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Denture関係の2題(108回歯科国試問題から)
歯科医師国家試験 臨床問題を熱く語るブログ: 【補綴系】義歯2連発 (2015年09月09日 配信) から引用改編。 1)108C-87 上顎部分床義歯の写真(別冊No. 16A)と 義歯装着時と義歯撤去時の口腔内写真 (別冊No. 16B)を別に示す。 矢印で示す支台装置が防止するのはどれか。2 つ選べ。 a 左下7 支台装置の離脱 b 右上3 支台装置の離脱 c 右上8 支台装置の離脱 d 2 〜6 義歯床の回転沈下 e 2 〜6 義歯床の浮き上がり ![]() ![]() 2)108C-110 半調節性咬合器を用いた全部床義歯製作過程 のある操作の写真(別冊No. 21A、B、C)を別に示す。 次に行うのはどれか。1 つ選べ。 a 人工歯排列 b 再咬合採得 c チェックバイト d 下顎作業模型の咬合器再装着 e 上顎作業模型の咬合器再装着 ![]() 解答:MOREへ スポンサーリンク 今回は義歯2連題! 今回紹介する2問はどちらも第108回の問題です。 正答率がそれぞれ約40%、約60% だった問題です。 第108回国試で受験生間に差がついた問題でした。 よく理解しておいていただきたい問題だそうです。 まず108C-87です。 1)108C-87 上顎部分床義歯の写真(別冊No. 16A)と 義歯装着時と義歯撤去時の口腔内写真 (別冊No. 16B)を別に示す。 矢印で示す支台装置が防止するのはどれか。2 つ選べ。 a 左下7 支台装置の離脱 b 右上3 支台装置の離脱 c 右上8 支台装置の離脱 d 2 〜6 義歯床の回転沈下 e 2 〜6 義歯床の浮き上がり ![]() ![]() (コメント) ① 問題文中の「矢印で示す支台装置」は根面板です。 根面板とは、残根上に装着する補綴物です。 (注)根面板はルートキャップともいいます。 根面板を装着できない残根の場合には根面にCRを充填することもあります。 「残根を残す意味ってあるの?」 という疑問を持つ方もいらっしゃるかと思いますが、 残根を保存しておくメリットは2つ あります。 1)義歯のレストとして利用できる 2)歯槽骨吸収を予防できる 以上の2つが残根を保存しておくメリットです。 ② 重要なのは、 義歯のレストとして利用できる ということです。 歯科医師になって、実際に義歯の治療をするとよくわかりますが、 パーシャルデンチャーはレスト命です。 レストってとにかく大事なポイントなんです。 義歯が沈んでしまうと、なかなか痛みがとれません。 残根をレストにすることで沈み込みによる疼痛を 予防・緩和(除去)できます。 では、歯槽骨吸収を予防できる というのは、どういう意味でしょうか?? 歯を抜くと歯槽骨吸収が進行して、顎堤の形態が変化します。 歯が無くなると顎堤はどんどん吸収されていくので、 義歯の調整が非常に難しくなるわけです。 今回のケースでは前歯部(左上1番?)の残根を保存しているわけですが、 前歯部の歯槽骨吸収が進行すると顔貌にも影響しますので、できるだけ保存した方がよいということです。 (もちろん残根を保存できない場合もあるので、その場合には抜去しないといけません) ③ 本問の思考方法です。 残根があることで義歯の沈下を防止できるのですから、 選択肢d を一番最初に選んでほしいのです。 選択肢dが一番わかりやすい選択肢だったといえます。 ④さて、左上1番(?)の根面板で義歯の沈下が防止できるのですから、 左方向に義歯が沈下しずらくなります。 ということは、根面板と対角線上にある右上8番のクラスプが外れにくくなるということになるでしょう。 したがって、選択肢c を選ぶ・・・ということになります。 以上より 正解; c d です。 次に 108C-110を取り上げます。 2)108C-110 半調節性咬合器を用いた全部床義歯製作過程 のある操作の写真(別冊No. 21A、B、C)を別に示す。 次に行うのはどれか。1 つ選べ。 a 人工歯排列 b 再咬合採得 c チェックバイト d 下顎作業模型の咬合器再装着 e 上顎作業模型の咬合器再装着 ![]() 【コメント】 ①まず最初に念のため言っておきますが、選択肢d 選択肢e に「咬合器再装着」と書いてありますが、 この「咬合器再装着」は義歯重合後の咬合器再装着ではありません。 ②本問の状況は・・・ 垂直的顎間関係の記録は終了している ということです。 垂直的顎間関係の記録が終了しているので、 上下の作業用模型の垂直的位置関係は決定されている わけなんですね。 (注)垂直的顎間関係が決まっているから、ゴシックアーチ描記装置を作成できる。 でもね、水平的顎間関係の記録はまだ終わっていないんですよ。 水平的顎間関係を ゴシックアーチ チェックバイト を使って決めよう!!! 水平的顎間関係が決まると、 下顎作業模型の位置が決まるよね! だから、下顎作業模型をきちんと装着(=再装着)できるよね!!オオッ ということです。 (注)上顎作業模型の水平的位置関係はフェイスボウで既に決定されています(←これ、前提条件ね)。 したがって、 正解は d になります。 思考方法 思考過程 ロジック やっぱり重要です!! 前提条件が変化すると当然解答も変化するわけで・・・・ 過去問との相違点・類似点を考えることが大事です。 模試の復習はこのように研究して実行しましょう!! 長時間勉強しているのにもかかわらず成績が上がらない方は 問題の研究が不足しています。 医家の私には、よく分かりません。 正直、餅屋は餅屋ですね。
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