スポンサーリンク 尿蛋白の選択性〜トランスフェリンとIgG〜 - 医療関係資格試験マニア
fc2ブログ
様々な医療福祉関係の資格試験に挑むブログ
プロフィール

かず

Author:かず
某総合病院で日々、臨床で忙しい医師カズです。
各種医療職の資格試験問題に挑戦しつつ、資格を目指す方々を励ますブログです。
内容は、国内の医師、歯科、薬剤師、看護師国試など、さらには米国医師資格試験(USMLE)、米国歯科医師資格試験(NBDE)あたりの問題にも挑戦する予定です。
応援よろしくお願いいたします。

ブログ使用時の注意点:
PCビューで見ると、答えが隠れています。
解答を見る場合は、”MORE”ボタンをクリックして下さい。
スマホですと、全てが表示されてしまうので演習目的の場合はPCビューがお勧めです。

広告
カテゴリ
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学校・教育
9位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
1位
アクセスランキングを見る>>
楽天お勧め
google+1
尿蛋白の選択性〜トランスフェリンとIgG〜

とある医学生の雑記帳 ( 2014-09-27  配信)を改編
http://tsunepi.hatenablog.com/entry/2014/09/27/212328


腎機能が低下していると尿蛋白が出るが、タンパクの種類を調べることで診断の助けとなる。
次のような考え方ベースとしてある。


腎不全の進行が軽度の場合→小さなタンパク質しか漏れない。

腎不全の進行が高度の場合→小さなタンパクに加え、大きなタンパク質も漏れる。



小さなタンパクだけ漏れている場合を、「選択性が高い」と言い、

サイズに関係なくタンパクが漏れている場合を、「選択性が低い」と言う。



小さなタンパクの代表としてトランスフェリンが、
大きなタンパクの代表としてIgGが測定される。

(小さなタンパクのほとんどはアルブミンだが、計算上トランスフェリンを使う)


尿蛋白選択指数(SI)=IgGクリアランス/トランスフェリンクリアランス


と定義され、

SI<0.2:選択性が高い

SI>0.2:選択性が低い

と考える。

選択性が高い場合は、腎臓のチャージバリアのみの障害であるが、
選択性が低い場合はチャージバリアに加えてサイズバリアの障害もある

と考えることができる。


A,2006-258777_000002_small 
http://www.ekouhou.net/%E5%B0%BF%E8%9B%8B%E7%99%BD%E8%B3%AA%E3%81%AE%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E6%B8%AC%E5%AE%9A%E6%B3%95/disp-A,2006-258777.html





注:チャージバリアとは基底膜が陰性を帯びていることで
アルブミンなどの陰性タンパクはクーロン力による反発のために通過できないことを言う。
サイズバリアとは糸球体係蹄壁の物理的な構造のため、分子量の大きなものは通過できないことをいう。


この尿蛋白選択指数(SI)は臨床では
ネフローゼ症候群の組織型やステロイドの効果の指標として用いられる



ネフローゼ

微小変化型では高選択性

巣状糸球体硬化症、膜性増殖性糸球体腎炎では低選択性


ステロイドの効果

高選択性では効果が期待できる

低選択性では効果が期待できない
 

関連国試問題


A100 問38
32歳の女性。浮腫を主訴に来院した。
尿所見:蛋白3+、糖(-)、潜血(-)、沈渣に白血球 2~3/1視野、赤血球 1~3/1視野、細菌(-)。
血清生化学所見:総蛋白 5.2g/dl、尿素窒素 16mg/dl、クレアチニン 0.7mg/dl
腎生検の光顕PAS染色標本(下図25A)と電子顕微鏡写真(下図25B)とを別に示す。
この患者にみられるのはどれか。

a  ASO上昇
b  血清IgA上昇
c  抗dsDNA抗体上昇
d  尿蛋白高選択性
e  抗糸球体基底膜抗体陽性


100A38A


100A38B



【解答】  d


参考となる 医学生によるPBL談義
Ryu-SCEO ~琉球大学 医学部PBL勉強会~
浮腫がテーマ:http://blog.livedoor.jp/ryukyu_student_pbl/archives/51932268.html

関連記事

スポンサーリンク

2015/12/11 06:20 腎・泌尿器 TB(-) CM(0)
コメント















 管理者にだけ表示を許可する

アクセス数
検索フォーム
知りたい疾患や用語に関連するブログ記事を探すのに使ってください
広告配信
人気記事
本ブログ内でよく読まれている記事
カレンダー
04 | 2023/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
月別アーカイブ(タブ)
各年のアーカイブ全体はLISTをクリック下さい。 LISTを閉じる際は、SELECTをクリック下さい。
リンク
医歯学などの勉強に有用なサイトを随時増やしていきます。 リンクサイトでアクセス出来ないものあれば、メールフォームで遠慮なく教えて下さい。
ブログランキングなど
ブロとも申請フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文: