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脳卒中後の予防的抗菌薬投与、肺炎を抑制せず/Lancet
Lalit Kalra, et al. Prophylactic antibiotics after acute stroke for reducing pneumonia in patients with dysphagia (STROKE-INF): a prospective, cluster-randomised, open-label, masked endpoint, controlled clinical trial. Lancet (London, England). 2015 Sep 3; pii: S0140-6736(15)00126-9. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26343840 CareNet (2015/09/28配信) ![]() https://www.theexpertinstitute.com/case-studies/aspiration-pneumonia-missed-by-medical-team/ 脳卒中ユニットで治療中の嚥下障害がある脳卒中後患者について、 予防的抗菌薬投与を行っても肺炎発症は抑制されず、 同治療は推奨できない とする見解を、 英国・キングス・カレッジ・ロンドンの Lalit Kalra氏らがクラスター無作為化試験の結果、報告した。 脳卒中後肺炎は、死亡の増大および機能的アウトカムの不良と関連している。 研究グループは、予防的抗菌薬の有効性を調べるため今回の検討を行ったが、 アルゴリズムに基づく発症率の補正後オッズ比は1.21であるなど、 肺炎の発症に有意な差は認められなかったという。 Lancet誌オンライン版2015年9月3日号掲載の報告。 方法: 2008年4月21日~2014年5月17日に、 48ヵ所の脳卒中ユニット(患者は全ユニット総計1,224例)を 2つの治療群(各群24ヵ所)に無作為に割り付けた。 無作為化後14日間を待たずに、11ユニットと患者7例が試験中止となった。 intention-to-treat解析には残る37ユニット1,217例の患者が組み込まれた 抗菌薬群:615例、対照群:602例 結果: 予防的抗菌薬投与は、 アルゴリズム定義の脳卒中後肺炎の発生に影響を及ぼさなかった。 発生率は、 抗菌薬群13%(71/564例) vs.対照群10%(52/524例)で、 周辺補正後オッズ比(OR)1.21(95%信頼区間[CI]:0.71~2.08、p=0.489)、 クラス内相関係数(ICC)0.06(95%CI:0.02~0.17)であった。 なお、アルゴリズム定義の脳卒中後肺炎は、 データ損失のため129例(10%)の患者について確認できなかった。 医師の診断に基づく脳卒中後肺炎の発生状況についても、両群間の差は認められなかった。 同発生率は、16%(101/615例) vs.15%(91/602例)で 、補正後OR:1.01(95%CI:0.61~1.68、p=0.957)、 ICC:0.08(95%CI:0.03~0.21)であった。 有害事象は、感染症とは無関係の脳卒中後肺炎(主に尿路感染症)の頻度が最も高かったが、 同発生頻度は抗菌薬群のほうが有意に低率であった (4%[22/615例] vs.7%[45/602例]、OR:0.55[95%CI:0.32~0.92]、p=0.02)。 クロストリジウム・ディフィシル感染症の発生は、 抗菌薬群2例(1%未満)、 対照群4例(1%未満)であった。 また、MRSAコロニー形成の発生は、 抗菌薬群11例(2%)、対照群14例(2%)であった。 結論: 脳卒中ユニットにおいては、 脳卒中後に嚥下障害を示す患者の肺炎予防を目的に、 抗菌薬をルーチンで投与することは推奨されない。 似たような内容の論文: The Preventive Antibiotics in Stroke Study (PASS): a pragmatic randomised open-label masked endpoint clinical trial. Lancet. 2015 Apr 18;385(9977):1519-26. doi: 10.1016/S0140-6736(14)62456-9. では、 脳卒中急性期でのセフトリアキソンの予防的な投与は感染症((肺炎)のリスクを低減したが、 3カ月後の機能的転帰に改善は見られず、入院期間、死亡率にも好ましい影響は見られなかった。 という結果もあります。 抗菌剤の予防投与より、 むしろ口腔ケアのみの方が肺炎予防に、いいのでしょうか? 歯科医にとっても、興味ある結果でしょう。
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