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歯科でもおさえておきたい肝臓疾患1(症例問題) 【第105回医師国家試験B-50】 76歳の男性。転居に伴いB型慢性肝疾患の治療継続目的で紹介され来院した。 現病歴:10年前に自宅近くの医療機関でB型慢性肝炎と診断され、 ウルソデオキシコール酸を服用していた。自覚症状は特にない。 生活歴:飲酒は機会飲酒。 既往歴・家族歴:特記すべきことはない。 現症:尿所見:蛋白(-),糖(-)。血液所見:赤血球311万,Hb10.9g/dl,Ht32%,白血球3600。 血液生化学所見:総蛋白6.0g/dl,アルブミン2.6g/dl,クレアチニン0.8mg/dl, 総ビリルビン0.9mg/dl,AST84IU/l,ALT68IU/l,ALP220IU/l(115~359)。 免疫学所見:HBs抗原陽性,HCV抗体陰性,AFP140ng/ml(20以下)
a. CRP高値 b. 尿素窒素高値 c. 血小板減少 d. γ-グロブリン低値 e. 総コレステロール高値 スポンサーリンク 学生B:たしか炎症があればCRPはあがるはず・・ だからaだと思います。 コウメイ:不正解です。正解はcの血小板減少です。 学生B:分かりました。覚えます。 CRPは高くなく、尿素窒素も高くなく、血小板は低く・・ コウメイ:丸暗記はダメです。 なぜそのような検査結果になるかきちんと考えることが大切です。 学生B:なぜそうなるか・・ですか? コウメイ:そうです。この患者は慢性肝炎が原因の肝硬変がありそうです。 それをふまえたうえで選択肢をひとつずつ考えていきましょう。 · 1 a.CRP高値 · 2 b.尿素窒素高値 · 3 c.血小板減少 · 4 d.γ-グロブリン低値 · 5 e.総コレステロール高値 a.CRP高値 炎症があるので一見CRPは高値になりそうです。 しかし、慢性肝炎、肝硬変では高値にならないのが特徴です。 “ふーん”とだけ思っているあなた。これは非常に重要なポイントです。 なぜなら、肝硬変の患者でCRPが上がっていたら 細菌感染を考えなければいけないからです。 特に特発性細菌性腹膜炎は致死的ですので、 絶対に鑑別にいれなけければなりません。 b.尿素窒素高値 尿素窒素は肝とは関係ありません。 消化管出血があれば高値になりますが、内視鏡写真からはなさそうです。 c.血小板減少 肝硬変があると、血液は脾臟に流れます。脾臟では血球をトラップし、 破壊するので血小板が減ります。これが正解です。 ちなみに赤血球、白血球も減ります。 d.γ-グロブリン低値 肝ではまずマクロファージが細菌などを処理していますが、 肝硬変では処理能力が落ちます。 すると細菌をうまく処理できず、リンパ球が賦活化されます。 ですのでγ-グロブリンは高値になります。 ※γ-グロブリンとは抗体のことですよ。 e.総コレステロール高値 コレステロールは肝で合成されます。 肝硬変では合成がうまくできません。 ですので総コレステロールは低値になります。 正解 c いかがでしたか?この問題に限らず全ての問題で なぜそのような検査値になるか考えてみてくだい。 内視鏡:肝硬変に伴う門脈圧亢進により、食道静脈瘤 esophageal varixを呈する。
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