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歯科国試に出そうな内科 腎臓1:腎機能、生理

nephron.gif 
http://www.umich.edu/~elements/fogler&gurmen/html/web_mod/viper/kidney_function.htm


歯科国試に出そうな内科問題を医師国試から集めました。
主に、
医師国家試験過去問データベース からです。

 

1)101 B.38

腎臓の構造と機能で正しいのはどれか。2つ選べ

 

a 糸球体は皮質と髄質とに分布している。

b 抗利尿ホルモンによって尿は濃縮される。

c エリスロポエチンは腎臓から分泌される。

d アルドステロンはカリウム再吸収を増加させる。

e 糸球体で濾過されたナトリウムの約10%が再吸収される。

 

2)102 E.4

尿濃縮のための構造はどれか。

 

a 糸球体

b 近位尿細管

c 傍糸球体装置

d Henleのループ

e メサンギウム細胞

 

 

3)105F3

乏尿をきたすのはどれか。

 

a 糖尿病

 b SIADH

c 急性腎不全

d 低カリウム血症

e 高カルシウム血症

 

4)109E-33

109e33.jpg

 

 

5)109E-20


109e20.jpg

 

6)108B32


108b32.jpg


 

7)109G39


109g39.jpg 


 
解答:MOREへ

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 解答

 

1)101 B.38

腎臓の構造と機能で正しいのはどれか。2つ選べ

 

× a 糸球体は皮質と髄質とに分布している。  糸球体は皮質に分布

○ b 抗利尿ホルモンによって尿は濃縮される。

○ c エリスロポエチンは腎臓から分泌される。

× d アルドステロンはカリウム再吸収を増加させる。 逆にK排泄促進

× e 糸球体で濾過されたナトリウムの約10%が再吸収される。
     
糸球体で濾過されたNa+99%は、尿細管で再吸収される

正解 bc


nefuron.jpg 
http://www.i-madoka.com/kidney.html

糸球体、遠位尿細管は皮質
ヘンレ係蹄、集合管は髄質

アルドステロンは、腎臓でのナトリウム再吸収(Na+再吸収)と重炭酸イオン(HCO3-)の吸収を促進し、
ナトリウム再吸収に伴う水の再吸収を促進し、
交換に、カリウム(K+)と水素(H+)の尿中排泄を促進する。
その為、原発性アルドステロン症では、高血圧、高Na血症、低K血症、代謝性アルカローシスが現れる。

http://hobab.fc2web.com/sub4-aldosterone.htm

 

2)102 E.4

尿濃縮のための構造はどれか。

 

a 糸球体

b 近位尿細管

c 傍糸球体装置

d Henleのループ

e メサンギウム細胞

 

正解 d

ヘンレのループのU字型ヘアピンの先っぽ(腎の髄質部分)から上(腎の皮質部分)に向かって進んでいく
上行脚の働きを見てみます。 
この部分はNa/Kポンプの能動輸送によって、濾過液側から間質液側にどんどんNaClを運び出しています。
 当然、濾過液の浸透圧は低くなり、間質液の浸透圧は高くなります。 
すると、ヘンレのループの下行脚は水をよく通すために、間質液の浸透圧が高くなると、
水はそれに引っ張られて出て行くことになり、U字型の尖端に流れて行くにつれて濾過液はその分だけ濃くなり、
浸透圧が上がります。 
すると、こうして濃くなった濾過液が、下行脚からヘアピンカーブを曲がって上行脚に来ると、
上行脚ではさらにここからNaClを運びだしていくので、間質液の浸透圧がさらに上がっていきます。 すると・・・

というように、このシステムに濾過液が流れれば流れるほど、何サイクルも繰り返せば繰り返すほど、
どんどん間質液はU字の先端部分に向かうほど濃くなり、
それにあわせて下行脚の濾過液も先っぽに向かうほどに濃くなることになります。

これがヘンレのループにおける「対向流交換系 counter-current multiplier system」の原理です。 
これによって、当初ヘンレのループの下行脚の入り口では浸透圧300mOsm(=血漿の浸透圧とほぼ同じ)だったのが、
ループの先端婦では1200mOsmにもなるわけです。 
腎皮質の間質液は300mOsmという血漿とほぼ等張なのに、
髄質に行くと1200mOsmもの高張になるのです。

http://blogs.yahoo.co.jp/yuyamichidori/10152060.html

ということで、
ヘンレのループでの対向流交換系 counter-current multiplier system という機能構造が、
尿濃縮にとって、都合がよいといことになるようです。


Fishberg濃縮試験
一定時間の飲水制限後に採尿し,尿の濃縮の程度を調べる検査。
飲水制限を続ける間に不感蒸泄などにより血漿浸透圧が上昇し,抗利尿ホルモン(ADH)の分泌が増加します。
これにより集合管での水再吸収量が増え,体内への水分貯留と尿の濃縮が生じます。
ADHの分泌に異常がなければ,腎髄質の機能をみる検査といえます。

 http://www.kms.ac.jp/~clinilab/units/biochem/fishberg.html

3)105F3

乏尿をきたすのはどれか。

 

a 糖尿病

b SIADH

c 急性腎不全

d 低カリウム血症

e 高カルシウム血症

 

正解 c

 

4)109E-33


109e33.jpg

 

正解  c,e

theme:
腎の生理

comments:
a 約20%が正しい。

   ヒトの両腎臓は体重の0.3%を占めるに過ぎないが、心拍出量の20-25%を受け入れる
   腎血流量は800-1200ml/分にも及ぶ。 Wikipedia

b 約150Lが正しい。

    腎動脈から送られてきた血液は、毛細血管を経由して腎小体(マルピーギ小体)に入る。
    蛋白質以外の血漿成分は一度ボーマン嚢中に濾過される。
    その量は通過血液の10%で、濾過された液体は「原尿」と呼ばれる尿の原料となる。
    原尿は1日約200リットル作られるが、尿となるのは1.5~1.8リットル程で、
    残り約198リットルは全て再吸収される。(Wikipedia)
    
    

c 正しい。他、ブドウ糖やHCO3-なども吸収される。

d 近位尿細管が正しい。


saikyuushuu.jpg 
尿細管のうち近位曲尿細管が再吸収の主役。
ここで水の60%以上、グルコース、アミノ酸の全て、さらに電解質のほとんどが再吸収される。
それなら残りの尿細管の役割はなんなんだというと、もちろん残りの水、電解質の再吸収なんだけど、
ヘンレの係蹄の第一の役割は腎髄質の浸透圧勾配をつくることで、
遠位曲尿細管・集合管の第一の役割は尿の組成・量の調節。
遠位曲尿細管でのカルシウムの再吸収はPTHで調節される。
PTHってなに?という人は内分泌の副甲状腺のところを復習すること。
集合管での水の再吸収、ソディウム・クロライドの再吸収はおのおのADH、アルドステロンにより調節される。

http://www.ninomiya.med.tottori-u.ac.jp/homepage/NE3.html

e △。尿細管のいたるところで水の再吸収が行われており、集合管で最終「調整」される、
  という記載がより正確である。ただ、他の選択肢が選べないのと、
  「集合管でのみ」といった強烈な表現が使ってないため、正答となる
 (複数の部分が「主に」行う、という解釈が可能)。

102E4にてHenleのループが尿濃縮を担う、という出題(前出)がある。

 

 

5)109E-20


109e20.jpg

 

正解  d



theme:
体液平衡(■良問■)

comments:
内分泌・腎臓の総合的な病態理解を問う、良問。

a 体液量は不変。ゆえに浮腫もない。
b 炭酸脱水酵素阻害薬は近位尿細管に作用する利尿薬としても使用されることを思い出せば、
    代謝性アシドーシスをきたすことは想像つく。

c 低カリウム血症をきたすため、代謝性アルカローシスとなる。
d 正しい。H+が血中で増加すればKも増加する。
e NaCl負荷と血清Kは無関係。

参照サイト:http://physiol.umin.jp/elec/

 

6)108B32


108b32.jpg


正解  a,c

theme: ホルモンとその生理作用

comment:
a 正しい。グルカゴンは肝臓での糖新生を促進する。
b インスリンはグリコーゲン分解を抑制する。
c 正しい。バソプレシンは集合管において、水の再吸収を促進する。
d アルドステロンは遠位尿細管において、Na再吸収を促進する。
e 副甲状腺ホルモンは腎におけるCa再吸収を促進し、P再吸収を抑制する

 

7)109G39


109g39.jpg 

正解 a,c,d

theme:
脱水で上昇する因子

comments:

a 正しい。
  脱水時には腎血流が低下し、レニン活性上昇。


0026_honma_fig1.gif 
http://www13.plala.or.jp/thoraco/homework/homework26.html


b 脱水時には体内の水分を保ちたいため、「利尿」ペプチド ANP は分泌されない。

 

心臓から分泌されるホルモンの作用

・心房性ナトリウム利尿ペプチド、脳性ナトリウム利尿ペプチドは、
 腎臓の尿細管に作用して、尿細管でNa+と水の排泄を促し、血圧を低下させます。

[例題] 血圧を上昇させる働きをするのはどれか? 一つ選べ。

イ エリスロポイエチン   ロ レニン   ハ 心房性ナトリウム利尿ペプチド   ニ 心室性ナトリウム利尿ペプチド

                                    正解 (




BNP.png

http://shiratorik-kango.blog.so-net.ne.jp/2013-03-20-1

c 正しい。尿を濃縮し、水分を逃がさないようにする。

d 正しい。脱水時の尿細管再吸収上昇により、BUNが上昇する。

e 上記のように、再吸収が上昇し、尿中Naは低下する。


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2015/12/24 22:14 腎臓:歯科 TB(-) CM(0)
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