様々な医療福祉関係の資格試験に挑むブログ
プロフィール

かず

Author:かず
某総合病院で日々、臨床で忙しい医師カズです。
各種医療職の資格試験問題に挑戦しつつ、資格を目指す方々を励ますブログです。
内容は、国内の医師、歯科、薬剤師、看護師国試など、さらには米国医師資格試験(USMLE)、米国歯科医師資格試験(NBDE)あたりの問題にも挑戦する予定です。
応援よろしくお願いいたします。

ブログ使用時の注意点:
PCビューで見ると、答えが隠れています。
解答を見る場合は、”MORE”ボタンをクリックして下さい。
スマホですと、全てが表示されてしまうので演習目的の場合はPCビューがお勧めです。

広告
カテゴリ
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学校・教育
12位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
3位
アクセスランキングを見る>>
楽天お勧め
楽天トラベル
ブロとも申請フォーム
google+1
m3comという医師専用サイトで出されていた臨床問題です。
設定と写真はオリジナルとは変えてあります。
解説も一部改編されています。

かなり難しいです。
まず、医師国試レベルでは問われないものと思われますが、
どうでしょうか?

では、問題です。

【症例】
最近手がこわばって指を伸ばしにくいと訴えて受診した、
糖尿病、高血圧症で通院中の74歳の男性。

【所見】
手指関節に圧痛、腫脹を認めない。
右手背~手指背側の皮膚が硬く、手指の伸展が制限され、
左右の手掌を合わせることができない。
指基部から手掌にかけて皮下結節、皮膚のひきつれを認めない。
爪上皮出血点を認めない。
HbA1C 8.3%、空腹時血糖160mg/mL、
抗核抗体陰性、抗セントロメア抗体陰性。

本患者の手の肉眼所見を下に示す。

thumb_515194_photo1.jpg


本患者の病態として、
最もふさわしいものは以下のうちどれか。
1つ選べ。

A 狭窄性屈筋腱腱鞘炎(ばね指)
B 全身性強皮症
C 糖尿病性浮腫性硬化症
D 糖尿病性手関節症


解説:MOREへ

関連記事(一部広告含む)


答えと解説


正解: D 糖尿病性手関節症


【一発診断】

糖尿病性手関節症
糖尿病患者にみられる手指・手背に限局した皮膚硬化で、
関節炎症状を伴わない関節可動域制限とprayer signが陽性であることから
糖尿病性手関節症と診断した。 


【疾患解説】 
・糖尿病性手関節症は、皮膚に限局性硬化をきたし、
 それによる関節の可動域制限をきたすものをいう。

・非酵素的糖化の亢進により、コラーゲンの架橋が増加することや
 微小血管障害の関与が原因といわれている1) 。

・1型・2型を問わず、糖尿病患者の8~50%(約30%)でみられる1)・2)・3) 。
 長期罹病患者に多い3) 。

本所見を認める場合、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症の合併率は50%といわれている2) 。
 微小血管障害を合併する危険性が3~4倍になることから4) 、
 微小血管障害の存在を知る身体所見として重要である。

・手背~手指背側の皮膚に光沢、肥厚、硬化を来たす(偽性強皮症)5) 。
 そのため関節の可動域が制限されて手指の伸展が困難となり、
 両側の手指と手掌を合わせることができなくなる(prayer sign)4) 。

・手指の屈曲も十分にできなくなるため1)・4) 、握力が低下する2) 。

・通常痛みを伴わないが1)、初期に知覚異常や軽度の痛みを認めることもある3) 。

・尺側指から出現し、橈側指に広がっていく4) 。

・手指・手掌をテーブルにつけることができない (tabletop test (下図)。

1830788.png 
Table top test
http://www.rheumatologynetwork.com/articles/limited-joint-mobility-diabetes-mellitus-clinical-implications


・レイノー現象、爪上皮出血点を認めない。

・超音波検査で、屈筋腱鞘と皮下組織の肥厚がみられる2) 。

・良好な血糖コントロールを行えば症状は改善・消失することもある1) 。

・消炎鎮痛薬の使用、ステロイドの局所注射、
 ストレッチなどの効果ははっきりわかっていない2) 。


【鑑別疾患】 選択肢の絞込み

糖尿病患者でよくみられる筋骨格系の疾患を挙げる3) 。
  (1)Dupuytren拘縮(20~63%)
  (2)癒着性滑液包炎(凍結肩)(11~30%)
  (3)手根管症候群(11~16%)
  (4)狭窄性屈筋腱腱鞘炎(ばね指)(11%)
  (5)びまん性特発性骨増殖症(13~49%)

A:ばね指
   snappingといった本疾患に特徴的なサインの記載はない。

B:全身性強皮症
  レイノー現象、爪上皮出血点を認める。
  抗核抗体、抗セントロメア抗体陽性
  から、PSSは否定。

C:糖尿病性浮腫性硬化症
   糖尿病歴が長く、治療抵抗性でコントロール不良の症例に合併しやすく、
   肥満・脂質異常症・高血圧を伴うことが多い。
   項部から上背部に指圧痕を残さない硬化局面が見られます。
   表面は常色で、触診で容易に境界明瞭な硬化性病変を認識できることが多いが、
   肉眼的に認識しがたいこともあり、あるいは腫瘤として認識されることもある。
   (http://shinagawaseasideclinic.com/skin/atoz/ta/tounyobyou.html より)
   下図に示すように、本病態は頚部から肩甲部におきる病態であるので、
   本例とは異なる。

   私は、これを選んでしまいました。
   ブログ読者も選ばれた方多いのでは? と思います。

20150310.jpg 



【ピットフォール】
・手のこわばりはリウマチ疾患だけではない。
・Dupuytren拘縮が共存していることもある 2) 。
・prayer signは糖尿病がない人(4~20%)、
 Dupuytren拘縮、手外傷歴のある患者でもみられる2) 。


【ワンポイント・アドバイス】
・糖尿病患者に手指・手背に限局した皮膚硬化、関節可動域制限、
 prayer sign陽性をみたら糖尿病性手関節症を疑う。

【参考文献】
1)Cherqaoui R et al:Diabetic cheiroarthropathy:
  a case report and review of the literature.
  Case Rep Endocrinol Epub 2013 May 15
2)Abate M,et al:Management of limited joint mobility in diabetic patients.
  Diabetes Metab Syndr Obes.6:197-207,2013
3)Smith LL et al:Musculoskeletal manifestations of diabetes mellitus.
  Br J Sports Med 37:30-35,2003
4)Pandey A et al:Prevalence of hand disorders in type 2 diabetes mellitus
  and its correlation with microvascular complications.
  Ann Med Health Sci Res.3:349-54,2013
5)Nashel J,Steen V:Scleroderma Mimics.
  Current Rheumatology Reports.14:39-46,2012



なお、本症例におけるprayer signを呈した手の写真:

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/stluke/201005/515194_3.html からの引用。

関連記事
2015/09/28 20:53 整形外科 TB(-) CM(0)
コメント















 管理者にだけ表示を許可する

アクセス数
検索フォーム
知りたい疾患や用語に関連するブログ記事を探すのに使ってください
スポンサーリンク
カレンダー
06 | 2018/07 | 08
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
リンク
医歯学などの勉強に有用なサイトを随時増やしていきます。 リンクサイトでアクセス出来ないものあれば、メールフォームで遠慮なく教えて下さい。
ブログランキングなど
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文: