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脳神経についてわかりやすく
とある医学生の雑記帳 ( 2013-02-03 配信) から引用改編 ■脳神経の定義 末梢神経は中枢神経の指示にしたがい作動する。 逆に中枢神経は末梢神経から情報を受け取ることが出来る。 この二つを接続する役割を担うのが脳神経と脊髄神経である。 脳神経・・・頭蓋骨の隙間を通って出入りするもの 脊髄神経・・・脊柱の隙間を通って出入りするもの ■12本の脳神経の覚え方 脳神経12対の覚え方:ゴロ合わせ参照嗅いで見る動く車の三つの外、顔、聞く、舌に迷う、副舌下 1嗅神経 2視神経 3動眼神経 4滑車神経 5三叉神経 6外転神経 7顔面神経 8聴神経 9舌咽神経 10迷走神経 11副神経 12舌下神経 ■脳神経の出入りする場所 3,4、5−1、6は上眼窩裂 7、8は内耳道 9、10、11は頸静脈孔 ■脳神経核の位置、上位ニューロン・下位ニューロンとは 脳神経も普通の神経細胞同様、神経細胞体と神経繊維からなるが、 脳神経の神経細胞体のことを脳神経核という。 それぞれの脳神経核の場所は覚えるに値する 1,2は脳幹より上 3〜12は脳幹。 3,4は中脳、5〜8は橋、9〜12は延髄 尚、一部の脳神経核は存在する場所が分散している。 上位ニューロンとは中枢神経から脳神経細胞体とシナプスするまでの部分 下位ニューロンとは脳神経細胞体から末梢期間に至るまでの部分 ■運動神経か、感覚神経か、複数の役割を持つか。 脳神経には 運動神経として働くもの、 感覚神経として働くもの、 自律神経(副交感神経)として働くものがある。 またやっかいなことに複数の役割を持つ脳神経もある。 逆に言えば、一つの役割しか持たない脳神経は簡単に覚えられる。 運動神経のみ・・・滑車神経、外転神経、副神経、舌下神経 感覚神経のみ・・・嗅神経、視神経、聴神経 複数の役割を持つ・・動眼神経、三叉神経、顔面神経、舌咽神経、迷走神経 各論 ■嗅神経Ⅰ(流れ、嗅覚の検査) 純粋な感覚神経。においには様々な種類があるが、 人間はやく1000種類のにおい受容体を持ち、それらを認識している。 におい受容体を持つのは嗅細胞。嗅細胞は鼻腔粘膜に存在する。 嗅細胞が特徴的な点は自ら神経繊維を持っていて、篩板を通って伸びている。 嗅細胞ーー(篩板)ーー嗅球ーー嗅索を形成ーー嗅覚野 嗅覚の検査 オルファクトメトリー・・・7つの基本臭を低濃度から高濃度まで嗅がせ、その閾値を求める。 静脈性嗅覚検査・・・臭い分子が届かないから臭わないのか、届いているのににおわないのかを鑑別するため ■視神経Ⅱ(経路、検査) 純粋な感覚神経 視覚刺激は網膜視細胞によって認識される。 視細胞は桿体細胞と錐体細胞がある。 視細胞→双極細胞→網膜神経節細胞ーーー(長い突起)ーーーー太い視神経繊維ーー→眼球外へ 視神経繊維は視神経管にくるまれて頭蓋内に入る→視交叉→外側膝状体でシナプス形成 →ここから上位ニューロンとして軸索を伸ばし後頭葉の視覚中枢に(視放線と呼ばれる)。 視放線の一部はメイヤーループと呼ばれ側頭葉内を通過。 ![]() ![]() http://www.anatomy.med.keio.ac.jp/funatoka/anatomy/cranial/cn2.html ![]() http://www.kiyoyoshi-kobayashi-clinic.com/i/contents.html?node=111&contnum=1&child=105 ・検査法 ランドルト環 ![]() 中心フリッカー値・・ 点滅の頻度を上げていくと途中で点滅がわからなくなる。 その周波数を中心フリッカー値と。 つまり視覚の時間的分解能を評価できる。 ・障害 視交叉より中枢の障害では同名半盲 視交差を内側から傷害すると両耳側半盲 ■3動眼神経、4滑車神経、6外転神経 (支配筋肉) (エディンガーウェストファル核・動眼神経核) (対光反射) (近見反射) (MLFとriMLF) (パリノー徴候) △(支配筋肉) 滑車神経・・上斜筋を支配 外転神経・・外直筋を支配 動眼神経・・それ以外(内直筋、上直筋、下直筋、下斜筋) 外転神経麻痺で眼球は内側に偏位 滑車神経麻痺で眼球は上側に偏位(上斜筋は滑車で筋を上に引っ張るイメージ) 動眼神経麻痺で外転神経が優位となり眼球は外側に偏位。 △(エディンガーウェストファル核・動眼神経核) 動眼神経には運動神経と自律神経の二つの成分があり、 副交感神経の核をエディンガーウェストファル核といい、 運動神経の核を動眼神経核という。 動眼神経麻痺になるとそれぞれ症状が出て、副交感神経麻痺で縮瞳作用が阻害されて瞳孔は散大。 運動神経麻痺で外転神経が優位になるので眼球は外側に偏位。 また、上眼瞼挙筋を支配しているので眼瞼下垂を引き起こす。 △(対光反射) 角膜に光を当てて縮瞳の有無を調べる。 この反射の求心路は視神経、遠心路は動眼神経である。 視神経を伝わってきた光刺激は外側膝状体に入らずに脇道にそれてエディンガーウェストファル核に入る。 両側のEW核は後交連で繋がっているので左の眼に光を当てると左側だけでなく右側も縮瞳するのである。 / ![]() http://ishikokkashiken.com/light-reflex-2 △(近見反射) 近見反射=輻湊反射+調節反射+縮瞳 近くを見るときに起こる反射。 近くを見ると無意識のうちに寄り眼(左右の眼球を内転)になると共に水晶体が厚くなる。 寄り眼になることを輻湊反射(ふくそう)という。 また水晶体が厚くなることを調節反射という。 水晶体を支配しているのは毛様体輪状筋の収縮によるが、 この筋は動眼神経の副交感神経によって支配されている。 つまり、この副交感神経によって他の作用である縮瞳も起こるのである。 ![]() http://blog.goo.ne.jp/ango-shinkyu/m/201501 △(内側縦束MLFとその障害) 獲物が右から左に移動するとき、右目は内転、左目は外転する。 つまり、右目は動眼神経が働き、左目は外転神経が働く。 同時に瞬時に行うには大脳の指示を待ってるヒマはない。 脳幹の橋に橋網様体傍正中部(PPRF)に司令塔的な場所がある。 PPRFは外転神経核のすぐ隣なので左目の外転神経への指令は簡単だが、 右目の動眼神経核(@中脳、しかも反対側)に神経繊維を伸ばさないと行けない。 これは内側縦束(MLF)というものが必要である。 MLF症候群とは橋の内側縦束が侵されて起こるもので、 片目ずつだと性状であるが、両目で一方向を見たとき、内転するべき眼球が内転しない。 多発性硬化症・脳血管障害などで起こる。 △(riMLF、パリノー徴候) 獲物が下から上に移動するとき、左右の動眼神経と滑車神経が同時に働かなくてはならない。 幸い両方とも核が中脳にあるので中脳に司令塔である内側縦束吻側間質核(riMLF)を設置。 左右のriMLFは後交連を介して連絡し、同時に両目を動かしている。 riMLFが傷害されると、上方視が強く傷害され、 またriMLFの近くに輻湊反射を司る神経核が存在するので、輻湊麻痺を伴うことが多い。 垂直運動障害と輻湊麻痺をあわせてパリノー徴候(現在では多くの場合中脳背側症候群という)。 ■5三叉神経 脳神経の中で最大。顔面を三等分して3つの枝が出ている(故に三叉神経という名前)。 それぞれの枝V1=眼神経、V2=上顎神経、V3=下顎神経 これらは半月神経節に集まってシナプスを形成し、 そこから上位ニューロンとしてV1は上眼窩裂、V2は正円孔、V3は卵円孔をとおって脳幹の三叉神経核に至る。 尚、原則として三叉神経核は脳幹の橋にあるが、例外もある。 というのも三叉神経核には役割に応じて4つの脳神経核が存在し、 それぞれ運動核、主感覚核、中脳路核、脊髄路核といい 主感覚核@橋 運動核@橋 中脳路核@中脳 脊髄路核@延髄 役割は 主感覚核・・触覚 運動核・・咀嚼筋 脊髄路核・・温痛核 中脳路核・・咀嚼筋の位置覚や深部感覚情報を受け取り、運動核をかいして咀嚼筋にフィードバック 三叉神経麻痺があると V1=瞬きしない(角膜反射) V2、V3=唇の周囲などを触って感覚があるかチェック 咀嚼筋支配しているので麻痺があると患側に偏倚。 ■7顔面神経 顔面の運動を司る運動神経(固有顔面神経)と唾液や涙液の分泌を司る副交感神経(中間神経)がある。 固有顔面神経は橋にある運動核から始まり、中間神経と合流して内耳道をとおる。(これは下位ニューロン) 上位ニューロンは大脳前頭葉の運動野から始まり、運動核でシナプスを形成。(復習) そして膝神経節を作って曲がった後、顔面神経管に入る。 そして茎乳突起を通って耳下部に現れ、顔面の表情筋に分布。 他の神経核の上唾液核(副交感神経)、弧束核(味覚)は 顔面神経管内でそれぞれの目的地である涙腺や唾液腺、舌に行く枝をだして分岐する。 ![]() http://ganmenshinkeimahi.web.fc2.com/ より引用 分岐している神経の名称 大錐体神経・・副交感神経の内、涙腺に向かうもの。これが麻痺すると涙が出ずに眼球乾燥。 アブミ骨神経・・運動神経の一部で耳小骨のアブミ骨に至るもの。 大きな音が内耳に伝わるのを抑制するように収縮してくれている。 よって麻痺すると、音がうるさく聞こえてしまう。 鼓索神経・・弧束核から発した味覚の神経。 舌の前2/3の味覚を支配する。後ろの1/3は舌咽神経が担当。 尚、舌の前2/3の感覚は三叉神経の役割。 後ろ1/3の感覚は舌咽神経。 中枢性の顔面麻痺では反対側の顔面上部の表情筋は動く。 逆に末梢で麻痺すると同じ側の表情筋は全て麻痺する。 ■8聴神経 聴神経には 聴覚を司る蝸牛神経 と 平衡感覚を司る前提神経の2本がある。 【蝸牛神経の経路】 蝸牛神経の経路・・音エネルギー→外耳→中耳→内耳のコルチ器の有毛細胞 →有毛細胞折れ曲がり脱分極→有毛細胞の軸索がラセン神経節まで伸びる。 ラセン神経節はもう一つ軸索を反対側に伸ばしており、それが橋の蝸牛神経核まで伸びている。 蝸牛神経核で上位ニューロンとシナプス(ほとんどが反対側に交叉して台形体に至る。) 台形体で更にシナプスして外側毛帯を上って中脳の下丘に到達し、 そこでシナプスして視床の内側膝状体にいたって更に側頭葉の横側頭回にたどり着く。 ![]() http://jibikkuma.jp/tinnitus2.html 【前庭神経の経路】 半規管と前庭にも有毛細胞がある。 半規管(外側半規管・前半規管・後半規管)・・回転加速度を感知して折れ曲がる 前庭(卵形囊と球形囊)・・直線加速度が加わると折れ曲がる 折れ曲がると脱分極→近くの前庭神経節に伝わる→逆方向に伸びている軸索が延髄にある前庭神経核に到達。 (聴神経の核が橋にある友言われるが、それは蝸牛神経核のはなし) 延髄の前庭神経核は前庭神経由来の情報だけでなく、 視覚系(眼球運動)や脊髄の深部感覚系の神経ともシナプスを形成して情報を入手し、 処理して脳幹や小脳から出力され、総合的に平衡感覚を保っている。 視覚系とのシナプス・・・前庭眼反射が重要:頭部が動いてもしっかりと視線を固定するシステム。 脊髄の深部感覚とのシナプス・・・前庭脊髄反射が重要:体に加速度が加わってもしっかりと姿勢を保持するシステム。 ![]() http://nannchou.com/memai/sikumi_newron.html ■9舌咽神経、10迷走神経 【カーテン徴候】 【咽頭反射】 【軟口蓋反射】 共に機能が似ていて、それぞれ3つの核を持つ。 舌咽神経 下唾液核・・副交感神経の核で耳下腺の分泌を支配 疑核・・運動神経の核で咽頭筋を支配。 弧束核・・感覚神経の核で軟口蓋と舌の後ろ1/3の感覚及び味覚を支配 迷走神経(幅広いところに神経が伝わるので迷走という名前) 背側核・・胸部・腹部内臓の副交感神経として広く分布する。 疑核・・喉頭周辺の筋肉を支配。特に内喉頭筋は声帯運動に関与するので麻痺すると嗄声になる。 弧束核・・感覚神経の核だが喉頭や胸部・腹部内臓など幅広くから情報をうける。 咽頭反射・・咽頭後壁を指で押したりすると、軟口蓋が挙上して舌が引っ込み、おう吐を誘発。 求心路は舌咽神経で遠心路は迷走神経 軟口蓋反射・・軟口蓋を軟口蓋弓に沿って擦った際に、軟口蓋が挙上する反射。 遠心路は迷走神経だが、求心路は三叉神経と舌咽神経。 よって舌咽神経が侵されても三叉神経と迷走神経が残っていれば反射が現れる。 ■11副神経 副神経は胸鎖乳突筋と僧帽筋を支配している。副神経が麻痺すると胸鎖乳突筋及び僧帽筋の筋萎縮が認められる。 ■12舌下神経 舌下神経は舌筋を支配している。 舌下神経麻痺では舌萎縮をきたす。片側性麻痺では患側に舌が曲がる。
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