スポンサーリンク 高張性脱水と低張性脱水の違い - 医療関係資格試験マニア
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 高張性脱水(=高浸透圧性脱水)と低張性脱水(=低浸透圧性脱水)の違い

dehidrasi1.jpg

https://rofiqdoni.wordpress.com/2014/11/12/dehydration/

とある医学生の雑記帳 ( 2014-10-18  配信)を改編
http://tsunepi.hatenablog.com/entry/2014/10/18/070000





体内の水分量が減少した状態を脱水というが、

発汗などにより水分の喪失が塩類の喪失に比べて大きく、
体液の濃度が上昇する場合を高張性脱水
といい、

嘔吐などによってその逆になる場合を低張性脱水
という。

脱水による血漿量の低下は循環血液量の低下をもたらし、
様々な臓器に悪影響を及ぼすが、
低張性脱水は高張性脱水よりも重症となる場合が多い



人の視床下部には浸透圧受容体が存在し、
体液の濃度(=体液浸透圧)が上昇すると飲水行動が誘発されるとともにバソプレシンがの分泌が促進される仕組みがある。

高張性脱水では飲水行動が促進され、バソプレシンが分泌される。

バソプレシンは腎臓の集合管に働き、
アクアポリンという水分子のチャネルの発現を増やし、
水の再吸収を促進する。

また、脱水であるので循環血液量が減少し、腎臓を通る血液も減少する。

すると腎臓の糸球体の血圧受容体がこれを感知し、鉱質コルチコイドを分泌する。

鉱質コルチコイドは腎臓においてナトリウムの再吸収を促進して血液中の浸透圧を高め、
それにより水の再吸収も増加させるはたらきがある。


以上のように、高張性脱水では3つの経路により脱水を補正しようとする。

一方で、
低張性脱水では浸透圧が高くないので視床下部の浸透圧受容体を刺激しないので、
バソプレシンの分泌が促進されない・飲水行動の誘引も行われないなどして
高張性脱水に比べると脱水の補正に時間がかかってしまう。

また、血液の浸透圧が低いので浸透圧の濃い組織に水がどんどん移動してしまい、
組織障害を引き起こすのも低張性脱水が重症化しやすい原因として考えられる。


補足:
柵状配列の僕 my palisading
http://palisading.blogspot.jp/2011/03/blog-post_29.html から
脱水
脱水には3種類ある

高張性脱水
水の方が多く失われている、細胞外液の浸透圧の上昇
低張性脱水
Naの方が多く失われている、細胞外液の浸透圧の低下
等張性脱水
両者が同じ割合で失われている
高張性脱水では細胞外液が高浸透圧となり,細胞内から外へと移動する.このため口渇が強く出る
等張性脱水はわかりやすい,水もNaも均等に失われ,ECFのみが減少する
低張性脱水では低Naを起こし,浸透圧が低下,細胞外から細胞内へと水が移動するので
起立性低血圧や頻脈,脳浮腫といった,いわゆる貧血のような症状をひっぱってくる
(血液そのものが無くなってるわけではないのだけど)

高張性脱水
意識障害、興奮、強い口渇
ECFは補正されているが、その為高度な細胞内脱水が起きている
低張性脱水
立ちくらみ→失神→嘔吐→傾眠、意識障害
口渇は弱い
体液喪失後に、過剰な飲水をすると相対的にNaが低くなる、そのためECFはさらに減少する
等張性脱水
血圧低下、立ちくらみ、倦怠感、脱力感
下痢、嘔吐、出血、熱傷による
細胞内外の水の移動はない

高張性脱水
水分摂取の障害
遭難とか、意識障害、嚥下困難、口渇感の異常(視床下部の腫瘍、外傷、脳動脈硬化)
腎外性水分喪失
消化管から→下痢
皮膚から→発汗
肺から→過換気、気管切開
腎性水分喪失
浸透圧利尿→糖尿病、高カロリー輸液
尿濃縮力の低下→尿崩症、高CaK
医原性
等張性脱水に対する等張液などの不規則な補給

低張性脱水
腎外性体液喪失
消化管から→消化管出血
皮膚から→高度発汗、熱傷、熱射病
腎性体液喪失
食塩喪失性腎疾患→慢性腎不全、多嚢胞腎、慢性間質性腎炎
副腎皮質機能不全→Addison
利尿薬の過剰投与
血管外への体液移行
腹水(腹膜炎、膵炎、腸閉塞)
熱傷による浮腫・水泡
医原性
等張性脱水に対する低張液の不適切な補給
利尿薬
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2015/12/11 06:00 腎・泌尿器 TB(-) CM(0)
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