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口腔外科特集7:解剖、顎関節症ほか


trigeminal20nervea.jpg 
http://www.jackjasperdesign.com/pepid11.html


闘う!歯科国試 から引用抜粋


解剖、神経など

1)105C-30 口腔外科学
正常なヒト顎関節で中心位において最も前方に位置するのはどれか。1つ選べ。

a 下顎頭
b 下顎窩
c 下関節腔
d 関節隆起
e 関節円板中央狭窄部



2)105A-100 口腔外科学
損傷すると味覚障害をきたすのはどれか。2つ選べ。

a 鼓索神経
b 舌咽神経
c 舌下神経
d 下歯槽神経
e 眼窩下神経



3)103A-120 口腔外科学
下顎水平埋状智歯を除去するときに、損傷に注意すべきなのはどれか。   2つ選べ。

a 舌神経
b 舌咽神経
c 舌下神経
d 下歯槽神経
e 顔面神経下顎縁枝



顎関節症

4)105C-86 口腔外科学
復位を伴う関節円板前方転位で正しいのはどれか。1つ選べ。

a 自発痛を伴う。
b 関節雑音を伴わない。
c 最大開口量が制限される。
d 片側性の場合には開口運動路は患側に偏位する。
e パノラマエックス線写真で関節円板の位置を確認する。



5)105A-109 口腔外科学
代謝異常による顎関節疾患はどれか。1つ選べ。

a 下顎頭肥大
b 変形性関節症
c 痛風性顎関節炎
d 滑膜性骨軟骨腫症
e リウマチ性顎関節炎



others

6)105C-101 口腔外科学
生体活性を示すのはどれか。2つ選べ。

a チタン
b アルミナ
c ジルコニア
d ハイドロキシアパタイト
e TCP<リン酸三カルシウム>



7)107A-34 口腔外科
Malgaigne圧痛が見られるのはどれか。1つ選べ。

a 膿 瘍
b 骨 折
c 唾石症
d 三叉神経痛
e リンパ節炎


解答:MOREへ



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解答

解剖、神経など

1)105C-30 口腔外科学
正常なヒト顎関節で中心位において最も前方に位置するのはどれか。1つ選べ。

a 下顎頭 nandibular head
b 下顎窩 mandibullar fossa
c 下関節腔 ingerior jooint space(diskの直下)
d 関節隆起 articular tubercle
e 関節円板中央狭窄部 articulatr disk


boney-surfaces-of-the-temporomandibular-joint.png 
http://teachmeanatomy.info/head/joints/temporomandibular/

上図から、TMJ周囲の部位で最も前方にあるのは、関節隆起 articular tubercleのdのようである。


解答 d


2)105A-100 口腔外科学
損傷すると味覚障害をきたすのはどれか。2つ選べ。

a 鼓索神経
b 舌咽神経

c 舌下神経:舌を出す
d 下歯槽神経:下顎、下口唇の感覚
e 眼窩下神経:三叉神経(V2)由来、orbita下方の感覚

解答 a b

trans3.gif 

食物の味の情報は舌上の味蕾から感覚神経線維を通って脳へ伝達されます。

その際、舌の部分によって伝達される神経が違います。

舌の前三分の二の感覚:舌神経から鼓索、顔面神経(Facial nerve:VII)を通り、
孤束核に  
入ります。

後ろ三分の一:舌咽神経(Glossopharyngeal nerve:IX)を経由して孤束核に 入ります。

その後、一部の繊維は唾液分泌、嘔吐等の反射を誘発する脳幹の他の部位に投射し、
他の繊維は視床を経由して大脳皮質体性感覚野の下部(味覚野)に投射します。

http://www.geocities.jp/dentist_ks/aji.html


3)103A-120 口腔外科学
下顎水平埋状智歯を除去するときに、損傷に注意すべきなのはどれか。   2つ選べ。

a 舌神経
b 舌咽神経
c 舌下神経
d 下歯槽神経
e 顔面神経下顎縁枝

解答 a d


mandibn.jpg 

下歯槽神経麻痺

1.下の親知らずの抜歯で下歯槽神経に傷害や力がかかってしまった場合。
2.インプラント(人工歯根)を埋めた場合で下歯槽神経に近接しすぎた時。
3.下顎の中の埋伏歯(骨の中に埋まっている歯)の抜歯。
4.親知らずでは無いが下顎の歯を抜歯した場合。
5.局所麻酔による場合。(ほとんどが一過性)
6.下の歯の神経を取る治療をした場合。(これも下歯槽神経に近い場合)
7.下顎の骨の中の腫瘍等を摘出する手術をした場合。
8.下の顎の周囲の粘膜を切開したり、傷付けた場合。
9.下顎を後方に引っ込める外科手術をした場合。

腫瘍の手術や骨折などの手術の場合は高頻度で生じますが、
それほど、存在する様な疾患では有りませんので、皆様が遭遇するケースとしてはやはり何といっても、
親知らずの抜歯とインプラントを下顎の奥の方に埋めた場合が圧倒的に多いと思われます。
それは、下歯槽神経の通り道がちょうど、親知らずの直下に有るからです。
そして、抜かなければならない親知らずは多くは、
半分埋まっている様な歯の為、なお更、神経に近くなってしまうのです。


舌神経麻痺

下の親知らずの抜歯や歯周病の手術の時に起こることがりあります。

症状

舌神経は、舌の前方の感覚をつかさどります。
ただ、意外と親知らずの周辺では粘膜の浅い部分に存在します。
これを傷つけますと、舌の前方の2/3感覚が鈍くなったり失われたりします。


tongn.jpg

tongn2.jpg

どの様な場合に起こってしまうのか。

① ・親知らずの内側の舌神経を親知らずの抜歯の際に、親知らずの一部を削る必要が有った場合。
  ・舌神経がたまたま通常より浅い位置にあった場合。
  ・削るドリルにより舌神経を傷つけてしまう場合。
これらの場合は、防ぎにくいかもしれません。
又、抜歯後に縫合した時に、舌神経を一緒に縫いこんでしまう場合も起こります。

② 親知らずの後方直後に舌神経はあります。抜歯する際に、
歯並びの延長上にメスを入れてしまいますと、舌神経の麻痺がおこります。

これは

 2007年度(第100回)の歯科医師国家試験では禁忌枝として出題

されたようです。

ただ、人それぞれ体のつくりは違います。
思わぬ所に神経が通っている場合もありますので、それが怖いところです。

舌神経はレントゲンでは映りませんので、事前に予想する事は困難です。

もしも舌神経が断裂してしまった場合は自然回復はあまり望めません。
顕微鏡下で縫合する必要が有りますが、日本ではあまり行なわれていないのが現状です。
しかし和歌山県立医科大学、口腔外科(藤田教授)では舌神経を縫合する事による麻痺の治療が行なわれており、
成果が認められております。

http://www.kozukue-shika.jp/oral/mahi/



顎関節症

4)105C-86 口腔外科学
復位を伴う関節円板前方転位で正しいのはどれか。1つ選べ。

×a 自発痛を伴う。  
   この状態では痛みはない。

×b 関節雑音を伴わない。
   click sound +

×c 最大開口量が制限される。
   非復位を伴う関節円板前方転位でないと、開口制限は出ない。

○d 片側性の場合には開口運動路は患側に偏位する。

×e パノラマエックス線写真で関節円板の位置を確認する。
   MRIでないと位置確認できないのだろう。

解答 d



顎関節症に認められる構造上の問題と、異常な顆頭と関節円板の動き



p_page2_02.jpg

複雑なものほど壊れやすいのは世の常ですが、顎関節もまたしかりなのです。

もし、何らかの影響で関節円板がズレて、関節窩-関節円板-顆頭のサンドイッチ状態が崩れたとしたら、どうなるでしょうか?
関節円板は、前後的な連結が弱く、特に後方の結合が弱いため、前方へズレやすいことが分かっています。
後方へズレる場合も報告されていますが、極めて稀です。

関節円板が前方へズレてしまうことを、関節円板前方転位といい、顎関節症患者の約60~70%に認められます
これは、顎関節症で最もよく見られる病型で、日本顎関節学会により、顎関節症Ⅲ型と分類されています。
一度、後方の結合が伸びると、伸びきったゴム紐状態になり、閉口時に、
関節円板は二度と元の位置へ戻らなくなります(上図の中央列と右列を参照)。

関節円板前方転位の状態で口を開くと、関節円板の後方肥厚部が顆頭の前方へのスライドを邪魔します。
更に開口量を増やすと、顆頭は関節円板の後方肥厚部に乗り上げ、一時的にサンドイッチ状態に戻ります。
たとえ一時的であっても、サンドイッチ状態へ復帰することを“復位”といいます。

その時に衝撃があり、それが、“カクッ”という関節雑音(クリック)としてとらえられます(上図の中央列を参照)。
これは、車が縁石に乗り上げたときのショックと似ています。
一般的に、「アゴが鳴る」と表現されますが、これがその正体です。

開口から閉口へ転じると、関節円板は再び前方へ転位し、サンドイッチ状態が崩れ、2度目のクリックが生じます。
開口時と閉口時に1度ずつクリックが起こりますので、これを“相反性クリック”と呼んでいます。
このような関節円板の前方転位を“復位性の関節円板前方転位”といい、
まだこの時点では、十分に口が開きますので、痛みもほとんどありません。

関節円板前方転位の状態が酷くなると、やがて、開口時に円板が復位しなくなります。
これを、“非復位性の関節円板前方転位”といいます。

この時には、クリックが消失し、開口が関節円板により妨害され、「口が開きにくい」状態になります。
このような開口障害を、“クローズドロック”と呼びます(上図の右列を参照)。
ここまで症状が進行すると、「アゴが痛い」ということになります。

http://www.hotei.or.jp/chiryo/ago/page2.html より


5)105A-109 口腔外科学
代謝異常による顎関節疾患はどれか。1つ選べ。

a 下顎頭肥大
b 変形性関節症
c 痛風性顎関節炎
d 滑膜性骨軟骨腫症
e リウマチ性顎関節炎

解答 c

代謝性疾患は高尿酸血症のcのみ


顎関節疾患の分類

  1.発育異常
      1)下顎関節突起欠損
      2)下顎関節突起発育不全
      3)下顎関節突起肥大    
      4)先天性二重下顎頭    
        
  2.外傷
      1)骨折(関節突起、下顎窩)
      2)捻挫(顎関節部
      3)顎関節脱臼 )

   3.炎症
      1)化膿性顎関節炎
      2)顎関節リウマチ
      3)外傷性顎関節炎

   4.腫瘍

   5.顎関節症

   6.その他
    1)顎関節強直症
    2)代謝性疾患(通風など)

http://www.chukai.ne.jp/~myaon80/tmj0.htm


others

6)105C-101 口腔外科学
生体活性を示すのはどれか。2つ選べ。

a チタン
b アルミナ
c ジルコニア
d ハイドロキシアパタイト
e TCP<リン酸三カルシウム>


解答 d e


つまり、骨誘導能や骨伝導能を持つ材質を問うているのだろう。

この問題に関連する重要事項につき表にしておきます。

以下、http://www.e-dentist.co.jp/column/itou_shintani_01.php から

is_img06.gif 

骨伝導はscaffold、殻のみの提供だといえますか。

is_img07.gif 
is_img04.gif


7)107A-34 口腔外科
Malgaigne圧痛が見られるのはどれか。1つ選べ。

a 膿 瘍
b 骨 折
c 唾石症
d 三叉神経痛
e リンパ節炎

解答 b

解説

Malgaigne(マルゲーニュ)圧痛とは、
骨折部位に触れると「イテテテテテ!」ってやつ。


他の間違いやすい圧痛点サイン

Valleix(バレー)の圧痛点

三叉神経痛
(眼窩上孔、眼窩下孔、オトガイ孔)を刺激することで、どの神経枝に異常があるかを判断。


002_004_h.jpg 
●:Valleixの圧痛点 ▲:Patrickの発痛帯
(Oral Studio)


整形外科領域では、坐骨神経痛のサイン


P1020319.jpg 

http://zakotu.gzatugaku.com/zakotu2/ketu87.html

関連記事
2015/12/14 20:52 口腔外科 TB(-) CM(0)
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