スポンサーリンク 義歯作成時における残根の取り扱い(106D-25、107B-33) - 医療関係資格試験マニア
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歯科医師国家試験 臨床問題を熱く語るブログ 記事からの引用改編です。
2014年05月27日配信)

上記ブログの管理人が2014年に東北大学歯学部でのセミナーを行ったようです。
その折に解説した第107回 B-33と106D-25についての記事だそうです。
記事名:【補綴(義歯)】残根の取り扱い(第106回Dー25)



では、問題。


107B-33
67歳の女性。
咀嚼時の上下顎義歯床下粘膜の疼痛を主訴として来院した。
義歯は2年前に装着し、その後臼歯部補綴処置に伴い
修理と調整を重ねていたという。
現在の義歯を修理して暫間義歯として使用することとした。
義歯装着時と義歯撤去時の口腔内写真を別に示す。
主訴を改善するための適切な処置はどれか。2つ選べ。

a 人工歯の交換
b 義歯床の拡大
c レストの追加
d 咬合高径の挙上
e パラタルバーの追加



t02200371_0315053112935860105.jpg 
               義歯装着時

107b-33 b
              義歯撤去時

106D-25
75歳の女性。義歯の新製を希望して来院した。
1か月前に下顎前歯部ブリッジが脱離し、
義歯が使用できなくなったという。
全身疾患の既往歴はない。
義歯を新製することとした。
初診時の口内写真別冊No. 25Aと
エックス線写真別冊No.25Bとを別に示す。
下顎義歯製作のための前処置として適切なのはどれか。
2つ選べ。

a 小帯切除
b 歯槽堤形成
c 残根の抜歯
d 下顎隆起切除
e 義歯性線維腫切除

106D-25.jpg
25A

106D-25b.jpg 
25B



解説:MOREへ

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解説

107B-33
67歳の女性。
咀嚼時の上下顎義歯床下粘膜の疼痛を主訴として来院した。
義歯は2年前に装着し、その後臼歯部補綴処置に伴い修理と
調整を重ねていたという。
現在の義歯を修理して暫間義歯として使用することとした。
義歯装着時と義歯撤去時の口腔内写真を別に示す。
主訴を改善するための適切な処置はどれか。2つ選べ。

a 人工歯の交換
b 義歯床の拡大
c レストの追加

d 咬合高径の挙上
e パラタルバーの追加

t02200371_0315053112935860105.jpg 

107b-33 b 

正解:BC


このセミナーで、

「左上2番は残根なので、上顎のPDは残根上の義歯となっている」

という説明をしたところ、
セミナー後に106D-25について質問を受けたようです。。

106D-25
75歳の女性。義歯の新製を希望して来院した。
1か月前に下顎前歯部ブリッジが脱離し、
義歯が使用できなくなったという。
全身疾患の既往歴はない。
義歯を新製することとした。
初診時の口内写真別冊No. 25Aと
エックス線写真別冊No.25Bとを別に示す。
下顎義歯製作のための前処置として適切なのはどれか。2つ選べ。

a 小帯切除
b 歯槽堤形成
c 残根の抜歯
d 下顎隆起切除
e 義歯性線維腫切除

106D-25.jpg
25A

106D-25b.jpg 
25B



質問の内容は、

「第106回 Dー25の公式解答はcとdだが、
残根を抜歯せずに残根上義歯にできないのでしょうか??」


というものでした。

臨床実地問題を解答する上で、よい質問だと思いました。
受験生の皆様の参考になると思いますので、ブログで紹介します。

結論から言いますと、106D-25の症例の残根では、「残根上義歯」にはできません。

第106回 Dー25の口腔内写真を見ますと、残根が存在していることがわかります。

しかし、残根は歯肉に覆われています。
残根の色や形状を見ると、残根の表面に齲蝕象牙質(軟化象牙質)が多量に存在していると推測できます。

与えられているパノラマX線写真を見ると残根が歯肉に覆われており、
齲蝕の影響なのか、残根の形態がはっきりしません(そもそもパノラマX線写真が不鮮明なんですが)。

したがいまして、

このような状態の残根を保存して、残根上義歯とすることは日常臨床ではやりません。

よって、公式解答に違和感はありません・・・

というのが質問への回答となります。

残根上義歯は日常臨床では比較的多く用いられる方法ですが、
残根をなんでもかんでも保存しているというわけではありません
ので、注意してください。

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2015/09/20 22:57 全部床 TB(-) CM(0)
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