スポンサーリンク 脳卒中後の予防的抗菌薬投与、肺炎を抑制せず - 医療関係資格試験マニア
fc2ブログ
様々な医療福祉関係の資格試験に挑むブログ
プロフィール

かず

Author:かず
某総合病院で日々、臨床で忙しい医師カズです。
各種医療職の資格試験問題に挑戦しつつ、資格を目指す方々を励ますブログです。
内容は、国内の医師、歯科、薬剤師、看護師国試など、さらには米国医師資格試験(USMLE)、米国歯科医師資格試験(NBDE)あたりの問題にも挑戦する予定です。
応援よろしくお願いいたします。

ブログ使用時の注意点:
PCビューで見ると、答えが隠れています。
解答を見る場合は、”MORE”ボタンをクリックして下さい。
スマホですと、全てが表示されてしまうので演習目的の場合はPCビューがお勧めです。

広告
カテゴリ
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学校・教育
11位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
3位
アクセスランキングを見る>>
楽天お勧め
google+1
脳卒中後の予防的抗菌薬投与、肺炎を抑制せず/Lancet

Lalit Kalra, et al. Prophylactic antibiotics after acute stroke for reducing pneumonia in patients with dysphagia
(STROKE-INF): a prospective, cluster-randomised, open-label, masked endpoint, controlled clinical trial.

Lancet (London, England). 2015 Sep 3; pii: S0140-6736(15)00126-9.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26343840

CareNet (2015/09/28配信)

ASPIRATION-PNEUMONIA.jpg 
https://www.theexpertinstitute.com/case-studies/aspiration-pneumonia-missed-by-medical-team/

脳卒中ユニットで治療中の嚥下障害がある脳卒中後患者について、
予防的抗菌薬投与を行っても肺炎発症は抑制されず
同治療は推奨できない 

とする見解を、
英国・キングス・カレッジ・ロンドンの
Lalit Kalra氏らがクラスター無作為化試験の結果、報告した。

脳卒中後肺炎は、死亡の増大および機能的アウトカムの不良と関連している。
研究グループは、予防的抗菌薬の有効性を調べるため今回の検討を行ったが、
アルゴリズムに基づく発症率の補正後オッズ比は1.21であるなど、
肺炎の発症に有意な差は認められなかったという。

Lancet誌オンライン版2015年9月3日号掲載の報告。

方法:
2008年4月21日~2014年5月17日に、
48ヵ所の脳卒中ユニット(患者は全ユニット総計1,224例)を
2つの治療群(各群24ヵ所)に無作為に割り付けた。

無作為化後14日間を待たずに、11ユニットと患者7例が試験中止となった。
intention-to-treat解析には残る37ユニット1,217例の患者が組み込まれた
抗菌薬群:615例、対照群:602例

結果:
予防的抗菌薬投与は
アルゴリズム定義の脳卒中後肺炎の発生に影響を及ぼさなかった

発生率は、
抗菌薬群13%(71/564例) vs.対照群10%(52/524例)で、

周辺補正後オッズ比(OR)1.21(95%信頼区間[CI]:0.71~2.08、p=0.489)、
クラス内相関係数(ICC)0.06(95%CI:0.02~0.17)であった。
なお、アルゴリズム定義の脳卒中後肺炎は、
データ損失のため129例(10%)の患者について確認できなかった。

医師の診断に基づく脳卒中後肺炎の発生状況についても、両群間の差は認められなかった。
同発生率は、16%(101/615例) vs.15%(91/602例)で
、補正後OR:1.01(95%CI:0.61~1.68、p=0.957)、
ICC:0.08(95%CI:0.03~0.21)であった。

有害事象は、感染症とは無関係の脳卒中後肺炎(主に尿路感染症)の頻度が最も高かったが、
同発生頻度は抗菌薬群のほうが有意に低率であった
(4%[22/615例] vs.7%[45/602例]、OR:0.55[95%CI:0.32~0.92]、p=0.02)。

クロストリジウム・ディフィシル感染症の発生は、
抗菌薬群2例(1%未満)、
対照群4例(1%未満)であった。

また、MRSAコロニー形成の発生は、
抗菌薬群11例(2%)、対照群14例(2%)であった。

結論:
脳卒中ユニットにおいては、
脳卒中後に嚥下障害を示す患者の肺炎予防を目的に、
抗菌薬をルーチンで投与することは推奨されない。

似たような内容の論文:

The Preventive Antibiotics in Stroke Study (PASS):
a pragmatic randomised open-label masked endpoint clinical trial.
2015 Apr 18;385(9977):1519-26. doi: 10.1016/S0140-6736(14)62456-9.

では、

脳卒中急性期でのセフトリアキソンの予防的な投与は感染症((肺炎)のリスクを低減したが、
3カ月後の機能的転帰に改善は見られず、入院期間、死亡率にも好ましい影響は見られなかった。

という結果もあります。

抗菌剤の予防投与より、
むしろ口腔ケアのみの方が肺炎予防に、いいのでしょうか?

歯科医にとっても、興味ある結果でしょう。



関連記事

スポンサーリンク

2015/09/28 23:47 脳・神経 TB(-) CM(0)
コメント















 管理者にだけ表示を許可する

アクセス数
検索フォーム
知りたい疾患や用語に関連するブログ記事を探すのに使ってください
広告配信
人気記事
本ブログ内でよく読まれている記事
カレンダー
11 | 2023/12 | 01
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
月別アーカイブ(タブ)
各年のアーカイブ全体はLISTをクリック下さい。 LISTを閉じる際は、SELECTをクリック下さい。
リンク
医歯学などの勉強に有用なサイトを随時増やしていきます。 リンクサイトでアクセス出来ないものあれば、メールフォームで遠慮なく教えて下さい。
ブログランキングなど
ブロとも申請フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文: