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かず

Author:かず
某総合病院で日々、臨床で忙しい医師カズです。
各種医療職の資格試験問題に挑戦しつつ、資格を目指す方々を励ますブログです。
内容は、国内の医師、歯科、薬剤師、看護師国試など、さらには米国医師資格試験(USMLE)、米国歯科医師資格試験(NBDE)あたりの問題にも挑戦する予定です。
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部分床義歯学 partial denture 特集1

partial-denture1.jpg

http://www.allprodentalcare.com/removable-partial-dentures/

問題は、いつものように ”闘う!歯科国試” からです。
問題の写真は、全て厚生労働省のHPからの転載です。


まずは、partial dentureの構造 (Oral Studio から転用)

partial-denture 構造 

1:レスト
2:義歯床
3:大連結子
4:小連結子
5:クラスプ(鉤)
6:隣接面板
7:人工歯


では、問題です。


1)105A-106 部分床義歯学
床下粘膜支持を高める印象法はどれか。1つ選べ。

a 無圧印象
b 咬合圧印象
c 解剖学的印象
d ポストダミング
e ウォッシュインプレッション


用語説明(すべて、Oral Studio から)

1)無圧印象
《方法》
・個人トレ-のリリ-フ
・遁路の付与
・流れのよい印象材

《用いる印象材》
酸化亜鉛ユ-ジノ-ル印象材

2)機能印象

粘膜負担が求められる義歯作成時において採得する印象方法である。

【目的】
義歯機能時の口腔内の形態を印象採得することである。
→床下粘膜の加圧印象
→粘膜支持を増強することを目的
→小帯や粘膜反転部の印記
→床の拡大可能な範囲と辺縁の形態を探ること

ただし、45欠損などの歯牙支持要素の強いものに関しては床を歯肉頬移行部まで拡大する必要はない
→機能印象の必要はない

●顎堤周囲の筋運動に主体を置いた場合は、筋圧形成
●各部位における印象圧に主体を置いた場合は、加圧印象
と呼ばれる。
加圧印象はさらに・・・
●手圧印象
●咬合圧印象
に分かれる

3)解剖学的印象
できる限り静的な状態で、口腔内組織の解剖学的形態を採得する印象。
軟組織部において、無圧印象と同義である。

4)ポストダミング
後堤ともいう。
ちなみに、後堤法とは、ポストダムを作成する方法のこと。

【目的】
・口蓋後縁の辺縁封鎖を確実にするため(義歯床維持に貢献)
・床後縁と口蓋粘膜の移行を平滑にし、義歯後縁の異物感を現象させるため(発音障害の防止に貢献)

【設置位置】
ポストダムの設置位置は・・・
ポストダム法を行うこと。
・左右の翼突上顎切痕部を結ぶように形成される。

その際、アーライン、難航外と硬口蓋の移行部、前振動線と後振動線の間を通るように形成される。

【形態】
患者の粘膜被圧量によって異なる。

【治療において】
・印象採得時に、ポストダム設置相当部に加圧印象を行う方法
・模型上に溝を掘り、ポストダムを形成する方法
・義歯完成時に口腔内で形成する方法
がある。

5)ウォッシュインプレッション
(1)クラウンブリッジ支台歯の連合印象採得
概形印象内面に流れの良い印象材を盛り上げて細部の精密な形態を再現する方法。

(2)有床義歯の印象採得
軽微な圧力で印象材をゆきわたらせ、印象圧による顎堤粘膜の変形をできる限り小さく、細部の精密な形態を再現する方法。



解答 b



2)104C-129 部分床義歯学
KennedyI級とII級の症例で大連結子に弾力性に富む高分子材料を用いた場合に生じる不都合とはどれか。
 すべて選べ。

a 構音障害
b 審美性の低下
c 床下粘膜負担圧の偏在
d 咀嚼時の義歯安定の低下
e 直接支台装置の負担増加

解説

Kennedy分類(Oral Studio から転用)




kenedy classification
左上図
1級:両側遊離端欠損

右上図
2級:片側遊離端欠損

左下図
3級:片側性臼歯欠損で前後に支台となる歯があるもの

右下図
4級:連続的両側欠損


解答 c d e



3)103A-91 部分床義歯学
ニアゾーンのアンダーカットを利用する環状型のスクラプはどれか。 2つ選べ。

a リングクラスプ
b Iバーククラスプ
c ヘアピンクラスプ
d エーカースクラスプ
e バックアクションクラスプ


クラスプ(clasp)の種類 (Wikipedia)

1)RPIクラスプ
近心レスト(R)、隣接面板(P)、Iバーからなり、3つの構成要素が互いにレシプロケーションを有し合理的な維持力を発揮するクラスプ。歯面への接触面積が小さく、歯肉縁への生理的刺激を阻害することが少ない。主に遊離端義歯の小臼歯に両側性に用いられる。アンダーカット量は0, 25mmとされる。
近心レストにより支台歯の引き倒し作用と釘抜き作用を防止し、自浄性も優れる。遊離端義歯の直接維持に適している。大きなアンダーカットが存在する場合や小帯付着位置によっては適応できない場合がある。

2)RPAクラスプ
近心レストによる支台歯の引き倒し作用、釘抜き作用を防止する。遊離端義歯の直接維持に適したクラスプ。また、鉤歯周囲の粘膜部のアンダーカットや小帯の付着状態に影響されないため適応範囲が広い。

3)エーカースクラスプ
鉤腕は原則的に鉤歯の3面4隅角を囲み、レシプロケーションのためには鉤尖の位置は頬舌側で同じ高さにあることが理想的である。一般的にはファーゾーンの0.25~0.5mmのアンダーカットを利用する。中間歯欠損部の直接維持装置として最適なクラスプであり、顎堤に対して負担を軽減させる。しかし、これを遊離端の直接維持に適応すると、引き倒し作用と釘抜き作用が生じて支台歯に負担をかける。

4)双子鉤
エーカースクラスプを体部で2個連結した形態で維持力が強い。維持力の増強と鉤歯への負担軽減を兼ねる目的で応用される。支持、維持、把持に優れる。間接維持装置として用いられることが有効。

5)リングクラスプ
ニアゾーンから始まって支台歯の歯冠を1周し、ニアゾーンのアンダーカットに終わる。最後方大臼歯に用いることが多く、左右対称に用いると効果が高い。0.75mmのアンダーカット量を利用する。近心舌側あるいは近心頬側に傾斜した最後方臼歯への適応に適している。アンダーカット量が多いため着脱時に支台歯に負担がかかりやすい。

6)バックアクションクラスプ
鉤脚が口蓋側のファーゾーンまで延び、そこから鉤腕が歯冠を取りまいて頬側のファーゾーンのアンダーカットで終わる。鉤脚が長いためある程度緩圧性があり、遊離端欠損症例に左右対称的に用いると効果的である。支台歯が頬側傾斜する傾向にある上顎に対し、大臼歯部両側遊離端欠損の支台装置として、主に小臼歯に左右対称に設置する。食片圧入が大きく、アンダーカット量が大きく支台歯の負担につながる。

7)リバースバックアクションクラスプ
バックアクションクラスプの鉤体が頬側に、鉤尖が舌側におかれる形態。支台歯が舌側傾斜する傾向にある下顎に対し、大臼歯部両側遊離端欠損の支台装置として、主に小臼歯に左右対称に用いられる。食片圧入が生じやすくアンダーカット量も多いので支台歯に負担がかかる。

8)ヘアピンクラスプ
ダブルアームクラスプとも呼ばれる。ニアゾーンから始まって、鉤腕が途中で屈曲してニアゾーンのアンダーカットで終わる。鉤腕の形態からどうしても破折しやすいクラスプである。歯冠長のある鉤歯に使用される。

9)単純鉤
1つの鉤腕のみを有するクラスプ。主に前歯部の舌側に用いられる。支持、把持効果は期待できない。

10)ローチバークラスプ
鉤歯に近い義歯床縁から粘膜面に沿って近遠心的に接近腕を延長して、鉤歯の頬側または舌側中央で歯軸方向に彎曲して鉤腕となり、その先端が歯頚方向から鉤歯の維持領域に適合するバー型のクラスプである。 鉤尖の形態によって、T型、I型、L型、C型などがある。

11)延長腕鉤
欠損部直近の支台歯に有効なアンダーカットがとれないときや、鉤歯の連結固定を図りたいときに用いる。鉤腕が長くなるため鉤肩で破折しやすい。


解答 a c



4)103A-89 部分床義歯学
歯面に接触する大連結子はどれか。 2つ選べ。

a 外側バー
b Kennedyバー
c 前パラタルバー
d 中パラタルバー
e リンガルプレート



解答 b e



5)105A-54 部分床義歯学
部分床義歯製作のため、シリコーンゴム印象材による印象採得を行うこととした。
口腔内写真(別冊No.3)¬を別に示す。
矢印で示すものの役割はどれか。1つ選べ。

105A-54.png 


a 残存歯の固定
b 歯間乳頭の保護
c 印象体の変形防止
d 歯肉溝滲出液の流出防止
e 印象材の均一な厚みの確保




解答 c


6)103B-52,53 部分床義歯学

次の文により5253の問いに答えよ。
80
歳の女性。咀嚼困難を主訴として来院した。
半年前に上顎義歯を装着し、調整を繰り返したが、噛みにくいという。
義歯の適合と咬合高径とに問題はなく、上下顎義歯床下粘膜に異常を認めない。
診療中の口腔内写真
(別冊No.49A)とリマウントした義歯の写真(別冊No.49B)とを別に示す。

103B-52, 53 
103b-52, 53 49B

52
 写真Aに示す操作に必要な要件はどれか。 2つ選べ。

a 正中線の一致
b
 ワックスの穿孔
c
 最大咬合力の発揮
d
 中心咬合位への誘導
e
 ワックスの均一な軟化


53
 次に行う処置はどれか。 2つ選べ。

a
 咬合調整
b
 咬合面再形成
c
 床面積の拡大
d
 クラスプの追加
e
 パラタルバーの追加


52 解答 d e

53 解答 a b

 

7)103B-47 部分床義歯学

65歳の女性。咀嚼障害を主訴として来院した。筋圧形成を行うこととした。
部分床義歯製作中の写真
(別冊No.45ABC)を別に示す。

103B-47.png

コンパウンドの付着位置を写真Bの矢印の位置までとするか、
写真
Cの位置までとするかを決定する要因はどれか。1つ選べ。

a
 印象材の種類
b
 義歯床の材料
c
 クラスブの種類
d
 大連結子の種類
e
 粘膜の被圧変位量

解答 c

 






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2015/05/05 06:12 部分床 TB(-) CM(0)
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