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尿蛋白の選択性〜トランスフェリンとIgG〜
とある医学生の雑記帳 ( 2014-09-27 配信)を改編 http://tsunepi.hatenablog.com/entry/2014/09/27/212328 腎機能が低下していると尿蛋白が出るが、タンパクの種類を調べることで診断の助けとなる。 次のような考え方ベースとしてある。 腎不全の進行が軽度の場合→小さなタンパク質しか漏れない。 腎不全の進行が高度の場合→小さなタンパクに加え、大きなタンパク質も漏れる。 小さなタンパクだけ漏れている場合を、「選択性が高い」と言い、 サイズに関係なくタンパクが漏れている場合を、「選択性が低い」と言う。 小さなタンパクの代表としてトランスフェリンが、 大きなタンパクの代表としてIgGが測定される。 (小さなタンパクのほとんどはアルブミンだが、計算上トランスフェリンを使う) 尿蛋白選択指数(SI)=IgGクリアランス/トランスフェリンクリアランス と定義され、 SI<0.2:選択性が高い SI>0.2:選択性が低い と考える。 選択性が高い場合は、腎臓のチャージバリアのみの障害であるが、 選択性が低い場合はチャージバリアに加えてサイズバリアの障害もある と考えることができる。 ![]() http://www.ekouhou.net/%E5%B0%BF%E8%9B%8B%E7%99%BD%E8%B3%AA%E3%81%AE%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E6%B8%AC%E5%AE%9A%E6%B3%95/disp-A,2006-258777.html 注:チャージバリアとは基底膜が陰性を帯びていることで アルブミンなどの陰性タンパクはクーロン力による反発のために通過できないことを言う。 サイズバリアとは糸球体係蹄壁の物理的な構造のため、分子量の大きなものは通過できないことをいう。 この尿蛋白選択指数(SI)は臨床では ネフローゼ症候群の組織型やステロイドの効果の指標として用いられる。 ネフローゼ 微小変化型では高選択性 巣状糸球体硬化症、膜性増殖性糸球体腎炎では低選択性 ステロイドの効果 高選択性では効果が期待できる 低選択性では効果が期待できない 関連国試問題 A100 問38 32歳の女性。浮腫を主訴に来院した。 尿所見:蛋白3+、糖(-)、潜血(-)、沈渣に白血球 2~3/1視野、赤血球 1~3/1視野、細菌(-)。 血清生化学所見:総蛋白 5.2g/dl、尿素窒素 16mg/dl、クレアチニン 0.7mg/dl 腎生検の光顕PAS染色標本(下図25A)と電子顕微鏡写真(下図25B)とを別に示す。 この患者にみられるのはどれか。 a ASO上昇 b 血清IgA上昇 c 抗dsDNA抗体上昇 d 尿蛋白高選択性 e 抗糸球体基底膜抗体陽性 ![]() ![]() 【解答】 d 参考となる 医学生によるPBL談義 Ryu-SCEO ~琉球大学 医学部PBL勉強会~ 浮腫がテーマ:http://blog.livedoor.jp/ryukyu_student_pbl/archives/51932268.html
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