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ピロリ菌除菌が逆流性食道炎の増悪因子となる理由

とある医学生の雑記帳 (2015-05-27  配信)を改編


gastroesophageal-reflux.jpg 
http://www.medicinenet.com/image-collection/gastroesophageal_reflux_gerd_picture/picture.htm



胃食道逆流症(GERD)とは酸性の胃内容物が食道方向に逆流することにより食道を傷つけてしまう疾患。
ただし食道の下には下部食道括約筋 (lower esophagus sphincter)
があるので胃の内容物は通常逆流しないようになっている。

逆流性食道炎のリスク因子はいくつかあるが、ピロリ菌の除菌もそのうちの一つである。

ピロリ菌除菌は胃潰瘍の治療として有用であるが逆流性食道炎においては逆効果なのである。

なぜであろうか?

ピロリ菌に感染すると胃の粘膜は傷害をうけ、萎縮性胃炎と呼ばれる状態となる。
すると胃酸の分泌能力は低下する。

よって逆流性食道炎の患者が偶然ピロリ菌を有していた場合、
ピロリ菌を除菌すれば胃潰瘍のリスクは減らすことができるが
胃酸の分泌量は増えることになるので逆流性食道炎はますます悪くなってしまうのである。


H. pylori

H. pylori は、微好気性のグラム陰性菌であり、らせん状で4~8本の鞭毛を有しています。
H. pylori が胃酸の存在する胃の中で生きていけるのは、ウレアーゼという酵素を持っており、
この酵素が尿素からアンモニアを生成し、アンモニアによって胃酸を中和するためであることがわかっています。
さらにH. pylori 感染が、胃炎や胃・十二指腸潰瘍などの発生に深く関与することが明らかになりました。


H. pylori による胃粘膜傷害の機序(図2)

すなわち、

H. pylori が作るアンモニアによる胃粘膜の傷害と、酸(H+)の逆拡散

H. pylori の持っているプロテアーゼやリパーゼによる胃粘液分解の結果としての、胃酸による傷害の増強

H. pylori 感染により、リンパ球や好中球などの炎症細胞から産生される活性酸素やサイトカインなどの
  種々の細胞傷害物質による胃粘膜の傷害

H. pylori が産生する毒素(cagA遺伝子産物などの空胞化毒素)による胃粘膜細胞の傷害

などが明らかとなっています。


q2_img.jpg 
http://medical.nikkeibp.co.jp/all/special/crl2/


ピロリ菌の検査には、内視鏡を使う方法と使わない方法があります。
http://www.pylori-story.jp/sterilization/sterilization/inspection/

内視鏡を使う検査方法

内視鏡を使う方法では、胃の中の様子を観察すると同時に、内視鏡により採取した胃の組織を用いて、
A「迅速ウレアーゼ試験」、
B「鏡検法」、
C「培養法」の検査をします。

  • A「迅速ウレアーゼ試験」:ピロリ菌のもつ酵素のはたらきで作り出されるアンモニアの量を調べて、ピロリ菌がいるかどうかを判定します。
  • B「鏡検法」:採取した組織を染色して顕微鏡で観察することにより、ピロリ菌がいるかどうかを調べます。
  • C「培養法」:採取した組織を用いて培養し、ピロリ菌が増えるかどうかを調べます。

内視鏡を使わない検査方法

内視鏡を使わない方法には、
A「抗体測定」、
B「尿素呼気試験」、
C「便中抗原測定」があります。

  • A「抗体測定」:血液や尿を採取してピロリ菌に対する抗体の有無を調べることにより、ピロリ菌に感染しているかどうかを判定します。
  • B「尿素呼気試験」:検査用のお薬をのみ、一定時間経過した後に、吐き出された息(呼気)を調べて、ピロリ菌に感染しているかどうかを判定します。
  • C「便中抗原測定」:便を採取してピロリ菌抗原があるどうかを調べます。

ピロリ菌の検査は、これらのうち、いずれかを用いて行われますが、
1つだけでなく複数の検査を行えば、より確かに判定できるとされています。


ピロリ菌除菌療法の対象となる人は、次のI〜Vの病気の患者さんです。

  • ( I )内視鏡検査または造影検査で胃潰瘍または十二指腸潰瘍と診断された患者さん
  • (Ⅱ)胃MALTリンパ腫の患者さん
  • (Ⅲ)特発性血小板減少性紫斑病の患者さん
  • (Ⅳ)早期胃がんに対する内視鏡的治療後(胃)の患者さん
  • (Ⅴ)内視鏡検査でヘリコバクター・ピロリ感染胃炎と診断された患者さん

q4_imgl.jpg 
http://medical.nikkeibp.co.jp/all/special/crl2/



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2015/11/27 01:17 消化管・肝胆膵 TB(-) CM(0)
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