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かず

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各種医療職の資格試験問題に挑戦しつつ、資格を目指す方々を励ますブログです。
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自分の記憶のためにも、いつかupしようかと
思っていた疾患です。

かなりrare caseなので、整形専門医試験でも出るかどうか?
私も疑い症例で1例しか見たことがない。
というか、この病気の存在を知らないと見過ごす可能性あり。



問題

8歳、男子。
3週前から、誘因なく左鼠径部痛を自覚した。
特に激しいスポーツはしていないとのこと。
しばらく、様子をみていたが歩行時に疼痛が増悪、
母親と共に当院を受診した。
生下時、発育に異常なし。
体格は身長、体重ともに標準レベル。
顔貌にも異常なく、家族に遺伝歴なし。
来院時、発熱なく、理学所見上は左股関節に
可動域制限を認めた。
血液検査学的にも、WBC数、CRPともに正常。
来院時の骨盤XPを下に示す。

ischiopubic-synchondrosis-asymmetry.jpg

以下の疾患のうち、最も考えられるものはどれか。
1つ選べ。

a ペルテス病
b 骨髄炎
c 疲労骨折
d van Neck病
e 大腿骨頭辷り症


解答:MOREへ


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解答

正解:d van Neck病

聞いたこともないというのが正直なところでしょう。

骨端症の一つで、
坐骨・恥骨結合部が骨化癒合を完了する前に
同部X 線写真上さまざまの異常像(骨透亮像や不規則な石灰化などの所見)
を呈する疾患。

本例でも、左坐骨・恥骨結合部にわずかな膨隆像(★)を認めます。

van neck

出典:
Radiopaedia;Ischiopubic synchondrosis asymmetry


Ischiopubic synchondrosis asymmetryとも呼ばれるもの。
正常のvariantともいえ、安静のみで改善するようです。


a ペルテス病
大腿骨頭部の骨端症で、5歳から6歳に好発。

b 骨髄炎
発熱や炎症反応もなく否定的でしょうか。

c 疲労骨折
かなり紛らわしいところですが、激しい運動も
やっていなかったということで×。

e 大腿骨頭辷り症
大腿骨頭部の骨端線で近位のfemoral headが滑ってくるもの。
体形的には肥満体の男子が多い。
Fröhlich症候群は有名。


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骨端症(epiphysiopathy, osteochondrosis)
これについても、触れておきましょう。
主に小児の骨端部の成長と運動ストレスのバランスが不良で発生する、
成長軟骨に血流障害が発生して無腐性壊死(阻血性骨壊死)が
生じる疾患の総称。

いろいろ名前がついています。


覚えておくべき骨端症

Scheuermann病
脊椎椎体:学童〜少年期・思春期、男児、円背

Panner病
上腕骨小頭:10歳以下の男児、離断性軟骨炎との鑑別が重要

Kienbock病
月状骨:20〜30歳台、男性、手作業従事者に多い

Perthes病
大腿骨頭:4〜7歳、男児、片側性

Osgood-Schlatter病
脛骨粗面:10〜14歳、男児、過度の牽引による膝蓋腱脛骨付着部の裂離損傷

Sinding Larsen-Johansson病
膝蓋骨下棘:10〜12歳、男児、過度の牽引による膝蓋腱膝蓋骨付着部の裂離損傷

Blount病
脛骨近位内側:2歳以降の幼児、O脚

Sever病
踵骨:7〜12歳、Osgood-Schlatter病と同じ機序(過度のアキレス腱による牽引)

Kohler病
足舟状骨:3〜7歳、男児、足背内足部痛

イセリン病(Iselin病)
第5中足骨結節部:10〜15歳、Osgood-Schlatter病と同じ機序(過度の短腓骨筋腱による牽引)

Fribeg病(第2Kohler病)
第2中足骨骨頭:13歳以降、女児


マニアックな骨端症

Calve扁平椎
脊椎椎骨:ランゲルハンス組織球症に合併

Haas病
上腕骨骨頭

Burns病
尺骨下部

Brailsford病
橈骨頭

Thiemann病
第2.3手指基節骨骨頭:非常に稀

Dieteric病
中手骨:20歳台、中指

Mauclaire病
中手骨骨頭

Preiser病
手舟状骨:非常に稀、腎移植や膠原病の治療後

van Neck病
恥・坐骨結合:4〜12歳、正常骨化過程の正常範囲内変化とも言われる

Pierson病
恥骨

Buchanan病
腸骨稜

Konig病
大腿骨顆部:離断性骨軟骨炎

Haglund病
外脛骨

Diaz病
距骨

Haglund病
踵骨


覚えておくべき骨端症とは|知っておきたい成長期の骨端症の種類を網羅!代表例からマニアックなものまで!

から引用



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