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今回は新作問題。

咽頭痛に関連した問題です。

sore_throat.jpg
https://www.healthtap.com/topics/throat-pain


問題

26歳、男性。2週間前に咽頭痛があり、
近医にて上気道炎の診断で風邪薬を処方された。
しかし、咽頭痛は改善せず、ここ数日は食物を飲み込むこともできなかった。
発熱、咽頭痛、意識混濁を主訴に某ERに来院。
既往歴:特記すべきものはなく、生来健康であるが、
数か月前より虫歯の治療を受け、つい最近まで治療していたとのこと。
来院時の体温39度、血圧 95/50とpre-shock状態。
左頚部には胸鎖乳突筋に沿う圧痛を認めた。
血液検査所見;RBC 570(×10 4/μl)、Hb10.0(g/dl)、
WBC 12000(/μl)、Plt 7(×104/μl)、
CRP 17.3(mg/dl)であった。
胸部X線では、両肺に軽度の胸水を認めたが、
ECG上はST変化などの所見はなかった。
来院時の頚部造影CTを下に示す。

レミエール ct 
http://ameblo.jp/bfgkh628/entry-10974190056.html


以下の疾患のうち、本症例で念頭におくべき疾患は次のうちどれか?

A) インフルエンザ感染症
B) Forestier病
C) Lemierre(レミエール) 症候群
D) 食道炎
E) 咽頭神経症


解答はMOREを押して

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解説と解答

要は “killer sore throat” についての設問である。

つまり、

①急性喉頭蓋炎、
②扁桃周囲膿瘍、
③咽後膿瘍、
④口底蜂窩織炎(Ludwig’s angina)、
⑤レミエール症候群


の5つの疾患。


killer sore throat』といわれる所以は血栓が全身に散らばって肺塞栓(最も多い)や
多発膿瘍、膿胸、胸膜炎を起こすためで進行すれば敗血症、DICで死亡するためです。
(死亡率は520%)



私は知りませんでしたが、


最近”救急医の挑戦 in 宮崎” http://ameblo.jp/bfgkh628/entry-10972211415.html 
というブログをみていて知りました。



選択肢の中で、この、“killer sore throat”に属す疾患は、レミエール症候群という聞きなれない疾患。

レミエール症候群とは、(先ほどのブログ:http://ameblo.jp/bfgkh628/entry-10974190056.html から)



口腔内の感染症(主に咽頭炎)が一段落した後、
2-3週間してからリンパ管を介して広がった細菌により頸動脈鞘、
特に頸静脈に炎症が波及し感染性血栓性静脈炎を起こすものをいいます。
若年者に多い疾患です。
咽頭痛や開口障害、内頚静脈に沿った圧痛を認めた際には積極的に疑い、
頚部造影CTで診断をつけます


レミエール外観
 http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/ENEJMicm030003
外頚静脈に沿う圧痛を認める。
胸部CT;両側の胸水と胸膜直下にabscessらしき結節を認める


問題で提示された造影CTでは赤矢印で示したように、
頸静脈が血栓で閉塞されているのが認められます。
また、胸水もXPでは認められ、
すでに縦隔にも感染が及びかなり生命的に危険な状態であることが示唆されます。
おそらく、Pltはすでに低下しており、Pre DICの状態に近いかもしれません。

本疾患の起炎菌;
口腔内の主に嫌気性菌感染(Fusobacterium necrophorumなど)からの波及によるもので、
咽頭痛に対して抗生剤を使用しなくなったことや、
マクロライドや第2.3世代セフェムを使用されることが多いのが近年の増加の要因とも考えられています。


とあるように、本症例では虫歯の治療歴もあり、口腔内の感染症がベースにあることが示唆されます。

ということで、

正解はC)のレミエール症候群


B) Forestier病も嚥下障害を来し得る、頚椎前方にできる靭帯骨化症ですが、
頚部CTでは、頚椎前方にこの骨化は認められません。
典型的な単純XPを下に示す。

OALL.jpg

http://www.lab2.toho-u.ac.jp/med/ri/ippan%20topics2.html



さて、
きなれない恐ーいレミエール症候群でした。
医師、歯科国試ともに出題される可能性はある 
かと思い、症例提示しました。



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2015/05/10 08:30 耳鼻咽喉科 TB(-) CM(0)
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