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歯科麻酔 臨床問題2 (歯科国試105-108BD)

前回に続いて、
105回から108回歯科国試問題から、
歯科治療・麻酔中のトラブル、麻酔管理に関するものを集めました。



8)106B-49
24歳の女性。唾石摘出術後に疼痛があったため鎮痛薬を投与したところ、
全身搔痒感と呼吸困難とを訴えた。顔面は紅潮しく口腔内には浮腫がみられ、
呼吸は努力性で喘鳴を認めた。
体温35.9℃、呼吸数23/分、脈拍100/分、血圧80/40 mmHgであった。
酸素吸入とともに静脈路を確保した。
まず投与すべき薬剤はどれか。1つ選べ。

a フロセミド
b ジアゼパム
c アドレナリン
d フルマゼニル
e ニトログリセリン



9)106D-11
43歳の女性。下顎左側第一大臼歯の抜去のため局所麻酔を行ったところ、
直後に胸痛と呼吸困難とを訴えた。血圧と脈拍は正常範囲内であった。
静脈路を確保したときの手の写真(別冊No. 11)を別に示す。
このときの病態で正しいのはどれか。2つ選べ。

106d11.png

a 脳血流量の増加
b 動脈血pHの低下
c 細胞内カリウム濃度の上昇
d 血清カルシウム濃度の低下
e 動脈血二酸化炭素分圧の低下



10)105B-51
20歳の女性。下顎左側第三大臼歯の抜去のため来院した。
同部に炎症所見を認めない。
既往歴として気管支喘息とアトピー性皮膚炎とがある。
下顎孔伝達麻酔を行ったところ、息苦しさを訴え、喘鳴、
呼気の延長および努力呼吸が発現した。
意識は明瞭で、脈拍90/分、整。血圧145/80 mmHgであった。
投与すべき薬物はどれか。1つ選べ。

a ミダゾラム
b アスピリン
c ドパミン塩酸塩
d リドカイン塩酸塩
e アミノフィリン水和物



11) 105D-47
54歳の男性。上顎右側第一大臼歯の痛みを主訴として来院した。
1型糖尿病で治療を受けているという。
正午前の歯科治療中に、気分不快と動悸とを訴え、発汗、振戦および意識の低下がみられた。
まず投与すべき薬物はどれか。1つ選べ。

a ブドウ糖
b インスリン
c ミダゾラム
d アスピリン
e ニトログリセリン



12)105D-48
65歳の女性。下顎智歯の抜去を希望して来院した。
高血圧症でβ 遮断薬を内服中であるという。
8万分の1アドレナリン含有2%リドカイン塩酸塩
1.8 ml局所麻酔カートリッジを使用することとした。
使用可能なカートリッジ数の上限で正しいのはどれか。1つ選べ。

a 1本
b 3本
c 5本
d 7本
e 9本


解答:MOREへ

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解答


8)106B-49
24歳の女性。唾石摘出術後に疼痛があったため鎮痛薬を投与したところ、
全身搔痒感と呼吸困難とを訴えた。顔面は紅潮しく口腔内には浮腫がみられ、
呼吸は努力性で喘鳴を認めた。
体温35.9℃、呼吸数23/分、脈拍100/分、血圧80/40 mmHgであった。
酸素吸入とともに静脈路を確保した。
まず投与すべき薬剤はどれか。1つ選べ。

a フロセミド
b ジアゼパム
c アドレナリン
d フルマゼニル
e ニトログリセリン

正解 c

鎮痛薬によるⅠ型アレルギーにより、全身搔痒感、軽度の低血圧を来たし脈拍、呼吸回数が増加したようである。
アドレナリン投与が1st choiceか?

a フロセミド:
 心不全による呼吸障害ではなさそう。

b ジアゼパム:
 局麻中毒症状ではなさそう。

d フルマゼニル:
 ベンゾジアピンに対するanatagonist、今回はこのような薬物投与歴は書かれていない。
 ただし、この薬剤は臨床的には使いにくいようである。
 
 救急医の挑戦 in 宮崎 http://ameblo.jp/bfgkh628/entry-10975262496.html 参照
 
e ニトログリセリン
 年齢的にも急性冠症候群は起こしそうもないし、chest painはないので、
 この治療薬は必要ないだろう。



9)106D-11
43歳の女性。下顎左側第一大臼歯の抜去のため局所麻酔を行ったところ、
直後に胸痛と呼吸困難とを訴えた。血圧と脈拍は正常範囲内であった。
静脈路を確保したときの手の写真(別冊No. 11)を別に示す。
このときの病態で正しいのはどれか。2つ選べ。

106d11.png

a 脳血流量の増加
b 動脈血pHの低下
c 細胞内カリウム濃度の上昇
d 血清カルシウム濃度の低下
e 動脈血二酸化炭素分圧の低下

正解 de

典型的なテタニー症状による手指の肢位(トルソー兆候)である。
病歴からして、hyperventilation syndromeを起こした可能性あり。
これにより、PCO2は低下する。
また、低Ca血症によってもおこりえるので、dも正解。

以下の項目も注目

クボステック徴候:
低Ca血症により、顔面神経を刺激すると唇のまわりの筋肉が動くことがある。
ほっぺたを指でこつこつとたたかれることで誘発される。

ECG: QT延長

基本的呼吸器検査と疾患

 
参照

calcium.jpg 
http://megaminosenritu.web.fc2.com/kensa/c/ca.html



10)105B-51
20歳の女性。下顎左側第三大臼歯の抜去のため来院した。
同部に炎症所見を認めない。
既往歴として気管支喘息とアトピー性皮膚炎とがある。
下顎孔伝達麻酔を行ったところ、息苦しさを訴え、喘鳴、
呼気の延長および努力呼吸が発現した。
意識は明瞭で、脈拍90/分、整。血圧145/80 mmHgであった。
投与すべき薬物はどれか。1つ選べ。

a ミダゾラム
b アスピリン
c ドパミン塩酸塩
d リドカイン塩酸塩
e アミノフィリン水和物

正解 e


呼気の延長および努力呼吸が発現、ということで閉塞性換気障害である。
気管支喘息の既往がり、同疾患の急性増悪であろう。

したがって、気管支拡張剤である アミノフィリン水和物(R ネオフィリン)投与が1st choiceである。

a ミダゾラム:ベンゾジアゼピン (BZP) 系の麻酔導入薬・鎮静薬(R ドルミカム)
b アスピリン:鎮痛薬、低濃度での血小板凝集抑制(脳塞栓予防)
c ドパミン塩酸塩:昇圧剤
d リドカイン塩酸塩:抗不整脈剤



11) 105D-47
54歳の男性。上顎右側第一大臼歯の痛みを主訴として来院した。
1型糖尿病で治療を受けているという。
正午前の歯科治療中に、気分不快と動悸とを訴え、発汗、振戦および意識の低下がみられた。
まず投与すべき薬物はどれか。1つ選べ。

a ブドウ糖
b インスリン
c ミダゾラム
d アスピリン
e ニトログリセリン

正解 a


1型糖尿病ということで、insulin投与は必須である。
insulin調節がよくなければ、容易に低血糖 hypoglycemia を起こしえる。

気分不快と動悸とを訴え、発汗、振戦および意識の低下は典型的hypoglycemia の症状。

従って、ブドウ糖の経口投与か、静注が1st choice !


img_illust09.gif 

http://sales.nipro.co.jp/freestyle/diabeters/domino/index.html



12)105D-48
65歳の女性。下顎智歯の抜去を希望して来院した。
高血圧症でβ 遮断薬を内服中であるという。
8万分の1アドレナリン含有2%リドカイン塩酸塩
1.8 ml局所麻酔カートリッジを使用することとした。
使用可能なカートリッジ数の上限で正しいのはどれか。1つ選べ。

a 1本
b 3本
c 5本
d 7本
e 9本

正解 a


http://dualdegree.jimdo.com/%E5%8C%BB%E5%AD%A6%E7%9F%A5%E8%AD%98/ によれば、

通常、成人に対してリドカイン塩酸塩として、

1200mg(0.5%40mL1% 20mL2%10mL)

を基準最高用量とする。

ただし、年齢、麻酔領域、部位、組織、症状、体質により適宜増減する。 

とすれば、10ml ÷ 1.8ml = 5.5 と5本まで可能ではあるが、
本患者では、高血圧症でβ 遮断薬を内服中とのことで、
アドレナリン含有2%リドカイン塩酸塩により、
200以上の緊急高血圧やこれに伴う高血圧性脳出血を生じる可能性もあるため、
慎重投与ということで、a 1本 が正解なのか??

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2015/12/30 19:50 歯科麻酔・救急 TB(-) CM(0)
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