舌咽神経痛痛みと鎮痛の基礎知識:
www.shiga-med.ac.jp/~koyama/analgesia/pain-neuralgia.html#glossopharyngeal
から転用改編
舌咽神経痛の支配領域(咽喉後部、扁桃、舌背、中耳)に起こる
反復性の激痛発作、発作性神経痛である。
舌咽神経痛の罹患頻度は、
三叉神経痛の100例に対して1例とされる比較的希な疾患である。
舌咽神経痛は発症年齢が
50歳代に多く、
発症頻度は
男性よりも女性に多い。
三叉神経痛と違って右側よりも左側に好発する。
三叉神経痛と同様に発作の増悪期と寛解期を繰り返すが、
寛解期は三叉神経痛に比べて長い。
メカニズムは三叉神経痛と同じと考えられて、
小脳橋角部において神経根に対する
動脈の圧迫によって引き起こされる神経病変によるとされている。
下図は三叉神経痛の外科手術と同様な手術法
dr-fukushima.com/brain-disease/explanation_04 から
舌咽神経痛は、
耳・耳下部や咽頭・喉頭部に起こる発作性の電撃痛様を主訴とする。
発作は食物の嚥下時などに誘発されるが、
時に第3枝の三叉神経痛では食物を含んだときに起こるのに対して、
舌咽神経痛では夜間によく起こることなどがある。
舌咽神経痛のトリガーポイントは顔面にはなく、
口蓋扁桃や耳珠にある。
(三叉神経痛;Valleix圧痛点)
ときに
高度の徐脈、心停止および血圧低下による失神発作を合併する。
国際頭痛分類第2版(ICHD-II) 13.2 診断基準:A. 数分の1秒〜2分間にわたり持続する発作性の顔面痛で、BおよびCを満たす
B. 痛みは次の特徴をすべて有する
・
片側性 ・舌後部、扁桃窩、咽頭または下顎角直下の領域または
耳のいずれか1つ 以上に分布する
・鋭く、刺すような痛みで激烈 ・
嚥下、咀嚼、会話、咳または あくび の
いずれか1つ以上により発生する
C. 発作は個々の患者で定型化する
D. 臨床的に明白な神経障害は存在しない
E. その他の疾患によらない
治療:
三叉神経痛と同様に
カルバパゼピン、プレガバリン、
ガバペンチンが有効。
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