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高齢者歯科:高齢者の生理変化 (105-108回歯科国試から) 改訂
1問の追加:問10が追加 高齢者の生理学(歯科国試)1つ(type A)、2つ(type B) 選ぶのであれば簡単でしょう。XXタイプだと、難しいかもしれません。 このタイプを意識して、各選択肢のselectionは完璧にしておきましょう。 1)108A-54 高齢者の生理的特徴で正しいのはどれか。2 つ選べ。 a 呼吸数は増加する。 b 肺残気量は低下する。 c 収縮期血圧は上昇する。 d 動脈血酸素分圧は低下する。 e 姿勢変化による血圧変動は小さい。 2)106A-66 高齢者で低下するのはどれか。2つ選べ。 a 脈圧 b 耐糖能 c 糸球体濾過率 d 機能的残気量 e 肺胞気-動脈血酸素分圧較差A-aDO2 3)107A-35 老化に伴って低下するのはどれか。 1 つ選べ。 a 食後血糖 b 収縮期血圧 c 末血管抵抗 d 動脈圧受容器反射機能 e 血清総コレステロール 4)107C-73 老化に伴う呼吸器系の変化はどれか。 1 つ選べ。 a 残気量の増加 b 肺活量の増加 c 咳嗽反射の亢進 d ガス拡散能の上昇 e 胸郭コンプライアンスの上昇 5)107A-102 高齢者にみられる特徴で正しいのはどれか。 2 つ選べ。 a 疾患の症状は定型的である。 b 検査基準値は若年者と同等である。 c 薬剤に対する反応は若年者と同等である。 d 症状が疾患の重症度と解離することが多い。 e 疾患の発症や予後に社会的要因がかかわることが多い。 6)105A-51 高齢者の特徴で正しいのはどれか。2つ選べ。 a 多疾患である。 b 症状が非定型的である。 c 環境変化への適応性が高い。 d 運動能力の個人差が小さい。 e 治療に対する反応が鋭敏である。 7)105C-69 (既出) 高齢者の生理的変化で正しいのはどれか。2つ選べ。 a 機能的残気量が減少する。 b 圧受容体反射機能が亢進する。 c 血清アルブミン濃度が減少する。 d クレアチニンクリアランスが上昇する。 e 脳血流量の自動調節能が右方移動する。 8)105C-115 老化による変化で正しいのはどれか。2つ選べ。 a 骨密度の増大 b 骨格筋量の減少 c 収縮期血圧の低下 d 血管伸展性の低下 e REM 睡眠時間の増加 9)107C-68 薬物動態のうち、高齢者で低下するのはどれか。 2 つ選べ。 a 薬物代謝能 b 薬物排泄能 c 血中遊離型薬物濃度 d 水溶性薬物血中濃度 e 脂溶性薬物分布容積 10) 106A-62 追加 経口セフェム系抗菌薬の薬物動態に影響を及ぼす加齢変化はどれか。1つ選べ。 a 体脂肪の増加 b 脳血流量の低下 c 胃液分泌量の低下 d 唾液分泌量の低下 e 腎クリアランスの低下 107A-64 ワルファリンカリウムを服用している患者への併用で、 出血傾向を増強するのはどれか。 2 つ選べ。 a アスピリン b アシクロビル c インドメタシン d チアラミド塩酸塩 e クリンダマイシン塩酸塩 解答 ac NSAIDsは出血傾向を助長することは有名である。 予想される出題: βラクタム系のうち、 チオメチルテトラゾール基(CPZ、CTT、LMOX,CBPZ,CMZ、CMD,CMX,CMNXなど)は ビタミンK代謝を阻害するため肝臓でのプロトロンビン合成が低下して出血時間が延長する。 少し難しいが、予想選択肢であるので注意! 解答:MOREへ スポンサーリンク 1)108A-54 高齢者の生理的特徴で正しいのはどれか。2 つ選べ。 a 呼吸数は増加する。 b 肺残気量は低下する。 c 収縮期血圧は上昇する。 d 動脈血酸素分圧は低下する。 e 姿勢変化による血圧変動は小さい。 解答 cd 高齢者の生理機能 http://www.magiccity.ne.jp/~nurse/deta-bank/kango/sinia/tokutyou.htm 生理機能は全体的に低下するが、臓器による差は大きい。 大部分の臓器は萎縮し、機能の低下と重量の変化がおこる。 ①循環機能 心拍出量の低下(ポンプ機能の低下)・動脈硬化・収縮期血圧の上昇・ 脈圧増大・左心室肥大・ 心機能低下・血管内腔の狭窄・抹消血管抵抗の増大 ②呼吸機能 肺の萎縮・弾力性の低下・胸郭運動の低下により肺機能が低下し残気量が増大する。 肺活量,最大換気量の低下。 全肺気量は変化しない 咳嗽反射、気道粘膜の線毛運動の低下により、痰核出力が低下する。 ③消化機能 歯牙の脱落(う歯、歯槽膿漏) 口腔の乾燥、自浄作用の低下 唾液、胃液・胆汁、膵液などの分泌量減少 咀嚼機能の低下(咀嚼筋・顎関節の老化) 嚥下反射の低下 食道の蠕動運動の収縮力の低下 腸の蠕動運動の低下 味覚の低下(舌乳頭や未蕾の数の減少、味細胞機能の減退など) 嗜好の変化(舌や口腔粘膜の温度覚、蝕圧覚の減退) ④腎・排泄機能・腎皮質機能: 糸球体の濾過力の低下。 腎髄質機能: 尿濃縮能・希釈能の低下・膀胱頚部の拘縮、膀胱括約筋の硬化 前立腺肥大により通路障害、排尿障害(残尿・頻尿・排尿困難 (失禁)が起こる。 腎血流量の低下。 ⑤造血機能・赤血球、ヘマトクリット値、ヘモグロビン量の低下、血清鉄、鉄結合能の低下。 (貧血傾向・老人性 貧血) ⑥皮膚・分泌能・水分保持力の低下。 温度に対する皮膚感受能力の低下(体温を保持する機序が活発でないため、 寒冷により体温下降がおこりやすい。) 乾燥・菲薄化により傷つきやすい。 2)106A-66 高齢者で低下するのはどれか。2つ選べ。 a 脈圧 b 耐糖能 c 糸球体濾過率 d 機能的残気量 e 肺胞気-動脈血酸素分圧較差A-aDO2 解答 bc 3)107A-35 老化に伴って低下するのはどれか。 1 つ選べ。 a 食後血糖 ↑ b 収縮期血圧 ↑ c 末血管抵抗 ↑ d 動脈圧受容器反射機能 低下 e 血清総コレステロール ↑ 解答 d 4)107C-73 老化に伴う呼吸器系の変化はどれか。 1 つ選べ。 a 残気量の増加 b 肺活量の増加 c 咳嗽反射の亢進 d ガス拡散能の上昇 e 胸郭コンプライアンスの上昇 b-d;すべて低下 解答 a 5)107A-102 高齢者にみられる特徴で正しいのはどれか。 2 つ選べ。 a 疾患の症状は定型的である。 b 検査基準値は若年者と同等である。 c 薬剤に対する反応は若年者と同等である。 d 症状が疾患の重症度と解離することが多い。 e 疾患の発症や予後に社会的要因がかかわることが多い。 解答 de 6)105A-51 高齢者の特徴で正しいのはどれか。2つ選べ。 a 多疾患である。 b 症状が非定型的である。 c 環境変化への適応性が高い。 低い d 運動能力の個人差が小さい。 大きい e 治療に対する反応が鋭敏である。 鈍い 解答 ab 高齢者の身体的特徴と老年医学 (Geriatric Medicine) https://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02886_03 高齢者は生理的な老化に加え,糖尿病や心臓病などの慢性疾患,認知機能低下,老年期うつなどの 高齢者特有の病態(老年症候群),社会的ストレスなどで虚弱度が増加(健康度が低下)する(図)。 虚弱度が高くなると,肺炎や尿路感染症などの急性疾患や転倒・骨折などの事故に遭いやすくなり,そこからの回復も遅れる。 また虚弱高齢者は,検査や治療などの医学的介入に際しての合併症,薬物の副作用や相互作用など負の影響を受けやすい。 ![]() 虚弱高齢者を各臓器の専門医で併診しようとすれば, その人数や服用薬剤,検査量はあっという間に膨れ上がり, 前述の理由から不要な損害を被る可能性は高くなる。 虚弱高齢者の診療こそ総合診療思想が最もよく適合する。 そこでは高齢者診療に長けた総合医が多くの問題点を整理し, それぞれの重要性と優先度を判断し適切な医療介入が適切な時期に行われるのである。 高齢者医療こそが「現代と将来の総合診療」なのである。 老年医学は一つの臓器に偏ることなく, また臓器機能だけでなく身体機能を含めた人間全体を包括的に評価し, 服用薬物の整理をはじめとする適切な医療行為によって, 虚弱度を進行防止・改善することを目的としている。 適切な慢性疾患管理は虚弱化を防止する重要な要素のひとつであるが, ほかにも多くの問題があり,内科的なアプローチのみでは高齢者の問題を理解,解決することは難しい。 老年医学は生理的老化や老年症候群(認知症,老年期うつ,転倒など), 高齢者の心理社会的側面も扱い,その守備範囲は広い。 高齢者医療では,いわゆる包括的高齢者評価(Comprehensive Geriatric Assessment)を行い, 何が問題か,どこに介入できるかをアセスメントする必要がある。 服用薬剤がめまいや認知機能低下,転倒と関係していることが多いため,そのレビューは必須である。 また,認知機能低下や被害妄想,不定愁訴は老年期うつの症状であることが多く,疑ったら薬物治療も含め検討する。 転倒・骨折の増悪因子の除去,防止策を検討し,日常生活機能障害と介護保険上の介護度,サービス量の整合性も評価する。 可能であれば,本人や家族と虚弱度が今後進行したときの対応についてできるだけ早期に相談しておくべきである。 高齢者の診療は時間と手間がかかるのである。 7)105C-69 (既出) 高齢者の生理的変化で正しいのはどれか。2つ選べ。 a 機能的残気量が減少する。 増大 b 圧受容体反射機能が亢進する。 低下 c 血清アルブミン濃度が減少する。 d クレアチニンクリアランスが上昇する。 C CR; GFRはもちろん低下 e 脳血流量の自動調節能が右方移動する。 解答 ce 脳血流量:50ml/min/100g ※MAPが50~150mmHgでは自動調節能 ※慢性高血圧患者では右方移動(血圧コントロールにより数週間で正常化) ※脳虚血、外傷、腫瘍による圧迫や浮腫の部位では自動調節能が障害される ※PaCO2が20〜80mmHgでは直線的に増加する ※PaCO2が1mmHg増加ごとに1~2ml/min/100g増加する ※PaO2が60mmHg未満になると著明に増加する。 http://classicanesthesia.blogspot.jp/2012/04/blog-post_6802.html より 慢性高血圧の患者になると、脳灌流圧と脳血流のカーブは右へシフトするため、 自動調節能が働く範囲は、100~120mgHgとなる。 そのため、慢性高血圧の患者においては、 正常血圧者にとっては安全な血圧の範囲でも、 急激な平均血圧や脳灌流圧低下が、脳虚血を惹起する可能性がある。 ![]() http://blog.livedoor.jp/thnkks0304/archives/cat_50047873.html?p=2 8)105C-115 老化による変化で正しいのはどれか。2つ選べ。 a 骨密度の増大 poroseが進み、当然 骨密度が低下 b 骨格筋量の減少 c 収縮期血圧の低下 当然 上昇 d 血管伸展性の低下 e REM 睡眠時間の増加:下に示すように減少のようです。 解答 bd 老齢期のレム睡眠・ノンレム睡眠の割合は圧倒的にノンレム睡眠の割合が高くなり レム睡眠の時間はノンレム睡眠の5分の1~6分の1程度の割合となっていきます。 (http://www.doctor-nabi.com/category/%E3%83%8E%E3%83%B3%E3%83%AC%E3%83%A0%E7%9D%A1%E7%9C%A0/ より) 9)107C-68 薬物動態のうち、高齢者で低下するのはどれか。 2 つ選べ。 a 薬物代謝能 b 薬物排泄能 c 血中遊離型薬物濃度 ↑ 血清アルブミンが低下するためにfree typeの薬物濃度は上昇 d 水溶性薬物血中濃度 ↑ 腎機能低下により、水溶性薬物血中濃度は上昇するのだろう。 e 脂溶性薬物分布容積 ↑ 加齢とともに、身体の脂肪区画は増大し,水区画は減少する。 このように脂肪の増大は,高親油性薬物の分布容積を増大する。 解答 ab 高齢者における薬物動態 http://merckmanual.jp/mmpej/sec20/ch306/ch306b.html 吸収: 加齢に伴って小腸表面積が減少し,胃内pHは上昇するにもかかわらず, 薬物吸収の変化は非常に小さく,臨床的に重要でないことが多い。 分布: 加齢とともに,身体の脂肪区画は増大し,水区画は減少する。 脂肪の増大は,高親油性薬物(例,ジアゼパム)の分布容積を増大させ, それらの消失半減期を延長させうる。 加齢に伴い血清アルブミンは減少し,α1酸性糖蛋白は増加するが, これらの変化が薬物の血清蛋白結合に及ぼす臨床的影響は不明である。 急性疾患や栄養不良の患者において,血清アルブミンの急激な減少が 非結合薬物の血清中濃度を上昇させ,薬物の効果を増強することがある。 肝代謝: チトクロムP-450酵素系を介する多くの薬物の全体的な肝代謝は,加齢とともに低下する。 肝代謝が低下する薬物では, 典型的な場合クリアランスは30〜40%低下する。 多段階の代謝(非合成的および合成的反応)を受ける薬物の肝クリアランスは, 高齢者では延長されやすい(薬物動態: 代謝を参照 )。 通常,年齢は抱合(グルクロン酸抱合が典型的)による代謝を受ける薬物のクリアランスに大きく影響しない。 腎排泄: 30歳以降,クレアチニンクリアランスは10年毎に平均8mL/分/1.73m2ずつ減少する; しかしながら,加齢による減少は個体間での変動が大きい。 高齢者では筋肉量が減少し,クレアチニン産生量も少なくなるため, 糸球体濾過量(GFR)が低下するにもかかわらず,血清中クレアチニン濃度はしばしば正常範囲内に留まる。 尿細管機能の低下は,糸球体機能の低下と並行している。 これらの変化は一部の薬物の腎排泄を低下させる。 臨床への関与は,腎排泄が全身からの総排泄に寄与する程度と, 薬物の治療係数(最大耐容用量の最小有効量に対する比)に依存する。 薬物の用量を導くのに,クレアチニンクリアランスが使用される。 腎機能は動的であるため,患者が病気になったとき,脱水症を起こしたとき, または脱水症から回復したばかりのときは,薬物の維持用量は調整されるべきである。 10) 106A-62 経口セフェム系抗菌薬の薬物動態に影響を及ぼす加齢変化はどれか。1つ選べ。 a 体脂肪の増加 b 脳血流量の低下 c 胃液分泌量の低下 d 唾液分泌量の低下 e 腎クリアランスの低下 解答 e 抗生剤の代謝は、主に肝臓で分解または腎臓から排泄されます。
表:http://www.geocities.jp/dogcat1111122222/antibioticsknowledgement.html から 各抗生剤の特徴も書いてあります。 |
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