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医歯国試にも役立つ薬理学問題(薬剤師国試から)

introduction-to-pharmacology-1-728.jpg 
http://www.slideshare.net/ludymae/introduction-to-pharmacology-10357059


今回は、薬剤師の国試必修問題から薬理関係の問題。
多少難しいかも。

YAKU-TIK 薬学まとめました(薬剤師国試お役たちサイト) から引用


1)99回薬剤師 問29
 麻酔下の動物に、アドレナリンを静脈注射すると急速な血圧上昇とそれに続く下降が認められた。
しかし、ある薬物を前処置後に、先と同量のアドレナリンを静脈注射すると血圧下降のみが認められた。
前処置した薬物はどれか。1つ選べ。

1 スコポラミン 
2 フェントラミン  
3 イソプレナリン
4 プロプラノロール  
5 クロニジン


2)99回薬剤師 問30 
ブロチゾラムの催眠作用の発現に関わる受容体はどれか。1つ選べ。

1 アデノシン受容体
2 ヒスタミン H1 受容体
3 ムスカリン性アセチルコリン受容体
4 ベンゾジアゼピン受容体
5 カンナビノイド受容体


3)99回薬剤師問32 
心臓に対する選択性が高く、頻脈性不整脈に用いられる
Ca2+チャネル遮断薬はどれか。1つ選べ。

1 アゼルニジピン  
2 エホニジピン  
3 シルニジピン
4 ベラパミル  
5 マニジピン


4)99回薬剤師 問35 
ヒドロコルチゾンの薬理作用として誤っているのはどれか。1つ選べ。

1 尿中カルシウム排泄の増加
2 感染症の誘発及び増悪
3 脂肪組織での脂肪分解促進
4 胃酸分泌の抑制
5 血糖値の上昇


5)99回薬剤師 問36
 尿酸合成に関わる酵素を選択的に阻害する薬物はどれか。

1 コルヒチン  
2 ブコローム  
3 プロベネシド
4 フェブキソスタット  
5 ラスプリカーゼ


6)99回薬剤師問38
 ヒスタミン H1 受容体遮断作用を有する抗アレルギー薬はどれか。1つ選べ。

1 ザフィルルカスト  
2 トラニラスト  
3 フェキソフェナジン
4 セラトロダスト  
5 ラマトロバン


7)99回薬剤師 問39 
ノイラミニダーゼを阻害する抗ウイルス薬はどれか。1つ選べ。

1 アシクロビル
2 アマンタジン  
3 オセルタミビル
4 リトナビル  
5 ガンシクロビル


8)100回薬剤師 問29
麻薬拮抗性鎮痛薬はどれか。1つ選べ。

1 フェンタニル
2 モルヒネ
3 ペンタゾシン
4 ペチジン
5 オキシコドン


9)100回薬剤師 問32 
カリウム保持性利尿薬はどれか。1つ選べ。

1 スピロノラクトン
2 ブメタニド
3 アセタゾラミド
4 D - マンニトール
5 メフルシド


10)100回薬剤師 問44
腸肝循環を受けやすい薬物はどれか。1つ選べ。

1 リチウム
2 ゲンタマイシン  
3 セファレキシン
4 プラバスタチン  
5 アシクロビル


11) 100回薬剤師 問45 
フェロジピン服用患者が避けるべき飲食物はどれか。1つ選べ。

1 グレープフルーツジュース
2 牛乳
3 コーヒー  
4 ブロッコリー 
5 納豆


12) 100回薬剤師問47  
治療薬物モニタリング(TDM)が必要とされる代表的な抗生物質はどれか。1つ選べ。

1 アンピシリン
2 イミペネム  
3 エリスロマイシン
4 テイコプラニン  
5 セフジニル


解答:MOREへ


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解答


1)
99回薬剤師 問29

麻酔下の動物に、アドレナリンを静脈注射すると急速な血圧上昇とそれに続く下降が認められた。

しかし、ある薬物を前処置後に、先と同量のアドレナリンを静脈注射すると血圧下降のみが認められた。

前処置した薬物はどれか。1つ選べ。

 

1 スコポラミン 

2 フェントラミン  

3 イソプレナリン

4 プロプラノロール  

5 クロニジン

 

本問の問題文はアドレナリン反転についての記述です。

 

アドレナリン反転とはα1 受容体遮断薬投与後に、アドレナリンを注射すると

血圧下降作用が見られる現象です。

 

アドレナリンはα 受容体及び、β 受容体に作用します。

α 受容体が刺激されると、血圧上昇が引き起こされ

β 受容体が刺激されると、血圧下降が引き起こされます。

 

α1受容体を介した作用の方が、より大きい作用のため

従来は、アドレナリンにより、血圧は上昇します。

 

しかし、α 受容体遮断薬を投与しているとβ 作用のみが見られることで

アドレナリンを投与して血圧が降下する、という現象が見られます。

 

さて、選択肢の5つの薬物ですが

スコポラミンは、M 受容体拮抗薬です。

フェントラミンは、α受容体遮断薬です。

イソプレナリンは、β受容体刺激薬です。

プロプラノロールは、β受容体遮断薬です。

クロニジンは、α 受容体作動薬です。

 

前処置をした薬物は、α遮断薬である

フェントラミンであると考えられます。

 

正解は 2 です。

 

2)99回薬剤師 問30 

ブロチゾラムの催眠作用の発現に関わる受容体はどれか。1つ選べ。

 

1 アデノシン受容体

2 ヒスタミン H1 受容体

3 ムスカリン性アセチルコリン受容体

4 ベンゾジアゼピン受容体

5 カンナビノイド受容体

 

 

ブロチゾラムは、ベンゾジアゼピン系催眠鎮静剤、抗不安薬です。

 

催眠作用の発現に関わる受容体はベンゾジアゼピン受容体です。

 

よって、正解は 4 です。

 

3)99回薬剤師 問32 

心臓に対する選択性が高く、頻脈性不整脈に用いられる

Ca2+チャネル遮断薬はどれか。1つ選べ。

 

1 アゼルニジピン  

2 エホニジピン  

3 シルニジピン

4 ベラパミル  

5 マニジピン

 

 

不整脈にも使われるCa2+チャネル遮断薬はベラパミルです。

 

よって、正解は 4 です。

 

ちなみに、その他の、語尾がジピンであるCa2+チャネル拮抗薬はジヒドロピリジン系 Ca 拮抗薬と呼ばれます。

血管に選択的に作用し、心筋への作用がほとんどないという特徴があります。

 

4)99回薬剤師 問35 

ヒドロコルチゾンの薬理作用として誤っているのはどれか。1つ選べ。

 

1 尿中カルシウム排泄の増加

2 感染症の誘発及び増悪

3 脂肪組織での脂肪分解促進

4 胃酸分泌の抑制

5 血糖値の上昇

 

ヒドロコルチゾンは、ステロイドの一種です。

ステロイドの代表的な副作用は

易感染性、骨粗しょう症、糖尿病、高脂血症、消化性潰瘍などです。

これをふまえて、各選択肢を検討します。

 

選択肢 1 は正しいです。

カルシウム排泄が増加することにより、骨粗しょう症のリスクが高まります。

 

選択肢 2 は正しいです。

免疫が抑制されるため易感染性となります。

又、すでに感染症にかかっている場合は増悪の危険性があります。

 

選択肢 3 は正しいです。

脂肪分解が促進されることにより、高脂血症が進行することがあります。

 

選択肢 4 は誤りです。

ステロイドは、胃酸分泌を促進させます。

その結果、消化性潰瘍が発症することがあります。

 

選択肢 5 は正しいです。

血糖値が上昇することがあります。

 

以上より、正解は 4 です。

 

5)99回薬剤師 問36

 尿酸合成に関わる酵素を選択的に阻害する薬物はどれか。

 

1 コルヒチン  

2 ブコローム  

3 プロベネシド

4 フェブキソスタット  

5 ラスプリカーゼ

 

選択肢 1 ですが

コルヒチンは微小管タンパク質(チュブリン)と結合することで、微小管の形成を阻害する薬です。

これにより、関節炎症部位への好中球の遊走を抑制することで痛風発作を緩解します。

尿酸合成に関わる酵素を選択的に阻害する薬物ではありません。

よって、選択肢 1 は誤りです。

 

選択肢 2 ですが

ブコロームは尿酸排出促進作用のある NSAID です。
抗炎症作用、抗リウマチ作用もあります。

尿酸合成に関わる酵素を選択的に阻害する薬物ではありません。

よって、選択肢 2 は誤りです。

 

選択肢 3 ですが

プロベネシドは、尿酸排出促進薬です。合成酵素阻害薬ではありません。

 

選択肢 4 ですが

フェブキソスタット(フェブリク)は、非プリン型キサンチンオキシダーゼ阻害薬です。

キサンチンオキシダーゼという尿酸合成に関わる酵素を選択的に阻害します。

 

選択肢 5 ですが

ラスプリカーゼは遺伝子組換え尿酸オキシダーゼです。点滴静注薬です。

がん化学療法に伴う、高尿酸血症の治療に用います。尿酸合成酵素阻害薬ではありません。

 

以上より、正解は 4 です。

 

6)99回薬剤師 38

 ヒスタミン H1 受容体遮断作用を有する抗アレルギー薬はどれか。1つ選べ。

 

1 ザフィルルカスト  

2 トラニラスト  

3 フェキソフェナジン

4 セラトロダスト  

5 ラマトロバン

 

選択肢 1 ですが

ザフィルルカストは、ロイコトリエン受容体遮断薬です。

ヒスタミン H1 受容体遮断作用はありません。

 

選択肢 2 ですが

トラニラストは、ケミカルメディエーター遊離抑制薬です。

ヒスタミン H1 受容体遮断作用はありません。

 

選択肢 3 ですが

フェキソフェナジンは、非鎮静性 H1 受容体遮断薬です。

眠気があまりでないように改良された H1 受容体遮断薬です。

選択肢 3 は正しいです。

 

選択肢 4 ですが

セラトロダストは、TXA2 受容体遮断薬です。ヒスタミン H1 受容体遮断作用はありません。

 

選択肢 5 ですが

ラマトロバンは、TXA2 受容体遮断薬です。ヒスタミン H1 受容体遮断作用はありません。

 

以上より、正解は 3 です。

 

参考) 薬理学まとめました 3-6 3)

(アレルギー治療薬へ)

 

7)99回薬剤師 問39 

ノイラミニダーゼを阻害する抗ウイルス薬はどれか。1つ選べ。

 

1 アシクロビル

2 アマンタジン  

3 オセルタミビル

4 リトナビル  

5 ガンシクロビル

 

選択肢 1 ですが

アシクロビルは、DNAポリメラーゼ阻害薬です。

ノイラミニダーゼを阻害するウイルス薬ではありません。

 

選択肢 2 ですが

アマンタジンは、インフルエンザウイルスのM 2 タンパク阻害薬です。

ノイラミニダーゼを阻害するウイルス薬ではありません。

 

選択肢 3 は正しいです。

 

選択肢 4 ですが

リトナビルは、プロテアーゼ阻害薬です。

HIV 薬です。ノイラミニダーゼを阻害するウイルス薬ではありません。

 

選択肢 5 ですが

ガンシクロビルは、アシクロビルと同様に

DNAポリメラーゼ阻害薬です。

ノイラミニダーゼを阻害するウイルス薬ではありません。

 

以上より、正解は 3 です。

 

8)100回薬剤師 問29

麻薬拮抗性鎮痛薬はどれか。1つ選べ。

 

1 フェンタニル

2 モルヒネ

3 ペンタゾシン

4 ペチジン

5 オキシコドン

 

 

選択肢 1 ですが

フェンタニルは、麻薬性鎮痛薬です。麻薬拮抗性では、ありません。

経皮的に吸収できるという特徴があります。

(デュロテップ®バッチ など)

 

選択肢 2 ですが

モルヒネは、麻薬性鎮痛薬です。麻薬拮抗性では、ありません。

 

選択肢 3 は、正しい選択肢です。

麻薬拮抗性であるとは麻薬性鎮痛薬が存在する状況では

拮抗薬として働き存在しない時は作動薬として働くような薬である。

ということです。

ペンタゾシンはμ オピオイド受容体に対する拮抗薬として作用します。

 

選択肢 4 ですが

ペチジンは、麻薬性鎮痛薬です。麻薬拮抗性では、ありません。

 

選択肢 5 ですが

オキシコドンは、麻薬性鎮痛薬です。麻薬拮抗性では、ありません。

 

以上より、正解は 3 です。

 

9)100回薬剤師 問32 
カリウム保持性利尿薬はどれか。1つ選べ。

 

1 スピロノラクトン
2 ブメタニド

3 アセタゾラミド

4 D - マンニトール

5 メフルシド

 

選択肢 1 は、正しい選択肢です。

 選択肢 2 ですが

ブメタニドは、ループ利尿薬です。カリウム保持性利尿薬では、ありません。

 選択肢 3 ですが

アセタゾラミドは、炭酸脱水酵素阻害薬です。カリウム保持性利尿薬では、ありません。

 選択肢 4 ですが

D - マンニトールは、浸透圧性利尿薬です。カリウム保持性利尿薬では、ありません。

 選択肢 5 ですが

メフルシドは、非チアジド系利尿薬です。

チアジド系利尿薬とは骨格構造が異なりますが作用機序は類似した薬です。

カリウム保持性利尿薬では、ありません。

 

以上より、正解は 1 です。

 

参考)薬理学まとめました 3-3 1)

(利尿薬)

 

10)100回薬剤師 問44

腸肝循環を受けやすい薬物はどれか。1つ選べ。

1 リチウム
2 ゲンタマイシン  
3 セファレキシン

4 プラバスタチン  
5 アシクロビル

 

腸肝循環とは肝臓で合成され、十二指腸に分泌された胆汁中の胆汁酸の大部分が

小腸でもう一度吸収されて肝臓に戻ってくることです。

 

腸肝循環を受けやすい薬物としては

 

クロラムフェニコール

インドメタシン

ジゴキシン、ジギトキシン

モルヒネ

ワルファリン

 

などが知られています。

 

ゴロで「黒い字、盛るわ」 で覚えると思い出しやすいかもしれません。

 

本問は

腸肝循環を受けやすい薬物に関する知識では答えることができません。

 

腎臓で主に排泄される代表的な薬物が

リチウム、セファレキシン

アミノグリコシド系抗生物質(ゲンタマイシンなど)

アシクロビル 等であることから消去法で選ぶことを期待されている問題ではないか

と考えられます。

 

正解は 4 です。

 

11) 100回薬剤師 問45 

フェロジピン服用患者が避けるべき飲食物はどれか。1つ選べ。

1 グレープフルーツジュース
2 牛乳
3 コーヒー  
4 ブロッコリー  
5 納豆

 

フェロジピンはジヒドロピリジン系 Ca 拮抗薬です。降圧剤です。

 

CYP 3A4 で代謝されるためグレープフルーツジュース(GFJ)摂取を避けるべきです。

GFJ  は、CYP を阻害する働きがあります。)

 

正解は 1 です。

 

ちなみに

牛乳  テトラサイクリン系、ニューキノロン系

コーヒー  ジアゼパム、テオフィリン

ブロッコリー  ワルファリン

納豆  ワルファリン

が、相互作用として知られています。

 

留意点として相互作用があるから、絶対に一緒にとってはいけないものもあれば

ある程度は許容できるものもあるということに、注意が必要です。

 

12) 100回薬剤師問47  

治療薬物モニタリング(TDM)が必要とされる代表的な抗生物質はどれか。1つ選べ。

1 アンピシリン

2 イミペネム  

3 エリスロマイシン
4 テイコプラニン  

5 セフジニル

 

TDM が必要とされる代表的な抗生物質は、アミノ配糖体抗生物質やグリコペプチド系抗生物質です。

 

具体的には

バンコマイシン、テイコプラニン

アルベカシン、ゲンタマイシン、トプラマイシン 

などです。

 

正解は 4 です。


TDM.png 
http://www2.huhp.hokudai.ac.jp/~pharm-w/TDM.html




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2016/01/02 18:40 薬理学 TB(-) CM(0)
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