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先日、亡くなられた男優(歌手?)に
関係する問題。

私はこのtumorはよく知りませんでしたが、
国試ではよく出題されてるようです。


110I65

71歳の女性。人間ドックで異常を指摘されたため来院した。
半年前の人間ドックの内視鏡検査で胃体部に
直径約3.0cmの可動性良好な粘膜下腫瘍を指摘されたため受診した。
腹部CTで他臓器に病変は認めない。
腫瘍組織のH-E染色標本(A、B)、
KIT〈c-kit遺伝子産物〉(C)及び
CD 34に対する免疫組織化学染色標本(D)を別に示す。


thumb_110I-65A.jpg
A
110I-65B.jpg
B

thumb_110I-65C.jpg
C


thumb_110I-65D.jpg
D


治療として最も適切なのはどれか。

a 胃全摘術
b 放射線療法
c 抗癌化学療法
d 胃部分切除術
e Helicobacter pylori除菌治療


解答:MOREへ



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解答

正解 d

正答率:78%


胃体部の粘膜下腫瘍。
Aはよく分かりません。
B:腺構造はなく、spindle様の細胞が束状に並んでいる。間質性であることは分かる。
C:c-KIT陽性:GISTの9割がc-KIT陽性
D:CD34陽性

以上から、GIST:Gastrointestinal Stromal Tumorの診断。

我々の時代は、平滑筋肉腫として教えられたような気がする。

GIST:

粘膜の下に腫瘤状の病変を形成する粘膜下腫瘍の1つ。
消化管壁の筋肉の間にある神経叢に局在する
「カハールの介在細胞(Interstitial Cells of Cajal)」に分化する細胞から発生する。
「カハールの介在細胞」自体は、広く消化管に分布し、
消化管運動のリズムをつくったり、調節したりする大切な細胞。

GISTが発生する要因として、
細胞の増殖に関わるたんぱく質の異常があります。
主にKITまたはPDGFRΑと呼ばれるたんぱく質が関わっており、
これらのたんぱく質の異常はそれぞれ
c-KIT遺伝子、PDGFRΑ遺伝子の突然変異によって発生。

国立癌研究センター:ganjoho.jpから


各選択肢

a 胃全摘術
浸潤傾向はないため、胃全摘までは不要。

b 放射線療法
GISTに放射線治療は無効。

c 抗癌化学療法
切除不能な例や再発例においてイマチニブが用いられる。

d 胃部分切除術
正しい。本症例では切除可能と考えられるため、部分切除を行う。

e Helicobacter pylori除菌治療
ピロリ菌との関連はない。



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