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歯科薬理:107C-118

107歯C-118
血中薬物濃度変化(別冊No. 17)を別に示す。
時間依存性の抗菌薬投与法で最も適切なのはどれか。 1 つ選べ。

107c118#


a ア
b イ
c ウ
d エ
e オ



解答:MOREへ

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解答


107歯C-118
血中薬物濃度変化(別冊No. 17)を別に示す。
時間依存性の抗菌薬投与法で最も適切なのはどれか。 1 つ選べ。

107c118#


a ア
b イ
c ウ
d エ
e オ


解答 c

反復投与により,血中薬物濃度をMICとMTCの間に維持する.
したがって,正答は「c」となる.

PK/PD理論(抗菌薬の作用)

薬の作用を考える上で薬物動態はとても重要になる。
ただし、実際には「薬がどれだけ作用したか」を考慮することも大切である。

薬物動態(薬がどれだけ体内に存在しているか)と
薬力学(薬がどれだけその部位で作用しているか)の両方を考慮する。
これが、PK/PD理論の概念となる。

PKはPharmacokineticsの略であり、日本語で「薬物動態」を意味する。
それに対し、PDはPharmacodynamicsの略であり、「薬力学」を意味する。
PK/PD理論は主に抗菌薬の作用で議論される。

抗菌薬の特性

PK/PDパラメーター

抗菌薬の種類

濃度依存性殺菌作用と

長い持続効果(PAE)

AUC/MIC or Cmax/MIC

キノロン系、
アミノグリコシド系

時間依存性殺菌作用と

短い持続効果(PAE)

Time above MIC

ペニシリン系、
セフェム系、
カルバペネム系

時間依存性殺菌作用と

長い持続効果(PAE)

AUC/MIC

クラリスロマイシン、
アジスロマイシン、
テトラサイクリン系、
バンコマイシン



1)濃度依存性抗菌薬のPK/PD

キノロン系など濃度依存性の抗菌薬でPK/PDを考える場合、MIC以外に二つのパラメーターを考慮する必要がある。
このようなパラメーターとしてMPC(耐性菌出現阻止濃度)MSW(耐性菌選択濃度域)がある。

 抗菌薬を考える上で重要となる要素として、耐性菌の出現がある。
できるだけ耐性菌の出現を抑え、感染症を治療しなければいけない。
そこで登場する概念がMPCとMSWである。

 

 濃度依存性抗菌薬のPK/PD

 

菌の増殖を抑えるためには、MICより抗菌薬の濃度を高くすれば良い。
ただし、耐性菌の場合はMICよりも多少抗菌薬の濃度が高かったとしても、生き残って増殖することができる。

 そこで、実際のところMICより抗菌薬の濃度が高いだけでは不十分であり、
これら耐性菌の増殖まで抑えるように抗菌薬の濃度を調節する必要がある。

そこで、MPC(耐性菌出現阻止濃度)が出てくる。この濃度よりも高い血中濃度にすることにより、耐性菌の出現を抑えるのである。
これにより、耐性菌を含めて殺菌することができる。

 そのため、MSW(MICとMPCの間の濃度)では「通常の菌は殺菌されるが、耐性菌は生き残ってしまう濃度」と考えることができる。
そのため、中途半端にMICより高い濃度であると、耐性菌の出現を促進させることになる。

 

これらの理由から、
濃度依存性の抗菌薬は「高濃度で短期間投与により、MPCの値を超えるように投与量を調節する
という事を考えなければいけない。

 

 濃度依存性抗菌薬の正しい投与方法

 

 2)時間依存性抗菌薬のPK/PD

時間依存性の抗菌薬は基本的に「どれだけの時間、MICの値より高い濃度で推移したか」について考える
。MICより濃度が高くても殺菌効果は上がらないため、
Cmax(最高血中濃度)ではなくて血中濃度推移を考えるのである。
そのため、投与量ではなく投与回数の方が重要視される。

 

例えば、薬を投与する事によって次のような血中濃度推移を描く薬があるとする。

 

 時間依存性抗菌薬のPK/PD

 

このとき、左図であれば多くの時間でMICよりも血中薬物濃度が低くなっている。
この場合であると、抗菌薬の作用を発揮させることができない。

 そこで、一回の服用量を減らす変わりに、一日の中での服用回数を増やしてやる。
すると、右図のようにMICよりも高い血中濃度で推移する割合が増える。
これによって、薬の作用を高めるのである。

 ここでさらに服用回数を多くすると、下図のように抗菌薬の作用をより最大化させることができる。

 

 時間依存性抗菌薬の複数回投与

 

 PK/PD理論に基づく創薬研究
このようにPK/PD理論について学習してきたが、実際にこの理論に基づいて使われている薬がある。
このような医薬品としてニューキノロン系抗菌薬であるレボフロキサシン(商品名:クラビット)がある。

 ニューキノロン系抗菌薬は広く使用される薬であるが、耐性菌の出現が深刻な問題となっている。
そこで、この耐性菌の出現を防ぐためにPK/PD理論を用いる。

 抗菌薬の中でもニューキノロン系抗菌薬は濃度依存性の抗菌薬である。
つまり、Cmax(最高血中濃度)の値が高いほど殺菌作用が強くなり、その分だけ耐性菌の出現も抑えることができる。

 そこで、この薬は500mgという高用量を一日一回服用する。
このような使用方法を行うことにより、薬の効果を最大化させるのである。
さらに、MPCの値を超えさせることによって耐性菌の出現も抑えることができる。

 PK/PD理論を知らなければ、
「どのようにすればニューキノロン系抗菌薬の耐性菌出現を防ぐことができるか」
また「なぜレボフロキサシンはこのような使い方をするのか」を理解することができない。

http://kusuri-jouhou.com/pharmacokinetics/pkpd.html


下記記事を参照

抗菌剤に関する問題



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2016/01/09 12:31 薬理:歯科 TB(-) CM(0)
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