スポンサーリンク 芥川龍之介著「歯車」で出てくる頭痛の解釈:104医F17 - 医療関係資格試験マニア
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芥川龍之介が晩年の書いた小説「歯車」で出てくるある症状について
類推する問題。
なかなか面白い問題です。

m86349101658_1.jpg
item.mercari.com/jp/m86349101658/ から



104F17

芥川龍之介著「歯車」の一部を以下に示す。

のみならず僕の視野のうちに妙なものを見つけ出した。
妙なものを? ― と云うのは絶えずまわっている半透明の歯車だった。
僕はこう云う経験を前にも何度か持ち合わせていた。
歯車は次第に数を殖やし、半ば僕の視野を塞いでしまう、
が、それも長いことではない、暫らくの後には消え失せる代わりに今度は頭痛を感じはじめる、
― それはいつも同じことだった。
「僕」の症状から最も考えられる疾患はどれか。

a 緑内障
b 片頭痛
c 脳内出血
d 緊張型頭痛
e 慢性硬膜下血腫


解答:MOREへ





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解答

正解 b

正答率:97%

104F17の解説

国際頭痛分類 第2版(ICHD-Ⅱ)「1.2 前兆のある片頭痛」と考えられます。

片頭痛前兆のうち、視覚症状、感覚症状、失語性言語障害の3つを典型的前兆といいますが、
本症例の「絶えずまわっている半透明の歯車」は視覚性前兆と考えられます。

典型的な視覚性前兆は、同名性、すなわち、視野の左右どちらか一方に出現することが多く、
「半ば僕の視野を塞いでしまう」というのも、左右どちら側かは書かれていませんが、
恐らく同名性の視覚症状を示している
と考えられます。

「前兆のある片頭痛」では、前兆の出現中もしくは本症例のように前兆後
(ICHD-Ⅱでは前兆後60分以内と定められている)に頭痛が生じます。

「1.2 前兆のある片頭痛」は、頭痛の性状が「1.1 前兆のない片頭痛」の診断基準を満たすか否かによって、
「1.2.1 典型的前兆に片頭痛を伴うもの」と「1.2.2 典型的前兆に非片頭痛様の頭痛を伴うもの」とに分類され、
この文章中には頭痛そのものの詳細な性状が書かれていないため、
本症例がどちらに分類されるかを決定することはできませんが、
「1.2 前兆のある片頭痛」であることは確かです。

それにしても、文学作品を用いた出題とは、医師国家試験もお洒落になりました。

上記解説
日本頭痛学会:頭痛クイズ から

a・c〜e 頭痛や嘔吐はみるも、「半透明の歯車」が合致しない。
b 正しい。上記の通り。




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