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歯科麻酔 臨床問題1 (歯科国試105-108BD)
105回から108回歯科国試問題から、 歯科治療・麻酔中のトラブル、麻酔管理に関するものを集めました。 107B-24の麻酔中に用いられるDVT予防の装置の問題は既出にて除いた。 臨床ではよくみかける装置参照 1)108B-28 38 歳の女性。下顎右側智歯抜去後の三叉神経知覚異常と診断された。 既往歴に特記事項はない。 ある処置のため1.0%メピバカイン塩酸塩1.0 mL を注入したところ、直後に意識が消失し、 全身性硬直性痙攣が生じた。行っていた処置の写真(別冊No. 28)を別に示す。 治療に用いる薬剤で正しいのはどれか。1 つ選べ。 ![]() a フロセミド b ジアゼパム c ニトログリセリン d リドカイン塩酸塩 e アトロピン硫酸塩水和物 2)107B-34 32 歳の女性。右側下唇の麻痺を主訴として来院した。 2 週前に下顎右側第三大臼歯を下顎孔伝達麻酔下に抜去してから発現したという。 治療中の写真(別冊No. 34)を別に示す。 この治療法に伴う生理学的変化はどれか。 2 つ選べ。 ![]() a 散 瞳 b 血流量の増加 c 皮膚温の上昇 d 発汗量の増加 e 鼻腔通気量の増加 3)106D-49 30歳の男性。左口角部の知覚異常のため星状神経節ブロックを行うこととした。 第6頸椎横突起の高さで1%リドカイン塩酸塩6mlを注入したところ、 突然、全身けいれん発作を起こし意識を消失した。 頸動脈で脈拍を触知する。チアノーゼを認める。 適切な処置はどれか。2つ選べ。 a 酸素投与 b 胸骨圧迫 c ジアゼパムの静注 d アドレナリンの静注 e アミノフィリン水和物の静注 4)108D-17 65 歳の男性。咀嚼困難を主訴として来院した。 肥満、睡眠時無呼吸症候群および高血圧症のため加療中である。 プロポフォールによる静脈内鎮静下にインプラント埋入手術が行われた。 処置中のモニタ画面の写真(別冊No. 17)を別に示す。 適切な対応はどれか。2 つ選べ。 ![]() a 酸素投与 b 気管内挿管 c 降圧薬投与 d 深呼吸の指示 e プロポフォールの増量 5) 105D-8 20 歳の男性。下顎右側埋伏智歯の抜去のため来院した。 既往歴に特記事項はない。 下顎孔伝達麻酔を施行直後、気分不快を訴えた。 水平位にして酸素吸入を行い、生体モニタを装着したが、 10 分経過後に症状の改善がみられず、 意識レベルが低下したため薬物投与を行うこととした。 皮膚症状を認めない。装着10 分後の生体モニタの画面(別冊No. 8)を別に示す。 治療薬として適切なのはどれか。1つ選べ。 ![]() a ジアゼパム b エフェドリン塩酸塩 c コデインリン酸塩水和物 d クロルフェニラミンマレイン酸塩 e ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム 6)107B-6 34 歳の男性。精神遅滞のため歯科治療が困難なことから、全身麻酔下で歯科治療を行うこととした。 麻酔導入のため静脈麻酔薬を投与した。 意識消失後に人工呼吸に用いた器具の写真(別冊No. 6)を別に示す。 この器具を選択した理由で正しいのはどれか。 1 つ選べ。 ![]() a 胃内容物が逆流しにくい。 b 喉頭展開を必要としない。 c 先端部分が気管に挿管できる。 d 注水下治療時に水の誤嚥がない。 e 開口できない患者に使用できる。 7)105B-18 45歳の女性。下顎右側臼歯部欠損のためインプラント治療を希望して来院した。 恐怖心が強いため静脈内鎮静法を併用することとした。 薬物投与のために使用した機器の写真(別冊No. 18)を別に示す。 この機器を使用する目的はどれか。1つ選べ。 ![]() a 血管痛の軽減 b 健忘効果の増強 c 血圧変動の防止 d 鎮静レベルの維持 e アレルギー反応発生の予防 解答:MOREへ スポンサーリンク 1)108B-28 38 歳の女性。下顎右側智歯抜去後の三叉神経知覚異常と診断された。 既往歴に特記事項はない。 ある処置のため1.0%メピバカイン塩酸塩1.0 mL を注入したところ、直後に意識が消失し、 全身性硬直性痙攣が生じた。行っていた処置の写真(別冊No. 28)を別に示す。 治療に用いる薬剤で正しいのはどれか。1 つ選べ。 ![]() a フロセミド b ジアゼパム c ニトログリセリン d リドカイン塩酸塩 e アトロピン硫酸塩水和物 正解 b 三叉神経知覚異常に対する星状神経節ブロック直後に生じた全身性硬直性痙攣を伴う意識障害である。 通常の局麻中毒のように、多弁になるといった精神症状もないため、 おそらく誤って動脈内に麻酔剤を入れてしまったのであろう。 まずは、星状神経節ブロック手技。 下図のような方法で星状神経節に麻酔剤を注入する。 従って、頸動脈もすぐ外側に存在し、手技に慣れないものがやれば容易に過ちを起こしてしまうであろう。 ![]() 星状神経節ブロックのcomplication 1.声がかすれる(反回神経麻痺):局所麻酔薬が反回神経に及んだ時に生じます。時間がたてば必ず、治る。 2.皮下出血:穿刺後の圧迫止血で防ぐことが可能。 3.穿刺側の手が重くなる(腕神経叢ブロック): 前斜角筋と中斜角筋の間に局所麻酔薬が拡がった場合に生じ易い。時間がたてば必ず、治る。 4.穿刺側の耳の尾側周辺が鈍くなる(頸神経叢ブロック): 局所麻酔薬が頸神経叢から出る皮枝に及んだ時に生じます。時間がたてば必ず、治る。 5.痙攣、意識消失(血管内注入): 局所麻酔薬が動脈内に投与されると生じる。僅かな量であれば痙攣が生じることはない。 6.上記以外に迷走神経ブロック、くも膜下ブロック、硬膜外ブロック、頸部・縦隔血腫、食道穿刺等が報告されている。 http://tomopain.com/syoshin/seijyousinkei/ 本症例は5)に相当する。 局所麻酔薬中毒への対処 ◯まずは・・・ ・100%酸素投与。 ◯痙攣が生じたら ・まずは痙攣を止めること!気道確保(筋弛緩薬を用いて挿管)。 ・ベンゾジアゼピン系(ジアゼパム5〜10mg、ミダゾラム5mg〜10mg程度)やバルビツレート150〜200mgなどを使用する (循環動態が不安定であればプロポフォールは使用しない)。 ◯その後心毒性が出現したら ・輸液、昇圧薬などでバイタルの維持。 ・必要に応じて蘇生処置をとる(ACLS) ・心室性頻拍にはアミオダロンなど(薬理学的には局所麻酔薬に類似しており、効果には疑問が持たれている) ・20%脂肪乳剤(intravenous lipid emulsion:IVLE)は、ブピバカインを始めとする治療困難な心毒性に対する有用性が示されている。 初回投与は1.5ml/kgを静注し、その後15ml/kg/hrで持続。 必要に応じて3〜5分間隔で初回投与量を追加(総投与量は8ml/kgに留める)。日本ではイントラリピッド®。 12年目麻酔科医の専門医試験対策ノート http://ameblo.jp/haruru-ryo/entry-11478042498.html より したがって、答えは b ジアゼパム 他の薬剤について a フロセミド:心不全などに使われる利尿剤 c ニトログリセリン:急性冠症候群に用いる冠血管拡張剤 d リドカイン塩酸塩:不整脈に使用 e アトロピン硫酸塩水和物: 適応は、 胃・十二指腸潰瘍における分泌ならびに運動亢進 胃腸の痙攣性疼痛,胆管・尿管の疝痛、痙攣性便秘 迷走神経性徐脈及び迷走神経性房室ブロック、その他の徐脈・房室ブロック 麻酔前投薬、ECTの前投与 有機リン(殺虫剤や農薬、サリン)などの副交感神経興奮剤中毒 重症筋無力症の治療におけるコリン作動性クリーゼ ★補追事項 局所麻酔薬の最大対用量(極量) ・プロカイン 12mg/kg ・リドカイン 7mg/kg ・メピバカイン 7mg/kg ・ブピバカイン 3mg/kg ・ロピバカイン 3mg/kg (アドレナリンを含有しない場合は上記の70%程度) 2)107B-34 32 歳の女性。右側下唇の麻痺を主訴として来院した。 2 週前に下顎右側第三大臼歯を下顎孔伝達麻酔下に抜去してから発現したという。 治療中の写真(別冊No. 34)を別に示す。 この治療法に伴う生理学的変化はどれか。 2 つ選べ。 ![]() a 散 瞳 b 血流量の増加 c 皮膚温の上昇 d 発汗量の増加 e 鼻腔通気量の増加 正解 bc これも、問題1)同様に 下顎孔伝達麻酔後の下歯槽膿神経障害に対する星状神経節ブロック治療なのだろう。 星状神経節ブロック;つまり交感神経blockによる効果を聞いている。 交感神経、副交感神経の働きをまとめると、下表のごとく。 ![]() http://www.yamaguchi-naika.com/suko6-6/page3.html 交感神経blockにより a 散 瞳; × 逆に縮瞳 b 血流量の増加 ○ c 皮膚温の上昇 ○ d 発汗量の増加 × 発汗抑制 e 鼻腔通気量の増加 × 気管がせまくなり喘息様になる。 答えは bc 下顎孔伝達麻酔 ![]() http://blog.goo.ne.jp/ango-shinkyu/e/b079b179c8745443a182851a600501a0 3)106D-49 30歳の男性。左口角部の知覚異常のため星状神経節ブロックを行うこととした。 第6頸椎横突起の高さで1%リドカイン塩酸塩6mlを注入したところ、 突然、全身けいれん発作を起こし意識を消失した。 頸動脈で脈拍を触知する。チアノーゼを認める。 適切な処置はどれか。2つ選べ。 a 酸素投与 b 胸骨圧迫 c ジアゼパムの静注 d アドレナリンの静注 e アミノフィリン水和物の静注 正解 ac 問題1)と同じ内容。 正解は acしかない。 4)108D-17 65 歳の男性。咀嚼困難を主訴として来院した。 肥満、睡眠時無呼吸症候群および高血圧症のため加療中である。 プロポフォールによる静脈内鎮静下にインプラント埋入手術が行われた。 処置中のモニタ画面の写真(別冊No. 17)を別に示す。 適切な対応はどれか。2 つ選べ。 ![]() a 酸素投与 b 気管内挿管 c 降圧薬投与 d 深呼吸の指示 e プロポフォールの増量 正解 ad 肥満、睡眠時無呼吸症候群および高血圧症の既往患者に対するプロポフォールによる静脈内麻酔中のmontering moniter上は、 脈拍:70と正常 頻脈であれば麻酔深度を深くするためeも考慮されるかもしれないが、今のところ不要であるし、 プロポフォールによる呼吸抑制が心配であるし、気管内挿管もしていないので危険 BP 108/67とやや低下 cの降圧剤は× SpO2:90 とやや低下しているが、挿管するほどではない。 酸素投与で十分であるし、可能であれば深呼吸させるのもよいだろう。 と、残る選択肢adが正解。 理詰めで攻めて正解が得られる問題。 5) 105D-8 20 歳の男性。下顎右側埋伏智歯の抜去のため来院した。 既往歴に特記事項はない。 下顎孔伝達麻酔を施行直後、気分不快を訴えた。 水平位にして酸素吸入を行い、生体モニタを装着したが、 10 分経過後に症状の改善がみられず、 意識レベルが低下したため薬物投与を行うこととした。 皮膚症状を認めない。装着10 分後の生体モニタの画面(別冊No. 8)を別に示す。 治療薬として適切なのはどれか。1つ選べ。 ![]() a ジアゼパム b エフェドリン塩酸塩 c コデインリン酸塩水和物 d クロルフェニラミンマレイン酸塩 e ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム 正解 b モニター上 BP 72/40と低血圧 hypotension 心拍、脈拍は40と徐脈 bradycardia SpO2は94%となんとかガス交換はok 及び 症状から副交感神経刺激症状。 したがって、エフェドリン塩酸塩による交感神経を高める治療。 他の選択肢 a ジアゼパム:安定剤、局麻中毒には用いる。 c コデインリン酸塩水和物:咳止め d クロルフェニラミンマレイン酸塩:ヒスタミン受容体拮抗薬でⅠ型アレルギーを生じた病態に有効。 e ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム:即効性ステロイド(ソルコーテフ) 6)107B-6 34 歳の男性。 精神遅滞のため歯科治療が困難なことから、全身麻酔下で歯科治療を行うこととした。 麻酔導入のため静脈麻酔薬を投与した。 意識消失後に人工呼吸に用いた器具の写真(別冊No. 6)を別に示す。 この器具を選択した理由で正しいのはどれか。 1 つ選べ。 ![]() a 胃内容物が逆流しにくい。 b 喉頭展開を必要としない。 c 先端部分が気管に挿管できる。 d 注水下治療時に水の誤嚥がない。 e 開口できない患者に使用できる。 正解 b 精神遅滞のため歯科治療が困難なことから、全身麻酔を行う時のラリンジアルマスクの利点は? という問題 aも利点ではあるが、本例における利点ではない。 下図のように、喉頭をマスクでふさいで気道確保する方法で、先端部分が気管に挿管するものではない。 c × ![]() http://www.geocities.jp/machi0822jp/nandemo10.htm d 注水下治療時に水の誤嚥がない;否あり e 開口できない患者に使用できる。 いや出来ない。 従って、b 喉頭展開を必要としない。 が正解 7)105B-18 45歳の女性。下顎右側臼歯部欠損のためインプラント治療を希望して来院した。 恐怖心が強いため静脈内鎮静法を併用することとした。 薬物投与のために使用した機器の写真(別冊No. 18)を別に示す。 この機器を使用する目的はどれか。1つ選べ。 ![]() a 血管痛の軽減 b 健忘効果の増強 c 血圧変動の防止 d 鎮静レベルの維持 e アレルギー反応発生の予防 正解 d 点滴speedを正確に管理して、 鎮静レベルの維持する。 正解 dしかない。 |
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