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保存系、補綴系:画像読影の基本
歯科医師国家試験 臨床問題を熱く語るブログ: 【保存系・補綴系】画像の読影&基本の確認 (2014年12月07日 配信) から引用改編。 国試が近くなってくると、マニアックな細かい知識の暗記に走る方がいらっしゃいますが、 そのような勉強方針では合格から遠ざかります. この記事の目的は 保存系・補綴系の基本に立ち返り、治療方針を立てていただくことにあります。 【質問①】 56歳女性。左側下顎第二大臼歯の咬合痛を主訴として来院した。 自発痛は認められない。左側下顎第二大臼歯の歯周ポケットは 近心6mm、遠心3mmであり、歯髄電気診に反応はない。 治療方針を簡単に説明しなさい。 補綴方針も考えてください。 ![]() 【解説】 ①下顎第二大臼歯(以下7番といいます)の歯髄電気診に反応がないことから、 7番の感染根管治療を実施する。 ②近心ポケットがやや深いことから歯周治療も実施する。 歯周治療&感染根管治療終了後(=根管充填終了後)7番に支台築造をします。 ③デンタルX線写真をよく見ると、7番の手前に残根が認められる。 6番を抜歯した際に遠心根が一部残ってしまったのだと考えられます。 (注)このような歯根の取り残しにはたまに遭遇します。 6番の歯根を残したまま補綴処置に入ることはできません。 したがって、補綴処置に移行する前に6番の残根を抜歯しなければなりません。 6番の残根抜歯を行う際には、 1、浸潤麻酔を行う。 2、歯肉を切除して(電気メス又はレーザーを使用する)残根を口腔内に露出させる。 3、歯周靭帯を探針で切断(国試では「切離」と出題されたことがあります)する。 4、ヘーベル(=挺子=エレベーター)を歯根膜腔に挿入して脱臼させる。 5、脱臼させた歯根を鉗子で把持して抜去する。 という手順になります。 ここで使用する鉗子は残根鉗子です。 実際の臨床ではモスキート鉗子で残根を把持する歯科医師が多いように思いますが、 モスキート鉗子が残根を把持する器具として国試的な正解となるかどうかは微妙です。 ④6番の残根抜歯後は、欠損補綴をすることになります!! この症例では 1、PD 2、ブリッジ 3、インプラント の3パターンが考えられます。 ただ・・・あえてPDを選択する理由に乏しい。 5番の歯槽骨がしっかりしているのでブリッジの支台歯にすることができるからです。 よって、本症例では ブリッジ または インプラント による欠損補綴を行うことになります。 まず、ブリッジによる欠損補綴を考えます。 前述のとおり6番の残根抜歯をするので、 抜歯窩が治癒するまでブリッジの印象採得はできません。 (抜歯窩が治癒するまではテンポラリーブリッジを装着して咬合関係を維持する) 5番(デンタルX線写真が不鮮明ですみません(´・ω・`))は齲蝕がなく健全歯だと考えられるので、 全部被覆冠ではなく、インレー支台とする可能性がある。 インレー支台とする場合にはODではなく、MOD形態とするのが一般的です。 (理由は脱離防止) 次に・・・インプラントによる欠損補綴を考えます!! インプラント埋入のための骨量は十分にあると考えられます。 (注)パノラマX線写真&CT画像がないので下歯槽管との関係はわかりません。 ![]() http://www.naito-implant.jp/implant/sippai.html しかし、埋入するスペースが近遠心的に十分にあるでしょうか?? デンタルX線写真を見ますと、7番が近心傾斜しているように見えます。 口腔内写真がありませんので、はっきりとはわかりませんが、 埋入スペース確保のために7番のアップライト(MTMをするという意味)が必要になるかもしれません。 まあでもね・・・ 8番あるよね・・・8番が7番をブロックしているのでアップライトはできないかw どうしても7番をアップライトしたいなら、 8番を抜去してからアップライトするという方法もあります。 【質問②】 29歳男性。 左側第二小臼歯のインレーが 1週間前に脱離したとのことで来院した。 脱離したインレーは捨ててしまったとのことである。 自発痛および咬合痛は認められない。 治療方針を簡単に説明しなさい。 補綴方針も考えてください。 ![]() 【解説】 第二小臼歯(以下5番といいます)の歯冠部に齲蝕があり、 インレーが脱離したのだと考えられる。 5番には根管充填材が存在するが、根尖病巣は認められない。 したがって、感染根管治療を実施する必要はない。 よって、支台築造を実施して、補綴処置に移行すればよい。 支台築造を行う際にレジンコアを選択するのか、 それともメタルコアを選択するのかという問題があります。 ![]() http://www.watanabe-dental-c.com/blog/page/9 判断基準は臨床上微妙だが、 齲蝕象牙質除去後に歯質が三壁以上残存する場合には レジンコアが選択されることが多い。 (注)明確な基準ではありません。 本症例では口腔内写真が与えられていないので、なんとも言えないが、 齲蝕象牙質除去後(←ポイントです)に三壁以上歯質が残存するなら レジンコアが選択されるかもしれない。 脱離症例は第108回国試で出題可能性が非常に高いです!! 脱離症例が出題された場合には、 1、生活歯 or 失活歯か? 2、失活歯だとして根管充填されているか? 3、根管充填されている場合には根尖病巣が認められるか? 以上の3点を確認してください。 根尖病巣が認められず、 打診痛や根尖部歯肉の圧痛がないのなら、 感染根管治療は必要ありません。 【余談】 デンタルX線写真を見ると、6番は4根管あるようです( ・∀・)ノ 気づきましたか??(・∀・)
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