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久しぶりに、WebPath各論:
Organ system pathology Hematology : Question 2 からの出題 英文、日本語訳ともに示します。 今回のテーマは、swollen LNについての診断、鑑別。 ![]() http://www.buzzle.com/articles/swollen-lymph-nodes-in-neck.html A 33-year-old woman has experienced low grade fevers, night sweats, and generalized malaise for the past 2 months. On physical examination she has non-tender cervical and supraclavicular lymphadenopathy. A cervical lymph node biopsy is performed. On microscopic examination at high magnification there are occasional CD15+ and CD30+ Reed-Sternberg cells along with large and small lymphocytes and bands of fibrosis. Which of the following is the most likely diagnosis? 33歳、女性。2か月前から、微熱、寝汗、全身倦怠感が続いている。 理学上、無痛性の頚部と鎖骨上窩リンパ節腫脹を認めた。 リンパ節生検が施行された。 強拡大の組織像で随所に大小のリンパ球や、柵状の線維化を伴うCD15、CD30陽性の Reed-Stemberg型巨細胞を認めた。本症例に最も考えられる疾患はどれか。 A) Burkitt lymphoma B) Hodgkin lymphoma C) Cat scratch disease D) Mycosis fungoides (菌状息肉症) E) Multiple myeloma
解答、解説はMOREを押してね 今回は、少し 長いです スポンサーリンク まずは、リンパ節腫脹から考えられる病気の鑑別が重要である。 多くの疾患が浮かぶはずであり、最も注意すべきは悪性リンパ腫やがん転移ではある。 しかし、頻度は1.1%程度とかなり少なめ。 以下は、 救急医の挑戦 in 宮崎(http://ameblo.jp/bfgkh628/entry-11110426825.html) というブログからの引用。 『リンパ節腫脹』の鑑別疾患はいろいろな覚え方があるようです。 “MIAMI”と覚える方法があります。 Malignancies, Infections, Autoimmune disorders, Miscellaneous and unusual conditions, Iatrogenic causes Infection:『感染症』の中のウイルス性ではCMVやEBVだけでなく、麻疹、風疹、単純ヘルペス、HIVなどです。 (反応性にリンパ球が増殖するために全身性腫脹になることが多いです。) ウイルスが宿主に感染し増殖する場合は局所感染で終わる場合と 皮膚か気道粘膜、腸粘膜から侵入しここで増殖が終了すると局所感染で終わりますが、 CMVやEBVは全身感染まで進展するウイルスです。 細菌性では連鎖球菌や黄色ブドウ球菌によるものだけでなく、 (直接リンパ節に感染したり、反応性に腫脹するため限局性腫脹になることが多い。) Neoplasm:リンパ腫、白血病、癌の転移 Iatrogenic/drug:薬剤性(アロプリノール、フェニトイン、カルバマゼピンなど) Autoimmune: 抗体産生するBリンパ球が増殖するためですね。 こうした鑑別疾患と想定しながらの問診と身体所見になりますが、 ポイントは ①硬くて固定したリンパ節 ②2週間以上経過している ③鎖骨上リンパ節 これらは悪性腫瘍を考慮する上で大事な所見となります。 感染症でも無痛性になることはあるんです。 さて、本症例であるが、 ① 2か月も続く微熱、寝汗、全身倦怠感 ② 無痛性の頚部と鎖骨上窩リンパ節腫脹 から、年齢は30歳前半と若いが、悪性である可能性が大。 Biopsyにて、Reed-Stemberg型巨細胞が認められたということで、 答は、B)Hodgkin lymphoma に決まりとなる。 また、リンパ球表面のCDマーカーだが、Reed-Stemberg (RS)型巨細胞は CD15、CD30ともに陽性なので、典型的RS細胞といえる。 リンパ球表面のCD分類の詳細は、 http://www.bc-cytometry.com/Data/cytoinfo/CDchart_221-230.html を参照されたい。 以下、簡単にホジキン病について述べておきます (http://merckmanual.jp/mmpej/sec11/ch143/ch143b.html およびWikipedia より) ホジキン病の病因、分類 ホジキンリンパ腫は,B細胞由来の細胞のクローン性の転化から生じ, 疾病特徴的な二核性のリード-ステルンベルグ細胞を生じさせる。原因は不明。 ホジキンリンパ腫は「古典型」と「結節性リンパ球優勢型」のふたつに大きく分類され、 古典型には4つの亜分類を持たせている。 • 古典型ホジキンリンパ腫 (Classical Hodgkin's lymphoma : CHL) o リンパ球豊富型古典的ホジキンリンパ腫 (Lymphocyte rich : LR) o 結節硬化型ホジキンリンパ腫 (Nodular sclerosis : NS) o 混合細胞型ホジキンリンパ腫 (Mixed cellularity : MC) o リンパ球減少性ホジキンリンパ腫 (Lymphocyte depleted : LD) • 結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫 (Nodular lymphocyte predominant Hodgkin's lymphoma : NLPHL) Histoogy:組織球,リンパ球,単球,形質細胞,好酸球から成る特徴的な細胞浸潤の中に リード-ステルンベルグ細胞(大きな二核細胞)が明らかになる。 古典的ホジキンリンパ腫には4つの組織病理学的亜型があり ( リンパ腫: ホジキンリンパ腫の組織病理学的亜型(WHO分類)表 2:参照),リンパ球優位型もある。 リード-ステルンベルグ細胞の特定の抗原は,ホジキンリンパ腫をNHLと区別するのに役立ち, また古典的ホジキンリンパ腫をリンパ球優位型と区別するのにも役立つ。
悪性リンパ腫の分類 悪性リンパ腫のうち、特徴的な巨細胞(ホジキン細胞やリード・スタインバーグ細胞などと呼ばれる)を認めるものを ホジキンリンパ腫、そのほかのものを非ホジキンリンパ腫と呼びます。 ホジキンリンパ腫はリンパ球豊富型、結節硬化(けっせつこうか)型、混合細胞型、リンパ球減少型に分類されます。 非ホジキンリンパ腫は多くの分類法がありますが、 第一に腫瘍細胞の性質からみて B細胞性 T細胞性 NK細胞性 などに分ける方法があります。 日本人の場合、B細胞性が70~80%を占めるといわれています。 そのほか、進行の速さからみて低悪性度群(濾胞性(ろほうせい)リンパ腫の多く)、中等度悪性度群(びまん性大細胞型など)、高悪性度群(バーキットリンパ腫、リンパ芽球性(がきゅうせい)リンパ腫など)に分類する方法もあります。 悪性リンパ腫のWHO分類を下に示しておきます。私が学生時代にならったころより、かなりすっきりしています。
がん情報サービス ganjoho.jp からの引用 ほかの選択肢に関して A) Burkitt lymphoma (BL) Wikipedia改編 c-myc遺伝子と免疫グロブリン遺伝子の相互転座によって生じる 最も増殖速度の速い病理組織型(高悪性度リンパ腫)の範疇)に 分類される悪性リンパ腫で、リンパ球の中のB細胞から発生する非ホジキンリンパ腫。 分類 臨床的特徴からは以下のように分類される。 • endemic BL - アフリカ・パプアニューギニアで発生する。マラリア流行地域に一致する。殆どが小児で発症し、5歳以下の70%の症例で顎下部腫瘤を形成する。 • sporadic BL - 日本・欧米で発生する。小児から若年成人で発症する。 • 免疫不全関連BL(immunodeficiency associated BL) - HIV感染者に発症する。 Histology: アポトーシスした細胞をマクロファージが貪食するため、 ところどころ染色が抜ける星空像(starry sky appearance) という特徴的所見が認められる。 ただしこの所見はびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)でも見られるため、形態からのみでは診断できない。 ![]() http://info.fujita-hu.ac.jp/pathology1/byouri/syourei/syourei04.htm
組織所見から、本疾患は除外される。 C) Cat scratch disease 猫ひっかき病 原因菌はグラム陰性菌のバルトネラ・ヘンセラ菌(Bartonella henselae)である。 症状 猫にひっかかれた傷が10日後に赤く腫れる。 典型的には、手の傷であれば腋窩リンパ節が、足の傷なら鼠径リンパ節が腫脹する。 しかしながら、顔に傷がなくとも、頚部リンパ節の腫脹がみられることも稀ではない。 腫脹したリンパ節は多くの場合痛みを伴い、体表に近いリンパ節腫張では皮膚の発赤や熱感を伴うこともある。 ほとんどの人で発熱が長く続き、全身倦怠、関節痛、嘔気等も出現する。 特に治療を行わなくても、自然に治癒することも多い。 しかし治癒するまでに数週間、場合によっては数ヶ月もかかることがある。 肝膿瘍を合併することがあり、免疫不全の人や、免疫能力の落ちた高齢者では、 重症化して麻痺や脊髄障害に至るものもある。 猫による外傷にhistoryはなく、本例では否定的。 D) Mycosis fungoides (菌状息肉症) 皮膚リンパ腫のなかで最も頻度の高い、低悪性度のT細胞性リンパ腫。 早期病変(紅斑期と呼ばれる)は、湿疹や乾燥肌のような病変が体幹や四肢に出現する。 この時点での診断はベテラン皮膚科医でも難しく、皮膚所見や病理組織所見を参考にして経過を みないと最終診断に至らないことが多い。 少し、進行して局面期になると、診断は比較的容易になるとこと。 https://www.dermatol.or.jp/qa/qa28/q03.html より ![]() http://pathology.or.jp/corepictures2010/20/c11/01.html マクロ像:皮膚に発生し皮膚を増殖の中心とする、悪性リンパ腫(菌状息肉症は最頻)。 写真は紅斑期。紅色の扁平隆起を多数認める。 ![]() http://pathology.or.jp/corepictures2010/20/c11/03.html
#セザリー症候群(Sézary syndrome);菌状息肉症同様に、皮膚の悪性リンパ腫の一種。 ![]() セザリー細胞。くびれの深い核を持った異型リンパ球である E) Mutipe myeloma 多発性骨髄腫 腫瘍化した形質細胞を骨髄腫細胞と呼びます。 ![]() ミクロ像(骨髄塗抹:ギムザ染色): |
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