から引用

A Tzanck試験
B KOH直接鏡検
C 抗BP180抗体
D 金属パッチテスト
E 抗デスモグレイン1抗体
F 抗デスモグレイン3抗体

正解 F


臨床所見は、下口唇に白色偽膜を付着した難治性のびらん、潰瘍がみられる。
また、発声・摂食不良があることより、
口腔内、咽喉頭、声帯に広く有痛性病変が拡大していることが伺える。

ステロイドによく反応。
ニコルスキー現象は陽性であることから

本例は、「尋常性天疱瘡」の典型例である。
類天疱瘡ではない。

臨床的に天疱瘡を疑った場合に診断に有用な検査は、
天疱瘡抗原に対する自己抗体である
抗デスモグレイン(desmoglein,Dsg)1 IgG抗体
および抗Dsg3 IgG抗体の測定である。

これは採血のみで血清学的診断が可能であるため、
診療科を問わず施行できる点で優れている。
抗Dsg抗体が陽性となった場合には、さらなる検査が必要であるため、
基幹病院皮膚科専門医へ紹介する。

抗Dsg抗体の大まかな解釈法を知っておくと良い。

「抗Dsg1抗体」は“皮膚病変”、

「抗Dsg3抗体」は“粘膜病変”


を反映している。

つまり、
抗Dsg1抗体のみが検出されれば落葉状(皮膚型)天疱瘡、

抗Dsg3抗体のみが検出されれば粘膜優位型尋常性天疱瘡、

抗Dsg1抗体と抗Dsg3抗体の両方とも検出されれば粘膜皮膚型尋常性天疱瘡

と血清学的に診断する。

そして、臨床所見と抗Dsg抗体を照らし合わせることにより、症例ごとの病態が見えてくる。

本例では、どちらかといえば粘膜優位型と判断して、
F 抗デスモグレイン3抗体を正解とした。

粘膜以外の皮膚にも水疱があれば、
EFの2つが正解となるであろう。


A Tzanck試験

ツァンク細胞を探すために、小水疱を擦過して採取する試験である。
ツァンク細胞(多核巨細胞)は、以下の疾患で見られる。

単純疱疹
水痘と帯状疱疹
天疱瘡
サイトメガロウイルス
で、天疱瘡は含まれるが、水疱病変の鑑別には使えない。

(Wikipedia改編)

Tzanck test

を参照


B KOH直接鏡検
カンジダなど真菌関係ではない。
真菌ではステロイドで逆に病変が拡大するでしょう。

C 抗BP180抗体
類天疱瘡の検査。

D 金属パッチテスト
金属allergyについての記載はない。




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