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これは、かなり難しい。

出典:medu4:112C4

112C4

末梢静脈路から1Lの維持輸液製剤(電解質組成:Na+ 35mEq/L、K+ 20mEq/L、Cl 35mEq/L)を投与する際、
この製剤に追加できるカリウムの最大量(mEq)はどれか。

a 2
b 4
c 20
d 40
e 200


解答:MOREへ



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解答

正解 c

正答率:43%

出題の背景を考えると、低カリウム血症の補正の際に輸液製剤のカリウム量を計算するという
実臨床の一場面が思い浮かびます。カリウムの扱いはご存知の通り、
少し間違えれば高カリウム血症を引き起こして致死性不整脈をきたすという点で、
現場でもミスが許されない領域の一つでしょう。


有名なのが、
「カリウムの 20-40-60-100 法則(または 20-40-60-120法則 )」と
呼ばれているカリウム関連の数字があります。

低カリウム血症に対して、カリウムを補充するための輸液をどのように行うか考える時に、
投与しすぎるなと忠告してくれる法則です。

20:カリウムを補充する輸液の最大速度(許容される最も速い値)、20 mEq/h
40:カリウムを補充する輸液の最大濃度(許容される最も濃い値)、40 mEq/L
60:カリウムの一日あたりの尿中排泄量(これくらい排泄してほしいという値)、60 mEq/日
100:カリウムの一日あたりの最大投与量(許容される最も大きい値)、100 mEq/日



この中で一番重要なのが「60」の値です。
これは1日尿中カリウム排泄量に相当するので、
これを基準に上記の数字を考えると理解がしやすくなるでしょう。
1日のカリウム尿中排泄量は、およそ60mEq/dayとなります。
1時間当たりの値に直すと、約2.5mEq/hrに相当します。
1日当たりのカリウム最大投与量の120mEqは、この尿中排泄量を根拠にしています。
つまり、60mEq/dayの倍量を1日当たりの安全域と設定しているのです。

今度は「20」に着目してみましょう。
これは輸液速度なので20mEq/hrを表します。
先ほどの1時間当たりのカリウム尿中排泄量が2.5mEq/hrなので、20mEq/hrのカリウム負荷では、
単純計算で17.5mEq/hr (20 - 2.5 = 17.5)のカリウムが体内に残る計算となります。
体内のカリウム分布は血管内<<細胞内なので、この17.5mEq÷血液量の分だけカリウム濃度が上昇するとは限りません。
特に低カリウム血症では、細胞内のカリウム量も低下しているので、
投与したカリウムの一部が細胞内に供給されるので、単純な計算では済まないという認識も重要です。

最後に、残った「40」を概説します。浸透圧の関係上、輸液製剤のカリウム濃度が高まると、
輸液製剤の浸透圧が上昇し、血管炎・血管損傷・血管痛を引き起こす原因となります。
これらの合併症を防ぐという観点で、末梢静脈路で許容される濃度が40mEq/Lなのです。
本問はこの最大濃度の「40」を解答の根拠にします。

維持輸液では、1L中のカリウム含有量が20mEq前後となります。
本問では20mEqとなっておりますので、輸液製剤のカリウム濃度が40mEq/Lになるまで、
あとどのくらいカリウムを付加できるかという問いに換言されます。
答えは、あと20mEq(40-20=20)を追加できるので、選択肢cが正解となります。

なお、選択肢5の200mEqは、1日投与量も濃度も基準を大きく上回っており、
医原性の高カリウム血症を引き起こすリスクが高くなります。
禁忌肢だった可能性があります。

カリウムの20-40-60-100法則
および、日経メディカル 1日1問医師国試
から



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2019/08/20 22:08 総合診療・救急・症候学 TB(-) CM(0)
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